キャリア形成・プラン

【経験からの学び】起業を迷ったときに考えるべき3つのこと【会社員を辞めたい人へ】

 

私は、ある大手企業で管理職まで経験してからスタートアップを経て、起業をするというキャリアを歩んできました。

最初に会社を辞めるときは、起業することまで考えていませんでしたが、自分がやりたいことをやってみるには起業するのがよいと考えて、起業をするに至りました。

一度は起業するという体験を積んでおきたかったという理由もありました。

 

最初は軽く考えていた起業でしたが、実際に起業をしてみると様々なことが実感としてわかってきます。

そこで、創業2ヶ月の体験を踏まえて、起業をしようと思ったときに考えるべきことをまとめてみました。

 

起業をしようと思ったときに考えるべき3つのこと

起業をしようと思ったときには、以下3つのことを考えるのがよいでしょう。

 

起業をしてまでやりたいことはあるか?

まず、あなたが起業をしてまでやりたいことがあるかどうかです。例えば以下のようなことです。

  • 世の中に出したい製品やサービスがある
  • 自分のアイデアが受け入れられるかを試してみたい
  • 世の中をよりよくしたい
  • 単に起業という世界を見てみたい

あるいは、やりたいことをなりたい姿と言い換えてもよいかもしれません。

  • お金持ちになりたい
  • 名声を得たい
  • モテたい

いずれにせよ、起業をしてまで達成したいことがあるかどうかが最初に考えるべきことです。

お金や名声目的よりは、社会貢献的な欲求の方が長続きするとは言われます。

しかし、様々な起業家に聞いていると、楽しくてやっていたこと、自分の欲求に従ってやっていたことが、結果的に社会貢献につながったというケースも多いようなので、必ずしも社会貢献ありきでなくてもよいとは思います。

 

起業できる能力はあるか?

次に考えるべきことは、能力はあるか?です。

まず起業アイデアを事業計画にする能力が必要です。事業計画の立案ステップの概要は後半に書きますが、作り慣れていないと多大な時間を要します。

私は幸いサラリーマン時代に多くの事業計画を作ってきたので、事業計画自体は比較的ラクに作ることはできましたが、それでも数字を作って修正するのは時間を要する作業です。

加えて、起業をすると、雑務に忙殺されます。

サラリーマン時代は人事・総務、経理、ITの人がやっていたようなことを全部自分でやる必要があります。もしくは、自分でできる人を見つけてくる必要があります。

これは地味に手間がかかります。特に最初は慣れないので、余計に手間がかかります。

私のように管理職で部下が何でもやってくれていた人にとっては、全部自分でやるというのは余計に負担に感じます。

 

また、自己資金や融資での資金調達だけでなく、ベンチャーキャピタルからの資金調達を考えるのであれば、ファイナンスの基礎知識は必須です。

企業価値の算定方法や、資本政策の組み方について、基礎的なことをおさえておくのがよいでしょう。

資金調達方法も多種あります。ベンチャーのシードステージでしか使うための標準スキームであるSAFEやKISSというファイナンススキームもあります。

今はこういうことを知らなくても、こうしたスキームの内容を読んで理解できるくらいの力を持っておく必要があります。

 

もちろん、起業してから勉強してもよいのですが、起業する前に少しでも知識があると理解が早くなります。

起業後は雑務が多いので、事前に勉強するに越したことはないでしょう。

 

今の組織ではできないことか?

サラリーマンというのは、勤めている人が思っている以上に恵まれています。

  • 毎月決まった日に給料が支払われる
  • 税金や保険に関してあまり考えなくてすむ
  • 住宅ローンや賃貸契約もサラリーマンだと比較的簡単に審査が通る

経済的なことだけでも、これくらいのメリットがあります。

加えて、大企業に勤めている人には、以下の記事に書いたように、社名で仕事ができる、大きなお金を動かせる、失敗に対する許容度が高いなどのメリットがあります。

勤務15年の経験者が感じる 大企業のメリット・デメリット 私は、従業員が1万人を超える大企業に15年以上勤務していました。 その大企業は現在は辞めていて、退職後のスタートアップ転職...

 

そうした恵まれた待遇があるので、まずはサラリーマンのままで、やりたいことを実現できる方法を模索するべきでしょう。

自分の考えていることを関係者に説明したり、役員や社長に掛け合ったりしてもよいかもしれません。

ただ、私がそうであったように大企業は一人、二人が面白いと言っても、なかなか動かない組織ではあります。

私が勤めていた会社の場合は、役員が面白いと思っても現場が既得権益を守るために動かないということも多々ありました。

いわゆる大企業病が蔓延していました。(大企業病に関しては以下もご参照ください)

【経験者が感じた】大企業病とは 8つの特徴・症状 トップ・中間管理職から見た対策 大企業病とは、一般的に大企業に蔓延する組織としての風土・特徴を示したものです。 「TIME TALENT ENERGY: ...

 

また、以下の記事にも書いたように、大企業には過去やってきたことを否定する難しさもありました。

大企業の意思決定スピードが遅い理由とその対応方法 大企業は意思決定のスピードが遅い、ベンチャーは意思決定のスピードが早いという感覚を持っている方は多いのではないでしょうか。 ...

