企業買収・改革

買収後の統合(PMIとは:Post Merger Integration)統合時の課題

M&A後の統合(以下PMI: Post Merger Integration)で重要になってくるのは、シナジーの創出です。これは事前に算定したシナジー効果が目標になりますが、実際には予定通りシナジーを出す上では買収後に解決すべき課題も多くあります。

 

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この記事では、買収後の統合(PMI)で課題となる課題について解説していきます。

 

企業文化の融合

統合の大きな阻害要因となるのものにお互いの企業文化の衝突があります。お互い買収に至るまで歩んできた歴史が大きく異なるので文化が違うのは当たり前ですが、この文化がいかに早く融和できるかが大きなポイントになります。

例えば、比較的文化が似ている銀行同士の買収・合併などはうまくいくケースが多いですが、メーカー同士だと思想の違いが統合を阻害するケースは多々あるようです。

 

以下記事に組織文化の一般的な分類をまとめています。

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また、海外企業と日本企業にはビジネススタイルの大きな違いがあるので、そこを押さえておくことも大事です。

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多数の買収をしながら成長しているアメリカのあるメーカーは、その企業が持っている技術や市場での優位性よりも優先して、文化が融合できるかを最優先にチェックするそうです。そして、買収後も速やかに文化を融合させるための仕組みが作られている場合もあります。

 

 

統合がうまくいかない例

統合がうまくいかない例として

トップダウンとボトムアップの衝突

1つめのケースは、一方(A社)がトップダウンの社風で、他方(B社)がボトムアップの社風という文化がまるで違う会社同士の統合です。

A社は製品ラインナップの拡大、B社は流通チャネルの拡大という利害関係が合致したことによる統合でしたが、文化の違いが足を引っ張り、現場レベルでの融合はほとんどなく、当初狙ったとおりの統合効果は出せませんでした。文化の違いは仕事のやり方に大きく影響するので、そこがお互い相容れない部分になっていたのです。

 

一般的なトップダウンとボトムアップの違いは以下の記事にまとめています。

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某大手の飲食系コングロマリット

別のコングロマリットでは、グループ内の企業間で購買で重要視する考え方が全く異なっているため、本来発揮できるはずの規模の効果を全く出せませんでした。例えば店につける空調機器や照明器具のメーカーがグループ内でバラバラだそうです。これは形式上は統合していても、実質は横のつながりがほとんどない例になります。

この他にも世界中で買収後の統合がうまくいっていない例がいくつもありますが、それほど買収・合併後の(現場レベルでの)統合は一筋縄ではいかないものだと言えます。

 

まとめ

買収が予定どおり完了できても、このPMIの段階で躓くケースは多数あります。

 

その原因は、戦略、組織構造、人事制度などの違いから生じる人材のタイプや文化・価値観などの相違であったり、既得権益への固執であったり、統合の方向性に対する考え方の違いなど様々です。

しかし、いくつかのM&A案件に事業会社の立場から何度も絡んだことが私の経験では、買収後の統合では、組織文化の違いが現場を疲弊させるケースばかりでした。それくらい、組織文化というのは大事だということです。(実際以下7Sのところでも解説したように組織文化を変えるのは大変です)

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いくら理論上は素晴らしいシナジーが出せるように見えても、現場が実際にそのとおりに動かないのでは、シナジーを刈り取ることなど不可能です。したがって、買収を検討する際は、企業価値やシナジー効果の算出だけに目を奪われずに、買収後に狙いどおりの統合ができるか?あるいはそのプランを事前に検討してあるか?というのも重要なポイントだということを忘れないようにしましょう。