Ns spirit 投資学・経営学研究室

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プロダクトマネージャーに必要とされる3つの資質

前のページ「プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー その役割と違い 」にて、プロダクトマネージャーの役割について解説しましたが、このページではプロダクトマネージャーの資質について解説します。前述のようにプロダクトマネージャーは幅広い見識が必要とされるわけですが、それをベースにいくつかの資質が要求されます。ここれでは、トヨタ自動車の初代カローラ主査だった長谷川氏の主査10箇条を紹介します。


車両主査10箇条
1. 主査は自分自身の方策を持つべし. 『よろしく頼む』では人はついてこない!
2. 主査は常に広い智識、視野を学べ.ときには専門外の知識、見識が極めて有効 『専門外の専門』を持つ努力!
3. 主査は大きく網を張ることを身につけよ.『大局的に如何に手を打つか』それにより将来が決まることがある!
4. 主査は全智全能を傾注せよ.『体を張れ、初めから逃げ場をさがしていることを人に感づかせるな』
5. 主査は物事を繰り返す事を面倒がってはならない.『自分に(毎日の反省)』『上に(理解を求める)』『協力者に(理解を求める)』
6. 主査は物事の責任を他人のせいにしてはならぬ。権限はない、あるのは説得力だけ。 『結果について人を怒ってはならぬ』
7. 主査は自分に対して自信(信念)を持つべし。『ぶれるなー少なくとも顔にだしてはならぬ』
8. 主査と主査付きは同一人格でなければならぬ。
9. 主査は要領を使ってはならぬ“顔”“ヤミ取引”“職権”は長続きしない。
10.主査に必要な特性。
■智識力、技術力,経験 ■洞察力、判断力(可能性),決断力 ■度量、経験と実績(良否共に)と自信 ■感情的でないこと。冷静であること.時には自分を殺して我慢 ■集中力 ■統率力 ■柔軟さ ■表現力、説得力 「一定の形はないので個性を生かせ」■無欲という欲

一部に、例えば6など、いかにも日本的なものもありますが、多くは物事の本質をとらえた10箇条だと思います。

最後に、私がいくつかのプロダクトマネジメントを経験した中で感じているプロダクトマネージャーとしての必要与件を以下にあげます。様々な能力が必要となることは間違いないのですが、あえて重要だと思うのも3つに絞ってあげさせてもらいます。

 

1. 商品構想力
ここでいう構想力とは、イノベーティブかどうかというのもありますが、それ以上に未来の発展のロードマップが見えているか、競合や市場の(現在ではなく)将来の動向をとらえて商品構想ができるかです。よくありがちなのが、競合だけを見て商品を作る場合です。特に大きな会社になると、社内の力学から競合を見て物を作ることになりがちですが、プロダクトマネージャーは競合を熟知しながらも、いかに競合の模倣から脱却した思考をもてるかが鍵になります。

 

2. 決断力
次に大事なのが決断力です。優柔不断ではもちろんプロダクトマネージャーは務まりませんが、かといってその決断に誰もついてこれないようでも問題があります。プロダクトマネージャーは常に情報のアンテナを張り、様々な情報を頭の中に入れた上で、何か課題があったときに即時に判断し、関係者を巻き込んで即座に実行に移すことが大事です。(この関係者を巻き込んで実行に移せるかどうかが大事なのです)。そしてその決断に対して最後まで責任を持つ覚悟も必要です。また何かを決めるということは、しばしば利害関係の調整を伴うことが発生しますが、これを厭わない、場合によってはある部門には負担を強いてでも取り組む決断が必要になります。

 

3. 多種多様な関連知識
専門領域における知見はもちろんのこと、周辺知識にも広く興味を持ち情報収集しておく必要があります。例えば、グローバル展開するプロダクトのマネージャーであれば、その国の関係する法律や移転価格についての知識も必要になります。技術にしても自分の出身母体ではない技術知識も必要になるでしょう。(例えばソフトウェアエンジニア出身のプロダクトマネージャーなら、関連するハードウェアに対しても多少の知見を備えておくなど)。こうした知識は書籍から吸収する場合もありますし、幅広い人脈(=コミュニケーション能力)からもたされる場合もあります。いずれにしても、貪欲に知識を吸収する姿勢が、多種多様な知識をもつことにつながっていきます。