ビジネスその他

大企業の意思決定スピードが遅い理由とその対応方法

 

大企業は意思決定のスピードが遅い、ベンチャーは意思決定のスピードが早いという感覚を持っている方は多いのではないでしょうか。

私も、昔から漠然とそういう感覚はずっと持っていました。

 

ひとつの理由は、大企業にありがちな大企業病に陥っていることが挙げられます。以下の記事で、大企業病の特徴とそこに至るメカニズムを考えましたが、これは組織が大きなるにつれて不可避ともいえるものです。

【経験者が感じた】大企業病とは 8つの特徴・症状 トップ・中間管理職から見た対策 大企業病とは、一般的に大企業に蔓延する組織としての風土・特徴を示したものです。 「TIME TALENT ENERGY: ...

 

しかし、大企業からスタートアップに転職した私は、最近になって大企業のスピード感に欠ける理由をもうひとつ発見しました。

 

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大企業のスピードが遅い理由

大企業のスピードが遅い理由について、先日以下のようにツイートしました。

なぜ大手企業のスピードが遅いか
大手は過去やってきたこととの整合をとる作業に時間が必要
大手のロジックでは、過去の否定は過去商品を買ってくれたお客さんの否定にもつながる場合がある
批判を覚悟で過去を否定するのは、口で言うほど簡単ではない
だから、そこにベンチャーのチャンスがある

例えば、機能Aがついた商品を売っていたが、技術進化で機能Bの方がよくなったとする しかし、突然手のひらを返すように機能Bがおすすめとは言いづらい なぜ機能AではなくてBなのかのストーリーを過去に機能Aを買った人を否定しない形で作る必要がある でもベンチャーならいきなり機能Bを売れる

 

スタートアップで仕事をしていると経営資源がない分、大手ではやりにくいことを考えて生き残っていく必要があります。その方法を考えていたときにツイートしたのがこれです。

 

大手企業にとって、これまでやってきたことからの方針転換は、ときに大きな自己否定につながるのです。しかも、その自己否定は下手をすると過去のお客さん否定にもつながる危険があるわけです。

 

私のツイート対しては、このような反応も頂いています。

前例はお客様も知っている。

だから、会社で覆しても、お客様はそうは覆せない。

そんな感じするなぁ。

鈍くなるよね、会社の動き。

お客様が離れないように戦略立てなきゃならない。新規獲得もするけど、両方考えて、結果身動き取れない

 

そのとおりなのです。仮に会社内の論理では過去を否定できたとしても、一緒に販売を手伝ってくれている外部パートナーやお客さんに対して、手のひらを返したようなことをするのは難しいのです。

大企業の中でも創業社長やオーナー社長の会社の場合は社長の一声で方針転換を図りやすいのでしょう。

 

しかし、一般的なサラリーマン社長が経営する大企業だと、どのようにすると、この自己否定をしながら変革を繰り返していけるのでしょうか?

いくつか考えてみました。

 

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大企業で過去を否定するための方法

大企業が過去を否定するための3つの方法を挙げてみました。

 

関係者に丁寧に説明する

これは大企業としては王道のやり方です。

主要な関係者に対して、なぜ方針転換に至ったのか丁寧に説明してまわれば、納得してその方針を受け入れてくれるでしょう。

しかし、これには大変な時間がかかります。まずはじめに、協力パートナーや顧客に説明するためのロジックを社内で構築する必要があるからです。

私も経験がありますが、これまで競合他社のXという機能をセールストーク上否定しておいて、やっぱり顧客観点からXという機能が重要だということで新モデルZから搭載したことがあります。

そのときに、まず社内の本部スタッフ部門内でのストーリーの合意を図り、次に営業キーマンとの間でそのストーリーを合意する必要があります。これだけでも大変な労力になります。

そして営業を通じて重要パートナーに説明をもらうという形になります。

これは王道ではあるのですが、スピード早くやろうとするにも限界があります。

 

誰かが悪者になっていきなり過去を否定する

時間をかけずにドラスティックにやろうとするなら、誰かを悪者にして全部その人のせいにして進めるという案もあります。

一番簡単なのは社長が変わったときです。社長が変わったタイミングで、製品の方針を転換すれば、社内でも営業現場でも「今度の社長が勝手に決めっちゃんだんですよ、すいません」という言葉を使いやすくなります。

ただし、社長が変わるということがそうそう起こるわけではないのと、社長が細かい製品仕様まで口出しをして方針転換に関与するケースは多くありません。

その場合は、誰か他の悪者を立てる必要がありますが、事業部長であったり、どこかの部門のトップを悪者にせざるを得ないでしょう。しかし、このクラスの悪者だと、抵抗する側もすんなりと従わないので、やはり時間がかかってしまうのが現状です。

 

会社業績の悪さを盾にして変えてしまう

王道も時間がかかる、悪者を作っても抵抗されてうまくいかない。

そうなると、みんなが納得しやすいやむを得ない事情として他に何があるかと言うと、会社業績が悪く今にも傾きそうだという状態です。

こういう状態に陥ると悠長なことは言ってられなくなります。過去を否定してでも真に売れる商品作りをしないと、会社自体が無くなる可能性があるからです。

こうした事態が物事を大幅に変えるのに有効なことは、過去の事例からも明らかになっています。

製品の例ではないですが、カネボウ化粧品が破綻状態になって再生ファンドが乗り込んできたときに、従来のカネボウではあり得ないごぼう抜きの社長人事がありました。

また、JALの再生も会社が破綻した状態だったので、社員も大きな変化を受け入れました。

これらの例だと、社外の人も状況をよくわかっているので、パートナーや顧客も過去を否定するような製品やサービスになっても、すんなり受け入れてくるのです。

 

まとめ

身も蓋もない結論ですが、ベンチャーの延長で仕事をしている創業社長系の会社以外の大企業は、危機にならないと変われないということです。

大企業は過去の歴史の積み重ねがあって、最適化された今があるので当たり前といえば当たり前のことです。

 

だからこそこれから世の中に出ていくベンチャー企業は意義がありますし、勝機もあるのだと言えるのでしょう。

 

既存組織を変えるのは簡単ではないことをわかっている大企業もあります。そういう会社は、自社を変えることよりも、ベンチャー企業を買収したり、別会社を作ったりして従来組織とは別に柔軟に動ける組織を抱えるようにしています。

 

例えば、以下のようなパナソニックとシフトオールの関係がその一例としてあげられるでしょう。

Cerevoの子会社でIoT活用の商品開発のノウハウを有するShiftallをパナソニックが買収

 

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元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することなど、ビジネスパーソンとしての戦闘力を高めるための情報を発信しています。 Twitterアカウントはこちら