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【5分でわかる】プロスペクト理論とは 人間は利益よりも損失の方を過大評価する

損失をすることに対する人間の心理を表す理論としてプロスペクト理論というものがあります。

この記事では、そのプロスペクト理論について解説していきます。

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プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは、アメリカ心理学者であるダニエル・カーネマンと、エイモス・トヴェルスキーによって考案されたもので、人間が利益よりも損失を過大に評価することを説明した理論のことです。

例えば、ギャンブルで以下の2つの状況があるとします。

A 確実に50万円貰える
B 70%の確率で100万円貰えるが、30%の確率で50万円支払う

確率的な期待値で考えると、期待値のより高いBを選ぶのが正しいことになります。

Aの期待値 = +50万円

Bの期待値 = 70%*100+30%*(-50) = +55万円

しかし、多くの人はAを選択してしまうそうです。

これは、人は利益に関してはより確実性の高い方を選択する一方で、損失と利益が同じ規模ならば損失の方を重大に受け止める傾向があるということを示しています。

上記の結果はプロスペクト理論をサポートする結果といえます。

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プロスペクト理論の価値関数

上記のような損失を過大に評価するという事象をグラフで示したのが下図です。

プロスペクト理論の価値関数

カーネマンとトヴェルスキーは、同じ度合いの損失と利得があったときに、人間は損失の方を2.25倍も過大に評価するとしています。

この関数を適用すると、Bの期待値は以下のようになります。

Bの期待値 = 70%*100+30%*(-50)*2.25 = +36.25万円

つまり、損失を過大評価する分だけAの期待値よりも下回ってしまうのです。

言い換えると、人間は損失をできる限り回避したいという損失回避性を持っているということになります。

プロスペクト理論の応用例

人間の行動心理を示すプロスペクト理論は、様々な場面で活用できます。

セールストークへの応用

セールストークにおいて、以下のような表現を考えてみましょう。

「○○を買うとこんなにお得」

「今ならキャンペーン中で△△が×円引きです」

これは購入することによる利得を訴えるトークで、常道のセールストークです。

しかし、これらの表現にプロスペクト理論を応用すると次のような言い方のほうが、より人間心理をついた言い方だと言えるでしょう。

「○○を買わないとこんなに損ですよ」

「もうすぐ△△キャンペーンが終わるので、×円引きになるのは今だけです」

最初の表現に比べて、こちらの表現の方が決断を促されているような感覚に陥いってしまわないでしょうか。

これは、人間が利益よりも損失に対して敏感であるというプロスペクト理論によるものなのです。

しかし、プロスペクト理論を用いたトークは、あまり連呼すると相手が不快な気分になってしまうので注意が必要です。(逆に前者の肯定的な言い方は、あまり不快にならないので街頭の呼び込みなどには向いています。)

組織マネジメントへの応用

プロスペクト理論を組織マネジメントに活かす場面もあります。

例えば、組織の中で、何か変革しようとしたときに、変革がうまくいくと大きな利益がある一方で、痛みを伴って一時的に不利益を生じる状況だとします。

この状況においては、多くの人がプロスペクト理論に従うと、できれば変革は実行されないで欲しいと思うわけです。なぜなら、将来的な利益よりも目先の損失を過大評価してしまうからです。

先ほどの価値関数をベースに考えると、変革の利益が2で、損失が1だとすると、人はなかなか改革に賛同できません。なぜなら、価値関数によるとこの場合の損失は2.25になるからです。

そうすると、マネジメント上優先すべきことは、変革によって起こる利益を大きく見せることよりも、変革に伴う痛み(損失)を小さく見せることになるのです。

なぜなら、上記の例だと、利益と損失をイコールにするためには、利益は0.25増やす必要がありますが、損失は0.11だけ減らせばよいからです。

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プロスペクト理論から考える期待値マネジメント

商品やサービスに対する不満のほとんどは、お客さんの期待値と実際との乖離から起こります。

例えば、100円ショップで買ったものが1年で壊れても、おそらくみなさんは仕方がないと思うのではないでしょうか。なぜなら、100円ショップで買うものなんてそんなものだという期待値が形成されているからです。

ところが、数万円する耐久消費財、例えば炊飯器が1年で壊れてしまうと、例えどんなに高性能だとしても、大きな不満が残ることになるでしょう。これは、商品に対する耐久性の期待値が5年とか10年と長いからです。

これをプロスペクト理論にあてはめて考えると以下のようになります。

顧客満足度 = 商品から得られる利得  -  (期待値 ー 実際の性能)*2.25

100円ショップで買ったものは利得は少ないですが、期待値も低いので多少性能に不備があっても大した不満足にはならないです。

一方で、数万円の炊飯器は期待値が高いので、期待値に対する性能の乖離が大きいと大きな不満になってしまうのです。

言い方を変えると、商品やサービスを提供する際には顧客がもつ期待値を適切にマネジメントしないと、企業にとって大きなダメージを及ぼすリスクがあるということです。

例えば、誇大広告などで顧客の期待値を上げすぎれば大きな不満の種になりますし、説明不足のまま顧客に好き勝手に期待をもたせるというのも危険です。

人間は損失を過大評価するというプロスペクト理論から考えると、顧客にとって損失と考えてしまう(期待値-実際の性能)の中で、期待値を実際の性能に即したレベルで適切にマネジメントすることが大事になるのです。

まとめ

プロスペクト理論は、人間が損失回避性を持つものだということを示唆してくれています。この損失回避性という基本原理を理解しておくことは、顧客や組織メンバーのマネジメントをする上での大きな助けとなることでしょう。

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セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外事業・独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することなど、ビジネスパーソンとしての戦闘力を高めるための情報を発信しています。 ツイッターアカウントはこちら