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為替レートの決定理論 購買力平価説 金利平価説 貨幣数量理論

為替レートにも株価と同じように、決定理論があります。決定理論には、為替需給の注目点によって様々な学説があります。ここでは、主な理論を5つ紹介しますが、いずれも為替需給を考える際の参考理論であって、完璧に為替の動きを表す理論ではないということに留意しておく必要があります。

購買力平価説

購買力平価とは、同じ商品の価格が二国間で同じになるよう均衡した為替レートのことを言います。例えば、同じ果物が1個あたり、アメリカでは1ドル、日本では105円で売られていた場合、1ドル=105円とするのが購買力平価となります。

ユニークな購買力平価にビッグマック購買力平価というものがあります。これはマクドナルドで販売するビッグマックが全世界で同一品質であり、価格の決定要因が極めて似ているということから用いられるものです。このビッグマック購買力平価を用いると1ドル=90円程度になるそうです。

購買力平価説は非常に単純な為替レート決定理論ですが、欠点もたくさんあります。10年間の為替レートにはある程度購買力平価に沿った変動をするそうですが、短期の為替レートは購買力平価と乖離した動きになるようです。また、どの時点の購買力平価を基準にするかという問題があります。

OECD(経済協力開発機構)ではGDP購買力平価というものに基づいた為替レートを発表しています。これはGDPに対応する商品群を元に購買力平価を導き出すものです。GDP購買力平価では1ドル=135円程度になるそうです。

ちなみに、ビッグマック購買力平価、GDP購買力平価ともに現在(2005年4月現在)の為替レートとは大きくかけ離れています。

最新の購買力平価は以下OECDのページから確認できます。

data.oecd.org

金利平価説

金利平価説とは、2国間の政策金利の差が為替変動をもたらすとする考え方です。短期的には金利が高い通貨が高くなるものの、長期的には金利の高い通貨の方が下がる傾向になります。

金利5%の通貨Aが100Aと、金利1%の通貨Bが100Bあったとして、レートが100A=100Bだと、市場参加者は100Bの通貨を売って100Aの通貨を買います。そうすると、100Bに対して、通貨Aは105A、110Aと上がっていきます。

やがて、100Bに対する利回りは、通貨Bで運用しても、通貨Aで運用しても同じ水準に落ちついてしまうわけです。

しかし、一般的には金利はその通貨のリスク度合も表しているので、完全に運用利回りが同じ水準にはならずに、リスクが勘案された為替レートに落ち着いていきます。

貨幣数量理論

マクロ経済においては、2国間の為替はマネーサプライの総量で決まるという考え方があります。例えば、A国のマネーサプライが1000Aだとして、B国のマネーサプライが100Bだとすると、為替レートは単純に1B=10Aになるということです。

これは政府の金融政策によって為替レートが左右されることを示します。実際、2012年からの経済政策アベノミクスにより大幅な金融緩和が実施され、1年ほどの間で円は対米ドルで80円前後から100円前後まで円安にふれました。

もしGDP額が一定だとすると、金融緩和によりマネーサプライの総量を増やすということは、物価の上昇を意味します。これは以下の式からも明らかになります。

MV = PY

M:マネーサプライ

V:マネー流通速度(取引回数)

P:物価

Y:実質GDP

もしVとYが一定だとすると、マネーサプライの上昇は物価上昇、つまりインフレーションを招きます。この式で表わされるモデルのことを貨幣総量理論といいます。

国際収支説

国際収支説とは、国際貸借の状況により為替レートを決定するものです。この場合の国際貸借とは、一定期間の経常収支を表します。(一般的な国際貸借は、ある時点での対外投資と投資や借入金の残高の状態を表します。)

アセットアプローチ

アセットアプローチとは金融資産に対する需給の均衡から為替レートを決定するものです。これはドル資産の期待収益率と円資産の期待収益率が均衡するところに為替レートが落ち着くという考え方からきています。

例えば、ドルの金利が4%で、円の金利が0.5%なら、今後ドルと円のレートはドルが円に対して3.5%下がるというものです。

アセットアプローチは短期の資本移動によって為替レートが決定されることを説明したものになります。

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セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することを発信しています。