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TRIZとは TIPSとは 発明的問題解決理論

 

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TRIZとは

TRIZ(トゥリーズ)とは、「発明的問題解決理論」のことで、ロシア語の頭文字をとってTRIZとなりました。英語ではTheory of Inventive Problem Solvingとなり、その頭文字をとって「TIPS」とも呼ばれます。

TRIZがロシア語の頭文字をとっている理由は、旧ソ連海軍の特許審査官ゲンリッヒ・アルトシューラー氏によって発見された法則だからです。TRIZは、技術的な課題解決を図るための手法・理論です。

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TRIZの歴史

TRIZは、1946年、ロシアのエンジニアであり、科学者であったアルトシューラー氏により提唱され、何千種類もの技術特許にあるパターンから考案されたものです。アルトシューラー氏は、自ら発見したパターンから、技術進化のプロセスは決して偶発的なものではなく、ある一定の法則に従っていることを発見しました。

その後1960年代から70年代にかけて、次の5つのレベルにカテゴライズされました。

レベル1

専門家の間でよく知られた方法による解決策です。解決策の32%がレベル1の解決策だとされています。

レベル2

同一産業内から展開された既存システムのマイナーチェンジです。この解決策には往々にして多くの妥協が見られます。約45%の解決策が、このレベル2の解決策だとされています。

レベル3

外部の産業からもたされた既存システムの抜本的な改善です。解決策の18%がこのレベルに属するとされています。

レベル4

新たな原理原則を用いた新世代の解決策です。技術よりも科学の世界から見出される解決策です。解決策の4%が、このレベルに属するとされています。

レベル5

きわめてレアな科学的発見や先進的発明によってもたされるシステムを本質的に変えてしまう解決策です。1%の解決策がこのカテゴリーになるとされています。

TRIZ 4つのステップ

ステップ1.問題の発見

技術システムの問題発見です。例えば、動作環境、必要な資源、よく使われる機能、有害な影響等々から、問題となる部分を発見します。

ステップ2.問題の構造化

システムに潜む物理的な矛盾を特定したり、ある問題解決が他にどのような影響を与えるのかを分析したりします。

ステップ3.以前から認識されている問題事例の調査

アルトシューラー氏は、世界の150万もの特許事例から、互いにトレードオフになり得る39の技術特性を導き出しました。これらは39のエンジニアリング・パラメーターと呼ばれています。

1.移動物体の重さ

2.静止物体の重さ

3.移動物体の長さ

4.静止物体の長さ

5.移動物体の面積

6.静止物体の面積

7.移動物体の体積

8.静止物体の体積

9.速さ

10.過重

11.圧力、応力

12.形状

13.物体の安定性

14.強さ

15.移動物体の耐久性

16.静止物体の耐久性

17.温度

18.明るさ

19.移動物体に使われるエネルギー

20.静止物体に使われるエネルギー

21.パワー

22.浪費したエネルギー

23.浪費した物質

24.情報ロス

25.浪費した時間

26.物質の量

27.信頼性

28.測定精度

29.製造精度

30.物質の活動から生まれる有害となる因子

31.有害な副作用

32.製造のしやすさ

33.使いやすさ

34.復元性

35.適用性

36.デバイスの複雑性

37.制御の複雑性

38.自動化のレベル

39.生産性

これらの中から、最初に変更すべきファクターを見つけ出し、次にそれによって生まれる望ましくない効果を特定します。

ステップ4.類似解決法の探索と、解決法の適用

このステップは特にレベル2の問題解決を図る際に有用となります。アルトシューラー氏は、特許事例の調査から、次の40の発明原理を導き出しました。

1.分割(部分に分ける)

2.分離(空間、時間、条件などで分ける)

3.局所性(非均一にする)

4.非対称(非対称にする)

5.組み合わせ(モノや機能を組み合わせる)

6.汎用性(複数の機能を兼ねる)

7.入れ子(あるモノを別のモノに入れる)

8.つりあい(浮力や揚力を使う)

9.先取り反作用(事前に反対の作用を起こす)

10.先取り作用(事前に有用な作用を起こす)

11.事前保護(事前に障害に備える)

12.等ポテンシャル(モノの上げ下げを無くす)

13.逆発想(従来の反対の動作をさせる)

14.曲線と曲面(曲線や曲面を使う)

15.ダイナミック性(自由度を増す、柔軟にする)

16.アバウト(少し大きめ、少ないめを狙う)

17.他次元への移行(1次元を2次元、2次元を3次元にしてみる)

18.機械振動(振動させる)

19.周期的作用(周期的に働かせる)

20.連続性(連続的に動かす)

21.高速実行(危険箇所を早く通過する)

22.災い転じて福となす(有害を有益に変える)

23.フィードバック(フィードバックを活用する)

24.仲介(何かを仲介する)

25.セルフサービス(システム自身が調整、修復できるようにする)

26.コピー(安価で単純なコピーを使う)

27.高価長寿命から安価短寿命への転換(安価・短寿命のものに代替えする)

28.機械システムの置き換え(機械の変わりに知覚を使う)

29.流体利用(固体の変わりに流体を使う)

30.薄膜と柔軟な殻(堅牢な構造の代わりに柔軟なものを使う)

31.多孔質材料(多孔質にする)

32.色の変化(対象物または周囲の色を変える)

33.均質性(同じ材料、性質にする)

34.排除と再生(自動的に無くしたり、再生したりする)

35.物理的・科学的特性の変化(物理状態を変える)

36.相変化(体積変化、放熱・吸熱する)

37.熱膨張(熱による体積変化を使う)

38.高濃度酸素の利用(高濃度の酸素を使う)

39.不活性環境(不活性なものにする)

40.複合材料(均一材料から複合材料にする)

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TRIZの例

過去の発明をこの発想をベースに整理すると、例えば 次のようになります。

スマートフォン:6.汎用性の例

眼鏡のやわらかいフレーム:35.物理的・科学的特性の変化の例

傘:30.薄膜と柔軟な殻の例

紙コップ:27.高価長寿命から安価短寿命への転換の例

まとめ

記事中にも記載したように、世の中の問題解決手法の多くは既存解決策の組み合わせによって生み出されます。その既存解決策を体系的に整理し、新たな問題解決に活用するためのフレームワーク・理論がこのTRIZ(トゥリーズ)になります。

TRIZは技術特許を整理したものであるがゆえに、技術的な問題解決に活用されるものですが、「問題解決のための頭の使い方」という観点で考えれば、さまざなな問題解決場面で解決の糸口を探るヒントとしても活用することができます。

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セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外事業・独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することなど、ビジネスパーソンとしての戦闘力を高めるための情報を発信しています。 ツイッターアカウントはこちら