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あなたの給料はいくらが適切? 回答するための2つの考え方

 

あなたの給料はいくらが適切だと思いますか?

このように聞かれた時に即答できるビジネスパーソンは残念ながら少ないと思います。

 

しかし、ビジネスパーソンとして経験・年齢を重ねていくにつれてこの質問に対して、それなりの回答をすることが求められるようになっていきます。

特に40代を超えて、転職を考えるような人は、何らか合理性のある回答ができるように準備をしておくべきでしょう。

 

では自分の給料に対する合理的な回答というのは、どのようなものなのでしょうか?

 

この記事では2つの方法を解説します。

 

方法1:市場相場から考える

ひとつめは、市場相場から考える方法です。

市場相場を参照する方法はさらに2つパターンに分けられます。

 

職種から考える

職種から給料を考える方法はあります。

 

どのような職種が務まるのかということがわかれば、転職サイトの求人を確認することで、おおよその相場感を知ることができます。

 

詳細は以下の記事にも記載しています。

大企業【20代後半~30代前半 必見】 自分の市場価値を簡単に確認する方法みなさんは、自分の市場価値がどのくらいか気になりますか? 大企業でずっと勤務されてきた方は、自分の市場価値を考えることとは無縁で仕...

 

また、職種の場合は、単純にそれだけでは決定要因にならずに、同じ職種でも業界によって給料が異なるということもあります。

 

詳細は以下の記事をご覧ください。

なぜ給料は業界で決まるのか? 1つの数式から考えた 給料に関してよくある誤解として、次のようなものがあります。 「給料が高い仕事は大変に違いない」 「給料は高くても、す...

 

スキルから考える

スキルから考える方法もあります。

 

例えば、弁護士や税理士などの士業はスキル(資格)に対して値付けがなされていると考えることができます。

 

士業以外でも、自分の持っているスキルが市場でいくらで買われるかという相場感はあるでしょう。

例えば、クラウドワークスのようなところに登録すれば、自分のスキルと同じようなスキルを持つ人がどの程度の単価で仕事を受けているのかを確認することができます。

 

方法2:損益計算書から考える

もうひとつは、損益計算書から考える方法です。

 

これは、自分がいくらの売上に貢献できる、そのための原価や経費を差し引いた人件費がいくらに相当する、だからその人件費分は自分の給料だとする考え方です。

 

先日、日経スタイルの関連記事とともに以下のツイートしましたが、こちらの考え方の方がよりプロフェッショナルです。40代以上で自分を売り出す方は、できるだけこちらのアプローチでも自分の給料を提示できるとよいでしょう。

この考え方、物凄く大事だと思います。

失敗する人:先に「年収、肩書をほしい」と要求
成功する人:「成果・結果に応じた報酬配分」を要求

事業が成立する売上、原価、人件費等から営業利益がどれくらいになるか。その中で自分の人件費はどれくらいが正当なものか考える。https://style.nikkei.com/article/DGXMZO40870500U9A200C1000000?channel=DF180320167080 

 

では、具体的にどのように計算すればよいのか?

 

ここでも2つの例をあげてみましょう。

 

売上の増分から考える

例えば、あなたが営業だとして、加入することにより、現在の売上を30億円から32億円に伸ばせるとしましょう。

 

話を簡単にするために、売上高に対する原価率と人件費率を同じだとして、販管費は固定費だとします。下表が損益計算書です。

単位:百万円 入社前 入社後
売上 3,000 3,200
原価 (売上比65%) 1,950 2,080
販管費 (固定費) 450 450
人件費 (売上比15%) 450 480
利益 150 190

 

そうすると、売上増分は人件費と利益に配分されることになります。

売上: 200百万円増

人件費: 30百万円増

利益: 40百万円増

 

このように考えると、売上3億円増できる人の価値は30百万円になります。

 

では、このときあなたの取り分は30百万円になるかと言うと、答えはNOです。

 

売上を伸ばすために、バックオフィスのサポートも必要になるかもしれません。その部分を30百万円のうち30%程度としましょう。

さらに給与の15%は会社負担の保険等になりますので、その分を差し引き必要があります。

 

そうすると、残りは以下のようになります。

実質的な取り分

バックオフィスサポート分の控除: 30 ー 6 = 24百万円

会社負担分の控除: 24 × (1 ー 0.15) = 20.4百万円

 

したがって、この損益計算書の前提だと、売上を2億円伸ばせるスーパープレイヤーなら、20.4百万円の給与を要求できることになります。

 

原価低減から考える

もう一つのケースを考えてみます。

 

あなたが購買担当として、会社の原価低減という形で貢献できると考えます。その結果、損益計算書を以下のようにできるとします。

単位:百万円 入社前 入社後
売上 3,000 3,000
原価 1,950 1920

※人件費・利益は原価低減分を後で配分するので、この損益計算書からは省きます。

 

原価を1.5%低減して、30百万円の原価低減効果をもたらす前提です。

 

バックオフィスのサポートを20%分とすると、実質的に会社にもたらす価値は以下のようになります。

バックオフィスサポート分の控除: 30 ー 6 = 24百万円

 

あとは残りの金額を会社への利益と人件費にどう分配するかですが、ここでは一旦50:50としましょう。加えて、会社負担分の保険等15%を差し引くと、適正給与は以下のように求められます。

24 × 0.5 × (1 ー 0.15) = 10.2百万円

 

したがって、30百万円の原価低減ができる人材に対して支払える給与は10.2百万円ということになります。

 

成果連動の報酬を提案する

ここまで計算で、自分の給料相場がある程度把握できたとして、転職するとき、または会社と給与交渉をするときにどのように活用するのがよいでしょうか。

 

これも先ほどのツイートで一部書かれていましたが、最初に全額要求するのは適切な方法ではないです。なぜなら、給与を出す側としては成果が実現ができるかわからない状態で、業績が上がった前提の給与をそのまま払うわけにはいかないからです。

 

そうすると基本給部分と成果報酬部分に分けて提示をするのがよいでしょう。

 

この切り分けにも様々な考え方がありますが、前者の20.4百万円の人なら、約半分の10百万円を基本給として、残りを成果に連動するボーナスとして考えてもよいかもしれません。

 

一方で、後者の原価低減の例だと、半分は厳しいので70%を基本給としておいて、残りの30%を成果連動型のボーナスにするという考え方もあります。

 

比率には何通りも考え方があるので、これ以上の詳細をここでは書きませんが、重要なことは先にテイクする姿勢を見せるのではなく、業績というギブを渡してからテイクするという姿勢を見せることでしょう。その方が交渉はスムーズに進みます。

 

まとめ

ここで説明した例は、かなり単純かつ出来すぎた例だといえます。

 

しかし、このように自分の給料を職種ベース、スキルベース、損益計算書ベースで考えられるようになると、会社との報酬交渉の拠り所にできますし、何より自分に対して値付けをすることができるようになります。

 

自分の給料をいくらで要求すべきかがわからないという方は、考え方の参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

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