転職・キャリア

【40代・50代の早期退職・応募経験者】その後のキャリア 後悔はあるのか?

かつての日本型雇用の特徴であった終身雇用は、幻想になりつつあります。

「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言を見ると、超大企業のトヨタですら厳しくなっているのが現実だとわかります。

そして、大企業を始め、多くの会社がリストラの一環としてやっているのが、早期退職です。

その中で、早期退職に応募した人は、

  • どのように考えて応募したのか?
  • 早期退職後にどのようなキャリアを歩んでいるのか?

この記事では、上場企業勤務で、過去に早期退職に応募した人について、ヒアリングにに基づいてまとめてみました。

仕事のマンネリから抜け出して、何か新しいことを考えたいという方の参考になれば幸いです。

早期退職者5人の例

早期退職者5人の例をまとめてみました。

41歳 課長代理からグループ子会社に

応募時の年齢41歳
応募時の役職課長代理
応募時の年収700万円台
応募時の退職金1500万円
応募した理由人員整理の為に、40代以上で管理職の早期退職者を募っていました。

私は課長代理の役職に就いていましたが、能力は平凡、会社からの信用も低いことを感じていたので、自分の能力にも限界を感じて、「もうこれ以上この会社にいてもいつかはリストラされるだろう」と思っていました。

更に、55歳の管理職の人は嘱託社員に降格する社内規定があるので(優秀な人は除きます)、間違いなく私は候補に上がっていたでしょう。

そんな時、いい条件で早期退職を募集していたので(退職金1500万円・退職後はグループ会社に天下り)、思い切っい応募を決意しました。

退職後の仕事早期退職後はグループ会社で雇ってもらい物流部門で管理責任者として働いています

仕事内容は物流センターでの商品管理入出庫の管理人員整理をしています完全たるホワイトカラーからブルーカラーへの転身です

自分の希望する職種ではありませんがこの職場では自分が必要とされている感を実感できて今は充実しています

退職後も活きている前職のスキルなんと言っとも人脈です

トラブルが発生した時には以前働いていた職場の方に助けを求めたりアドバイスをもらったり今の職場でも助けてもらっています

技能は時代の変化や職場が変わることで劣化しますが人脈という人的資源は職場が変わっても一生ものです

満足度職種は180度変わりましたが、前職ではなかった「会社から必要とされている。厚い信頼を得ている」と強く実感できることから、仕事にやりがいを感じて、充実した日々を過ごしています。

48歳男性 部長から前職の営業代行に

応募時の年齢48歳
応募時の役職部長
応募時の年収1100万円台
応募時の退職金2000万円
応募した理由48歳のときに、45歳以上を対象に早期退職の募集がありました。

私は、元々3年周期くらいで会社を辞めようかと思っていたので、早期退職の募集のタイミングで応募することに決めました。

子供がすでに独立していたので、踏ん切りがつきやすかったというのもあります。

退職後の仕事独立して会社を作って、元の職場の営業・見積り代行の仕事をしています。

元の職場で働いていたものの、事情により辞めてしまった人間を集めて、隙間時間に在宅で仕事をしてもらっている人もいます。

退職後も活きている前職のスキル前職の商品知識をそのまま生かせるのが大きいです。
満足度満足しています。

仕事に飽きて何回か会社を辞めうと思っていましたが、今は独立して小さいなりにも社長として、元の職場からも従業員からも感謝されているからです。

57歳男性 課長からヤスリ工場に

応募時の年齢57歳
応募時の役職課長
応募時の年収600万円台
応募時の退職金2000万円~2500万円
応募した理由定年まであと3年になり定年の際の退職金とそれまでの給料の総額が早期退職でもらえる退職金とあまり変わらないことを知りました

