人材管理・リーダーシップ

プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャーの役割と、その違い

みなさんは、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーというのを聞いたことあるでしょうか。一見すると似た響きを持っていますが、中身となる役割には大きな違いがあります。

この記事では、私が考えるプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャー違いと、プロダクトマネージャーの役割について書いていきます。

「プロジェクト」マネージャーの役割

プロジェクトマネージャーは設定された目標に対してHowを考えて実現に向けて段取りする存在です。プロジェクトの目標は割と明快な場合が多く、××を市場導入する、〇〇を解決するなど、期間限定である課題に取り組むにあたり、そのプロジェクト全体を取り仕切るのがプロジェクトマネージャーになります。

プロジェクトマネージャーにとって大事なことはプロジェクトのスコープを明確にして、それに向けてリソースの調達から推進の責任を負っています。プロジェクトマネージャー、およびプロジェクトマネジメントの詳細については、別ページも用意していますので、そちらをご参照ください。

【徹底解説】プロジェクトをマネジメントするのに必要なタスク・スキルプロジェクトとは、特定の目的のためにチームを組んで、一定期間、一定リソースを割いて取り組む課題のことです。 そんなプロジェクトの運...
f:id:n_spirit:20180926085517j:plain

「プロダクト」マネージャーの役割

プロダクトマネージャーは製品企画からアフターまで、まさに製品やサービスのコンセプトを新たに創出するところから、市場導入後のアフター対応まで面倒を見る存在だとされています。

プロジェクトマネージャーに比べると、プロダクトマネージャーの方が断然考える領域は広くなり、期間も一般的には長くなります。プロダクトマネージャーは、顧客の志向を熟知した上での製品企画、マーケティングから、採用する技術、生産工程での品質管理に関する知見、アフター対応のマネジメントなど製品に関わることを統合的な経験、知識を持っている人材である必要があります。また、製品開発を進める上では、周辺業務、例えば財務・経理や法務などに関する基礎知識や人脈も必要となってきます。

トヨタ自動車では主査と呼ばれる人がこの「プロダクトマネージャー」に該当し、ベンチャー企業では、社長そのものがプロダクトマネージャーとなっていたりします。アップルだと、創業者のスティーブ・ジョブスが、まさにプロダクトマネージャーでしたし、トヨタでも主査は「製品の社長」という呼び方をされています。

したがって、プロダクトマネージャーはプロジェクトマネージャーとして基本スキルを持ち合わせた上で、より大きな製品構想力や、広い人脈、製品やサービスに関わる深い知見が必要とされます。トヨタの主査の場合、クルマという部品点数が多く、専門領域が細分化されていることから、育成に10~15年程度かかると言われています。

では、プロダクトマネージャーには一体どのようなスキルが必要とされるのか?

プロダクトマネージャーに必要なスキル

前述のようにプロダクトマネージャーは幅広い見識が必要とされるわけですが、それをベースにいくつかの資質が要求されます。ここれでは、トヨタ自動車の初代カローラ主査だった長谷川氏の主査10箇条を紹介します。

車両主査10箇条

1. 主査は自分自身の方策を持つべし. 『よろしく頼む』では人はついてこない!
2. 主査は常に広い智識、視野を学べ.ときには専門外の知識、見識が極めて有効 『専門外の専門』を持つ努力!
3. 主査は大きく網を張ることを身につけよ.『大局的に如何に手を打つか』それにより将来が決まることがある!
4. 主査は全智全能を傾注せよ.『体を張れ、初めから逃げ場をさがしていることを人に感づかせるな』
5. 主査は物事を繰り返す事を面倒がってはならない.『自分に(毎日の反省)』『上に(理解を求める)』『協力者に(理解を求める)』
6. 主査は物事の責任を他人のせいにしてはならぬ。権限はない、あるのは説得力だけ。 『結果について人を怒ってはならぬ』
7. 主査は自分に対して自信(信念)を持つべし。『ぶれるなー少なくとも顔にだしてはならぬ』
8. 主査と主査付きは同一人格でなければならぬ。
9. 主査は要領を使ってはならぬ“顔”“ヤミ取引”“職権”は長続きしない。
10.主査に必要な特性。
■智識力、技術力,経験 ■洞察力、判断力(可能性),決断力 ■度量、経験と実績(良否共に)と自信 ■感情的でないこと。冷静であること.時には自分を殺して我慢 ■集中力 ■統率力 ■柔軟さ ■表現力、説得力 「一定の形はないので個性を生かせ」■無欲という欲

一部に、例えば6など、いかにも日本的なものもありますが、多くは物事の本質をとらえた10箇条だと思います。

最後に、私がいくつかのプロダクトマネジメントを経験した中で感じているプロダクトマネージャーとしての必要与件を以下にあげます。様々な能力が必要となることは間違いないのですが、あえて重要だと思うのも3つに絞ってあげさせてもらいます。

能力1:商品構想力

ここでいう構想力とは、イノベーティブかどうかというのもありますが、それ以上に未来の発展のロードマップが見えているか、競合や市場の(現在ではなく)将来の動向をとらえて商品構想ができるかです。よくありがちなのが、競合だけを見て商品を作る場合です。特に大きな会社になると、社内の力学から競合を見て物を作ることになりがちですが、プロダクトマネージャーは競合を熟知しながらも、いかに競合の模倣から脱却した思考をもてるかが鍵になります。

能力2:決断力

次に大事なのが決断力です。優柔不断ではもちろんプロダクトマネージャーは務まりませんが、かといってその決断に誰もついてこれないようでも問題があります。プロダクトマネージャーは常に情報のアンテナを張り、様々な情報を頭の中に入れた上で、何か課題があったときに即時に判断し、関係者を巻き込んで即座に実行に移すことが大事です。(この関係者を巻き込んで実行に移せるかどうかが大事なのです)。そしてその決断に対して最後まで責任を持つ覚悟も必要です。また何かを決めるということは、しばしば利害関係の調整を伴うことが発生しますが、これを厭わない、場合によってはある部門には負担を強いてでも取り組む決断が必要になります。

能力3:多種多様な関連知識

専門領域における知見はもちろんのこと、周辺知識にも広く興味を持ち情報収集しておく必要があります。例えば、グローバル展開するプロダクトのマネージャーであれば、その国の関係する法律や移転価格についての知識も必要になります。技術にしても自分の出身母体ではない技術知識も必要になるでしょう。(例えばソフトウェアエンジニア出身のプロダクトマネージャーなら、関連するハードウェアに対しても多少の知見を備えておくなど)。こうした知識は書籍から吸収する場合もありますし、幅広い人脈(=コミュニケーション能力)からもたされる場合もあります。いずれにしても、貪欲に知識を吸収する姿勢が、多種多様な知識をもつことにつながっていきます。

リーダーとして心構え

【経験からわかった】リーダーとして信頼されるために必要な10のこと チームマネジメントにおいて、リーダーがチームメンバーから信頼されることは組織運営をする上で大変重要なことです。 将来リ...
ABOUT ME
アバター
セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することを発信しています。