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わかりやすいプレゼン資料の構成・作り方 7つのステップで完全解説!

わかりやすいプレゼンテーション資料の作り方

ビジネスの場面でプレゼンテーションを見る機会は、非常に多いのですが、残念ながらわかりにくいプレゼンテーションや、興味のもてないプレゼンテーションに出会うことも少なくありません。

プレゼンテーションでは、発表者による説明の仕方と、紙やスライドなどの資料構成という2つの要素が重要になります。ここでは、資料にスポットをあて、ロジカルシンキングを活用した、聞き手を戸惑わせない、飽きさせないプレゼン資料の作り方を紹介します。

 

1.プレゼンの目的を明確にする
まず大前提として、プレゼンテーションをする上での目的を明確にする必要があります。

目的を考える際には2つのことを考えます。1つめが、プレゼンをすることで、自分がどうしたいのか、ということ。2つめが、そのプレゼンをすることで相手にどうなっていてもらいたいのか、ということです。

特に2つめの目的については、ついつい、自分の言いたいことばかり話してしまって、相手にどうしてもらうべきだったのかを伝えることを忘れがちになるので注意が必要です。

相手に、自分の取り組みを承認してもらいたいのか、商品を買ってもらいたいのか、パートナーシップを築いてもらいたいのか、など相手に期待する行動が何だったかは常に念頭に置いて資料を作る必要があります。

目的を明確にするのは当たり前のことですが、プレゼン資料を作ることに没頭するあまり、目的を忘れてしまうことが往々にして起こるということを念頭においておきましょう。

以下に目的別に自分がどうしたいか、相手にどうなってもらいたいかを例示します。

プレゼンの目的 自分がどうしたいか 相手にどうなってもらいたいか
意思決定 意思決定をしてもらえるように漏れなく情報を開示する 意思決定してもらう
情報共有・報告 正確な情報を過不足なく伝える 正確に情報を知ってもらう
ディスカッション 現状と課題など意見交換に足りる情報を開示する 現状の課題と次回までにやるべきことを理解し、課題に取り組んでもらう

 

2.聞き手を分析する
プレゼンの資料を作るうえで、聞き手の分析は不可欠です。なぜなら、相手によって、知っていることと知らないこと、興味があることと興味がないこと、などが全く異なるからです。

これもよく考えてみれば、当たり前のことで、例えば、同じ内容のことを話す場合でも、6歳の子供を相手にする場合と、40歳の大人を相手にする場合では、プレゼンの構成が全く異なってくることは容易に想像ができるでしょう。。

他にも社内の重役、新入社員、顧客、投資家、マスコミなど話す相手によって知っていることも違えば、興味も違います。(例えば、新商品の紹介ひとつをとっても、社内の重役は会社業績がどうなるか、新入社員はその開発プロセスでどんなやりがいがあるか、顧客はその商品を買うと何がメリットになるのか、投資家はその商品により株価はどうなるのか、マスコミはその商品はメディア受けするのかなどです。)

したがって、プレゼンの事前準備では、聞き手が何を知っていて、何に興味があるのかをしっかり把握しておくことが重要になります。

 

聞き手の分析例
・聞き手は誰か?
・聞き手の性格はどういう傾向か?
・聞き手の立場は?
・聞き手が今回の件に対して示す関心・興味は何か?
・聞き手が今回の件についてどれだけ知っているか?
・聞き手が今回の件でうけるメリット・デメリットは?
・聞き手が今回の件でうけるネガティブな感情は何か?
・聞き手と自分の関係は?


目的と聞き手の分析が完了すると、次はストーリー作りになります。

 

3.ストーリーを作る 
ストーリーとは、自分の結論(=聞き手を望む方向へ動かすためメッセージ)を言うための話の流れのことです。ストーリーの例として次のようなものがあります。



重要なのは、個々のチャートよりも先にストーリーを作ることです。よくあるのが、手元にあるデータからチャートを作ってしまって、ストーリーが曖昧になるパターンです。そうではなくストーリーを最初にしっかり作りこみ、個々のチャートで言いたいことを言うためのデータを集める方がはるかに効率的かつ効果的なプレゼン資料になります。



もちろん、情報収集の段階で、ストーリーが成立しないことがわかれば、組み直す必要はありますが、手当たり次第データを集めるよりは、はるかに効率的です。

 