それならば早期退職をして他の会社で働いた方がお金になると早期退職を決意しました

退職後の仕事子供も独立して生活に余裕があったため給料より休みや残業の少なさを重視してヤスリ工場に転職しました

前職に比べるとはるかに規模が小さいですがヤスリ業界ではトップの工場です

職種は製造で主な業務内容はヤスリの検査です自社で製造したヤスリに欠陥がないかひとつひとつ強度を確認していく業務を行っています

退職後も活きている前職のスキル前職では物流や在庫管理などを行う事務職についており現在の現場とは全く仕事内容が異なります

しかし前職の正確性が求められる仕事内容で身に付いた几帳面さが検査でも役立っているようです見逃しのない仕事振りを社長が評価して下さり71歳になった現在でも週に2日でも3日でもできるなら来て欲しい仕事をさせてくれています

満足度とても満足しています

あのまま60歳まで働いて辞めるより今も働き続けられてかなり多くお金を稼ぐことができたからです

また仕事があるという事だけでも生活にメリハリが出ます。

36歳男性 係長から知人の務める会社の総務課長に

応募時の年齢36歳
応募時の役職係長
応募時の年収500万円台
応募時の退職金1000万円未満
応募した理由人員削減の一環で広く早期退職が推奨されました。

退職金も一身上の理由で退職するよりも多く出ることがわかりました。ちょうと、そのタイミングで、知人が務める会社への転職もできたため、早期退職に踏み切りました。

退職後の仕事知人が務める会社の総務課長のポストが空いたためその後任として着任しました

以前は上場会社にいたため大組織で職員数も多かったですが、今中小企業と呼ばれる100人規模の会社で管理する部下も20人から4人となりました

総務の内容は前職での庶務課の内容のような備品管理やファシリティ管理ベンダー対応をしている他、人事に近い打刻や残業時間管理等の労務管理もしています。

退職後も活きている前職のスキル前職では大きな組織と多数の職員で構成されている大組織の中での総務課で勤務していました

早期退職後は環境は違いますその中で経験した細々としたやりとりや効率化のノウハウを生かすことができています

また以前から付き合いのあったベンダーと転職先の会社をマッチングさせることもできました

満足度概ね満足しています。上場会社から中小企業に転職する不安もあり、給料も下がりましたが、仕事内容に満足できていることと、前職を自分の意思で辞められた満足感があります。

56歳男性 課長から居酒屋の経営者に

応募時の年齢56歳
応募時の役職課長
応募時の年収600万円台
応募時の退職金1500万円~2000万円
応募した理由貯金と併せて老後十分に生活していける資金があると確信したのと、60歳で退職するより退職金が高くなると聞いた事があったためです。
退職後の仕事資金を活かして今は自営で飲み屋を経営しています

妻と一緒に切り盛りしながらやっていますが固定のお客様も何人か付いていただいて順調に伸びてきていると感じています

趣味程度に始めたのですが思った以上の業績なのでアルバイトを1人募集してもっと本格的に活動してみようか妻と相談している段階です

お店が上手くいかなくなっても生活していけるだけのお金は手元に残しておこうという自分ルールだけは頭に置いています

退職後も活きている前職のスキルあまり生かせているとは実感できていないのですが強いて言えば自分の経験をお客様にお話しさせていただける点です

ありがたいことに人生相談としてご来店していただけるお客様も多いため自分の人生経験が活きていると感じる瞬間です

満足度とても満足しています。

精神的に縛られていた部分が無くなったのと、今のビジネスは早期退職をしなければ絶対にできなかった経験だと思うからです。

まとめ

以上が、実際の早期退職応募者の応募理由とその後のキャリアでした。

みなさん、応募理由はさまざまですが、思った以上に早期退職という選択肢に満足していたのは私にとっても新鮮でした。

私が確認できた数少ないサンプルではありますが、早期退職に応募しようか迷っているみなさんの参考になれば幸いです。

関連記事
>>【終身雇用の崩壊】リストラ・早期退職の対象になりそうな人が事前に準備すべきこと
>>【体験談】40代の転職の現実【成功の決め手は?】