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経営管理で知っておきたい ハインリッヒの法則・ファーストチェス理論

 

意思決定をする際に知っておきたい知識として、ハインリッヒの法則と、ファーストチェス理論を紹介します。

 

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則とは、アメリカのハインリッヒという保険会社の社員が、過去の労働災害事例を分析した結果から得られた結論で、1件の重大な事故の裏には、29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットが含まれてるというものです。

これは、同種類の危険要因には、300件の事故にならないヒヤリ・ハットがあり、30件は事故として顕在化、そのうち1件は重大事故を引き起こすということ意味する法則です。

言い換えると、300件のヒヤリ・ハットに対してきちんと対策することによって、重大事故発生を防ぐことができるということを示しています。

ヒヤリ・ハットとは、次のようなものを示しています。

・段積みのダンボールが崩落した

・機械に挟まれそうになった

・車がぶつかりそうになり慌てて急ブレーキを踏んだ

・階段を下っているときに転びそうになった

これらは、事故には至っていないものの、いずれもヒヤリとする事象です。しかし、こうした事象が起きたことを忘れたり、放置したりすることで、先のハインリッヒの法則にあるように、重大事故につながる可能性があるということです。

これは安全管理以外にもいえることで、大事に至るトラブルの裏には、必ず小さなトラブルが起こっていて、それを大きなトラブルへの予兆と考えずに放置することが、大きなトラブルにつながってしまうのです。

 

ファーストチェス理論

ファーストチェス理論とは、チェスをするときに「5秒以内に打つ」というルールから考察された理論です。「5秒で考えた打ち手」と、「30分で考えた打ち手」のうち、86%は同じ打ち手であったことが実証されており、ファーストチェス理論は、速く決断して実行に移すことが大事であることの理由付けとして使われています。

プロレベルでの14%の間違いは致命的な数字ですが、実際の経営は、チェスに比べて変数も多く、やり直しも聞きます。

もし、1日考えて成功確率が86%、1週間考えたら95%だとします。ここで、1日で決断してトライしたことが駄目だったら次の日にもう一度やり直すことができるとすると、成功確率は次のようになります。

1 –  (1 – 0.86)^7 = 99.9% >> 95%

仮に1日で考えたことの成功確率が50%だとしても次のようになります。

1 –  (1 – 0.5)^7 = 99.2% >> 95%

ここからわかるのは、よほど大きな投資や準備のかかるものでなければ、すぐ決断してすぐ実行して、駄目ならやり直した方が成功に近づくということがわかります。

ましてやファーストチェス理論によると、86%の打ち手が同じわけですから、ほとんどのことは即断即決してもよいくらいの話だというわけです。

 

こちらの記事にもトライすることの重要性を書ていますので、あわせてご覧ください。

なぜトライし続けることが大事なのか? チャレンジの重要性を定量的に考えてみた 私の好きな言葉に「継続は力なり」があります。 この記事では、物事を継続することとチャレンジについて書いていきます。 ...

 

経営管理で得られる示唆

ハインリッヒの法則からは、「小さな事象が大きな事象につながっていることを見逃さずにする」という重要な示唆が得られました。

一方で、ファーストチェス理論からは、「ほとんどのケースで即断して即行動することが大事である」という示唆がありました。

これらを経営管理に置き換えると、私は次のようなことになるのではないかと思います。

・現場に出向いて一次情報を吸い上げる

・小さなトラブルを放置せず、速やかに共有される文化の形成

・決断を先延ばしにせずに、すぐに決める

普段から会社の現場(会社によって、営業、生産、開発、管理部門など様々な意味合いがありますが)を丹念歩きまわって、決断が必要なときは、直感を信じて決断して、間違いがあればすぐに引き返す。

経営管理をする立場の人には、このような姿勢が、管理上求められるのでしょう。

ハインリッヒの法則に言及している本