Ns spirit 投資学・経営学研究室

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ABC(活動基準原価計算)とは 間接費の計算手法のひとつ

ABC(活動基準原価計算)
ABCとは活動基準原価計算のことで、間接費を合理的に計算することにより、できるだけ正確な原価計算を行なう目的で考案された管理会計手法のことです。ABCは、Activity-Based Costingの略です。

 

伝統的な原価計算との違い
伝統的な原価計算においては、共通費を操業度の割合に応じて「配賦」するという考え方が用いられてきました。例えば、工場の建物の減価償却費などの部門共通費は、それらは全て一定の基準でもって部門に対して配賦されていました。

ところが、この配賦の仕方が実態と異なっていると、実際のコストを大幅に下回るコストに基づいて価格をつけたり、逆に実際のコストを大幅に上回るコストに基づいて価格をつけたりす可能性があります。

そこで、製品にかかるコストをできるだけ正確に把握する方法のひとつとしてABCという方法が考えられました。

ABCにおいては、部門共通費を生産、販売、調査などの「活動」に分類し、それぞれの「活動」を個々の製品や部門に対し、その活動が寄与した割合に応じて割り当てていきます。こうすることで、製品原価を合理的に把握することが可能になり、コスト情報の精度やコストの構成内容が明確になるというわけです。

ABCを用いると実際の活動と原価の関連性を明確にできるので、伝統的な原価計算以上に実態を的確に原価に反映することができるようになります。



参考図書

管理会計〔第六版〕

管理会計〔第六版〕

 

 


ABCのメリット

ABCは、計算過程で実際の活動を細分化するので、原価計算の仕組みが複雑になり、管理コストが増大するという結果をもたらします。

また、収集される情報が正確性に欠けるケースも多く、特に間接部門の人件費をどのように配賦するかは客観的に計算することが難しいので、どうしても主観的な仕分けになってしまいます。例えば、ABCを使って財務部門の人件費を事業別に割り振ろうとしても、どの仕事がどの事業に対する貢献なのかを正確に測ることは難しく、結局は計測者の主観に頼る結果となってしまいます。

したがって、ABCを用いるときは、その目的に照らしてどこまで細分化するのが妥当なのか?を予め明確に決めておく必要があります。