ストーリーの種類
ストーリーの種類には以下のようなものがあります。

■現状(背景、現状の分析)-課題-アクション(解決策、具体的な実行策)
■背景-結論-理由1-理由2-理由3・・・
■製品の特徴-製品の利点-顧客にとっての利益-その証拠

1番上ののストーリーはビジネスシーン(例えば、企画提案をする際)に最もよく使われるパターンです。

2番目のストーリーは、同じビジネスシーンでも上司と部下など比較的背景の情報などを共有化できている場合や、メールの文章などでよく使われるパターンです。

3番目のストーリーラインは、テレビショッピングなどでよく使われるパターンです。

 

よいストーリーとは
よいストーリーとは、聞き手から出てくる疑問や興味に対する答えがスムーズに出てくる流れになっている状態です。

例えば、聞き手があるメッセージAを見て、「AということはもしかしてBなのかな?」という疑問をもったときに、その次のメッセージに「調査の結果Bであった」ということが書いてあると、聞き手としてはスムーズにプレゼンの内容が頭に入ってきます。

ここで、逆にBとは全く関係ないCという話が展開され始めると、聞き手の頭がモヤモヤした状態のままプレゼンが先に進むことになってしまいます。

つまり、完成度の高いストーリーにするには、前述のとおり聞き手をしっかり分析しておく必要があるということになります。

このように書くと、ごくごく当たり前のことのように思いますが、実際にはこの点を押さえられてないことでの誤解、紛糾といった例は数多く見られます。

 


4.伝えるポイントを絞る
ストーリーをある程度決めたら、次にやることが伝えるべきポイントを絞ることです。ポイントとは、「これさえ言っておけば相手はアクションを起こしてくれるという」キーになるものです。聞き手が覚えられるポイントは5つくらいが限界だと考えられるので、多くても5つ、できれば3つくらいに絞るのがよいでしょう。(例えば、市場、競合、自社で1つずつポイントを出すなど)

そのためには、結論を言うための根拠として必要なことでも、プレゼン対象者がすでに知っていること、口頭でも簡単に説明できることなど、省けると判断できるものはなるべく省いてポイントを絞ることが重要です。




ストーリー作りが完了すると、次に個々のチャートの作成です。

 

5.チャートメッセージを各スライドに書いていく
ストーリー作成の中で、個々のチャートで言いたいことは明確になっているはずなので、それをチャートメッセージとしてチャートに書く必要があります。

仮説の段階で作ったストーリーをもとに各チャートにチャートメッセージを書いておけば、あとはそれを言うためのデータを集めて、図・表を作成すればよいので、資料作成は格段に早くなります。

逆にチャートメッセージを書かないと、聞き手はその資料から「発表者は何を言いたいのか?この資料にどんな意味があるのか?」を考えしまい、本来は考えなくてもいいところにパワーを使わせてしまい、プレゼンの効果が半減してしまいます。

 

チャートメッセージの種類
チャートメッセージには、大きく下の2つの種類があります。

事実要約型
事実要約型は、プレゼン資料から読み取れる事実をそのままメッセージにしたものです。下の例は、事実要約型になります。事実要約型メッセージは、最も簡単に入れられるメッセージなので、プレゼン資料には最低限欲しいものです。

プレゼン資料の例1


しかし、これは最低限で、できれば次のような解釈型のメッセージを入れた方が、より発表者の主張が伝わりやすいプレゼン資料になります。


解釈型
解釈型は、プレゼン資料に書いた事実を発表者なりに解釈して、その解釈をメッセージにしたものです。解釈をするときのコツは次のとおりです。

1.個別のチャートだけに捉われた解釈をせずに、個別のチャートから
  一旦頭を離して全体として見たときの問題が何かを考える。
2.全体として見て、メッセージを作ったときに、もう一度個別のチャートにある
  情報が不足していないかを考え、不足情報を補う。

先ほどの事実要約型のときと同じデータを使った場合でも、事実を一段階解釈すれば次のようなメッセージくらいは引き出せます。

プレゼン資料の例2

さらに、情報付加して、次のようにすることもできます。

プレゼン資料の例3


最初の事実要約型に比べ、アクションまでつながるメッセージになっているので、メッセージの質としては高いといえます。同じ資料でも聞き手の関心事やアクションにつながるメッセージを捻り出してあげることは、大変重要になります。

