Ns spirit 投資学・経営学研究室

投資・経営の基礎を網羅した「投資学・経営学研究室」のブログ版です。ビジネスパーソンに必須となる基礎知識・基礎スキル、仕事やキャリアに関する情報を中心に発信していきます。

買収後の統合(PMIとは:Post Merger Integration)統合時の課題

買収後の統合(PMI)
M&A後の統合(以下PMI: Post Merger Integration)で重要になってくるのは、シナジーの創出です。これは事前に算定したシナジー効果が目標になります。しかし、予定通りのシナジーを出す上では解決すべき課題も多くあります。

 

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企業文化の融合
統合の大きな阻害要因となるのものにお互いの企業文化の衝突があります。お互い買収に至るまで歩んできた歴史が大きく異なるので文化が違うのは当たり前ですが、この文化がいかに早く融和できるかが大きなポイントになります。

例えば、比較的文化が似ている銀行同士の買収・合併などはうまくいくケースが多いですが、メーカーだと思想の違いが統合を阻害するケースは多々あるようです。

多数の買収をしながら成長しているアメリカのあるメーカーは、その企業が持っている技術や市場での優位性よりも優先して、文化が融合できるかを最優先にチェックするそうです。そして、買収後も速やかに文化を融合させるための仕組みが作られている場合もあります。

 

統合がうまくいかない例
1.トップダウンとボトムアップの衝突
1つめのケースは、一方(A社)がトップダウンの社風で、他方(B社)がボトムアップの社風という文化がまるで違う会社同士の統合です。

A社は製品ラインナップの拡大、B社は流通チャネルの拡大という利害関係が合致したことによる統合でしたが、文化の違いが足を引っ張り、現場レベルでの融合はほとんどなく、当初狙ったとおりの統合効果は出せませんでした。文化の違いは仕事のやり方に大きく影響するので、そこがお互い相容れない部分になっていたのです。


2.某大手の飲食系コングロマリット
このコングロマリットでは、グループ内の企業間で購買で重要視する考え方が全く異なっているため、本来発揮できるはずの規模の効果を全く出せませんでした。例えば店につける空調機器や照明器具のメーカーがグループ内でバラバラだそうです。これは形式上は統合していても、実質は横のつながりがほとんどない例になります。


この他にも世界中で買収後の統合がうまくいっていない例がいくつもありますが、それほど買収・合併後の(現場レベルでの)統合は一筋縄ではいかないものだと言えます。

その原因は、戦略、組織構造、人事制度などの違いから生じる人材のタイプや文化・価値観などの相違であったり、既得権益への固執であったり、統合の方向性に対する考え方の違いを始め様々です。

買収を検討する際は、企業価値やシナジー効果の算出だけに目を奪われずに、買収後に狙いどおりの統合ができるか?あるいはそのプランを事前に検討してあるか?というのも重要なポイントになってきます。