 

会社内で働きかけても実現が難しいとなったら、外に出てチャレンジしてみることを考えてもよいでしょう。

そのときは、サラリーマンという恵まれた待遇を捨てる勇気をもつ必要があることを忘れてはいけません。

 

起業をすると景色が一変する

起業をすると明らかに変わる景色があります。

 

社長になると誰のせいにもできない

自分が社長になると誰のせいにもできません。

労働時間が長かろうが、給料が安かろうが、従業員が失敗しようが、全て自分が何とかしなければなりません。

私は会社勤めのときに、自分の後ろには誰もいないラストパーソンのつもりで仕事をしていました。しかし、今から思うと自分は所詮会社の後ろ盾がある中で仕事をしていたのだなと感じます。

ところが、起業をしてしまうと後ろには本当に誰もいなくなるので、全く感覚が変わってきます。

そのせいか寝ていても変な夢を見て目が覚めることも増えます。

そんな思いをこのツイートにも表現しています。

ああ、今全く同じ心境です。昔部下には起業家精神を持とうなんて言っていましたが、起業家の今から思うと何て安っぽいこと言っていたんだと思います。

はっきり言って、サラリーマンでは絶対に起業家側の景色を見ることはできません。

これはサラリーマンはビジネスパーソンとしてレベルが低いとかいう話ではなく、役割や背負う物が全く異なるという意味で、仕方がないことなのです。

 

 

 

責任をとる覚悟が必要になる

自分が進める事業に対して、何が起きても自己責任で対処する心構えを持たなければなりません。

サラリーマンのように、飲み屋で会社の愚痴を言うこともできません。毎月給料が入ってくる保証もありません。もちろんボーナスなんて普通はありません。

このような状況でも仕事をしていく覚悟があるのか。

もし、その覚悟を持てないと思うのであれば、一旦踏みとどまって考えてみるのがよいかもしれません。

こちらのツイートにも書いたとおり、結果に対してただただ向き合う姿勢も要求されます。

起業をすると、誰も褒めてくれず、誰も叱ってくれず、愚痴を言う相手もいなくて、仕事の始まりとか終わりの時間も曖昧で、将来の保証もなくて、ただただ結果と向き合っていくことになります。

その中で淡々とやれる人には向いていますが、そうでない人には決しておすすめできない仕事だと思います。

 

時は金なりが身に染みる

起業をすると、時間の経過とともにお金が減る様がよくわかるようになります。

例えば、起業直後に無給で働いていると、生活費、税金、年金、保険などで毎月お金が溶けてなくなっていきます。1日でも早く収入を得るためにスピーディーに売上を立てる方策を考えないといけません。

もし商品やサービスを提供する会社であれば、一刻も早くそれをリリースして、お金に変換する必要があります。

何も決まらない生産性のない会議をして、2ヶ月、3ヶ月経っても進捗なしという事態になれば、死活問題になってきます。

これも毎月固定給をもらえるサラリーマンだと絶対にわからない感覚です。

 

起業をするためのステップ

起業をするためには大きく、事業計画を作ることと、会社を設立することの2つが必要です。

 

事業計画を作る

事業計画は、大雑把に書くと以下の順番で作ります。

  1. 顧客が感じている困りごとの特定
  2. 提供する製品・サービスの決定
  3. 市場規模の算定
  4. 市場規模に対する獲得シェアの算定
  5. 売上の算定
  6. 売上を上げるためにかかる原価・販管費(人員計画、開発費、旅費等)の算定
  7. 必要投資の算定
  8. P/Lとキャッシュフロー計算書の算定

 

事業計画が一回で完璧になることはないので、計画立案⇒市場調査⇒仮説検証⇒計画修正という形で修正を繰り返していきます。

そして大事なことはキャッシュフローの計画と実績の管理です。利益が赤字でもキャッシュがプラスならば問題ありませんが、利益が黒字でもキャッシュがマイナスになると会社は潰れます。

会社にはキャッシュが滞留する原因になる運転資金というものがあり、利益とキャッシュの動きが連動しないことでこのようなことが起きます。

以下の記事で財務諸表・運転資金の詳細を解説しています。

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会社を設立する

会社に設立に関しては以下のページに詳細を記載しました。

【経験からのまとめ】株式会社の作り方 設立のための11のステップ 先日、私を発起人として株式会社の設立をしました。 社会人になってから長らく雇われる側の身で仕事をしてきた私にとって、会社設...

 

最後に

起業は大変労力のかかるものですし、体力的にも精神的にもタフな局面の連続になります。

私は40代で起業しましたが、正直言うと20代のときに経験しておくべきものだったなとも感じています。

一方で、起業は普通にサラリーマンをしているだけでは絶対に経験できないことも経験できます。

例えば、社長というだけで人が寄ってきます(良くも悪くもですが笑)。

たとえ小さな会社であっても、組織の意思決定ができる人だと思われると人が寄ってくるのです。

また、時間の自由度が高まるのもメリットです。もちろん、解決しなければならない課題が多いと時間の制約も増えますし、労働時間も長くなりますが、自分の都合にあわせて時間調整はすることは容易になります。

起業は大変なことが多いですが、限られた人生のうち一度くらいは起業という景色を見てみたいと強く思うのであれば、どこかで踏ん切って起業家になってみることをおすすめします。(そうでなければ、先ほどのツイートのとおり、おすすめしません)

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セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することを発信しています。