Ns spirit 投資学・経営学研究室

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税効果会計とは何か

税効果会計
税効果会計とは、会計上の利益と費用、税法上の益金と損金の考え方の違いを調整する会計処理のことをいいます。

 

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収益・費用と益金・損金の違い
会計上、純利益は税引前利益から税金を差し引くことで求められます。大まかに捉えると、税金は利益に対してかかると見てよいのですが、実は税金は利益ではなく課税所得に対して一定の割合でかかります。利益と課税所得には次のような違いがあります。

利益 = 収益-費用
課税所得 = 益金-損金


この式から、収益と益金、費用と損金が一致すれば税引前利益に税率を掛け合わせれば税金が求められますが、実際には税効果がない、すなわち益金にならない収益や、損金にならない費用があります。その例として次のようなものがあります。


■永久差異
収益・費用であっても税効果が認められないもののことです。例えば、受取配当金は収益にはなりますが、益金にはなりません。配当金は支払った会社が課税されたあとに支払うものなので、支払ってもらった配当金に課税すると二重課税になってしまうからです。また、交際費や寄付金は一定額を超えると損金には認められません。これは税金を支払うのが嫌な経営者が交際費や寄付金としてどんどんお金を使うと公平な課税ができなるからです。

このほかに、会社買収(株式買収)の際に生じるのれん代も損金にはなりません。


■一時差異
費用計上と税効果の発生時期が異なる費用のことです。例えば、取引先の会社が倒産寸前ということで貸倒損失として損益計算書に計上したとします。税務当局は貸倒損失をまだ会社が倒産していないからという理由で損金として認めなかったのですが、そのあと期をまたいで取引先が本当に倒産して、税務当局が損金として認める場合があります。

この場合、費用計上した期は損金として認められないために費用>損金になりますが、期をまたいで損金が認められると、費用<損金になります。

このように、一時差異がでる場合は、企業経営の実態をより正確に表すため、税効果会計によって損益計算書上、税額を調整する必要があります。

 

損益計算書の調整
収益や費用として計上しても、科目によって税効果の発生する時期が異なると財務会計上で企業の実態を正確に表せなくなる場合があります。例えば、2006年と2007年で収益と費用が全く一緒だったとします。

先ほど出てきた貸倒損失が2006年には費用として計上されていたとします。この貸倒損失が税務当局から2006年には認められずに、2007年に認められた場合、同じ利益と費用であるにも関わらず支払う税金が2006年と2007年で異なってしまいます。これでは、同じ事業活動をしてきたにも関わらず純利益が異なってしまうため、会計上企業の実態を表せているとはいえません。

こうした例のほかにも、固定資産の減価償却による差異があります。財務会計上は定額法でも定率法でもいいのですが、税務会計上は定率法のみになります。したがって企業が定額法を採用していると、財務会計上の費用と税務会計上の損金に差異がでてきます。

そこで、実際の税額から調整を加えて、あたかも税引前利益に税金がかかっているかのように調整して企業の実態をより正確に見せるための会計処理を行う必要があります。これが税効果会計です。

実際、企業の損益計算書をみると、法人税の支払額のつぎに法人税等調整額というものが出てきます。これが税効果会計を反映するために調整するための科目になります。

 

貸借対照表の調整
税効果会計を採用した場合、貸借対照表上にも新しい科目がでてきます。それが繰延税金資産と繰延税金負債です。

法人税等調整額がマイナスになった場合(つまり「納税額>税効果会計での税額」の場合)、会計上は本来後で支払うべき税金を前倒しで支払っている計算になるので、貸借対照表の資産のところに繰延税金資産という項目に調整額を加算します。

逆に法人税等調整額がプラスになった場合(つまり「納税額>税効果会計での税額」の場合)、会計上は本来支払うべき税金の支払いを猶予してもらっている計算になるので、貸借対照表の負債のところに繰延税金負債という項目に調整額を加算します。