解釈型のメッセージを入れるには、聞き手になぜその解釈に至ったのかという論理構成を「スライド上」で、しっかり構築する必要があります(理想的な論理構造とスライド構成は、このページの後半で紹介します)。

また、聞き手にとって意味のあるメッセージにしなければならないので、チャートメッセージとしては事実要約型よりは高度になります。

 

1チャート、1メッセージが原則
まず大原則として、1つのチャートに入れるメッセージは1つだけというのがあります。つまり1つのチャートで2つ以上のことを言わないということです。複数のメッセージを伝えたい場合は、チャートを分けて作った方が相手に伝わりやすい資料になります。

 

チャートメッセージは具体的に書く
チャートメッセージは曖昧な表現をできるだけ避け、具体的な表現にすることが重要です。

例えば、

「売上が落ちているA店には、本社からのサポートが必要である。」

だと、サポートが必要なのはわかりますが、聞いている側は具体的にどうすればよいのかわかりません。

そこで、

「売上が落ちているA点には、本社から人員2名を派遣して、顧客層の分析と競合店の分析にあたらせる必要がある。」

のようにすると、具体性が増します。下のメッセージを引き出すほどの情報を持っていないなら、メッセージを引き出せるだけの情報を入手した方が、プレゼンのインパクトははるかに大きくなります。

 

5.理想的なプレゼン構成に仕上げる
理想的なプレゼンテーションの構成とは、ピラミッドストラクチャーで示すと次のような展開のものです。

 

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プレゼン資料の論理構造例

 

プレゼン資料のスライド構成例


目的、聞き手の関心事の分析、それに基づいたストーリー作りとチャートの作りこみをした上で、ここまで完璧な論理構造を作れば、かなりわかりやすいプレゼン資料になるでしょう。


チャート作成まで完了すると、最後はオープニングの入り方とエンディングの締め方を考えます。

 

6.オープニングを考える 
いくら目的をはっきりさせて、聞き手を分析し、ストーリーを作って、個々のチャートをきれいに作っても、話し手がいきなり本論から入ってしまうと、聞き手は混乱してしまいます。

それは、「今日は何の目的のプレゼンなのか?自分は何をすべきなのか?どの程度時間がかかるのか?話の落としどころは何なのか?」などの疑問を抱えたままプレゼンを聞くことになるからです。

そのため、プレゼンの冒頭で聞き手の混乱を和らげるために、次に示すようなPIPの法則などを使うことが重要になります。

PIPの法則
PIPの法則のPIPとは、目的(Purpose)、重要性(Importance)、プレビュー(Preview)の頭文字をとったものです。PIPは、プレゼンの導入部分で話し手が今回のプレゼンで何をしようとしているのか聞き手に示すべきことを表しています。

※目的
なぜこのプレゼンテーションを行うのか、聞き手にどうなって欲しいのかを示す。
※重要性
目的の達成がどの程度重要なのかを示す。
※プレビュー
プレゼンテーションの構成・目次などを示す。

 

7.エンディングを考える
聞き手は長時間プレゼンを聞いていると、話し手が前に何を話していたか忘れてしまいがちです。エンディングもうまく使うことで、聞き手にプレゼンのポイントを明確に意識させることができるようになります。

エンディングでやると効果的なこと
※重要事項を要約する
3~5つにまとめた重要なポイントを要約する。

※結論を繰り返す
結論となる部分(自分の主張など)を繰り返す。

※結論に対しての賛同を確認する
本当に自分の結論に納得してもらえたか確認する。

※課題を明確にする
プレゼンで出た課題をいつまでに誰がやるのか明確にする。

 

 

プレゼン力UPにおすすめの本

 筆者のおすすめはこちらの本です。

  
論理思考力(話をつなぐスキル)、仮説検証力(疑問に答えるステップ)、会議設計力(議論をまとめるスキル)、資料作成力(紙に落とすステップ)という枠組みで、日頃ビジネスパーソンが悩みがちなプレゼンテーションに関するスキルを明快かつシンプルにまとめられていて、スッと頭に入る内容になっています。

 

悩めるビジネスパーソン必見

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