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リスクを取る経験が自立のマインドを作る「インディペンデントな働き方」書評・要約

この記事では、おすすめのビジネス書の中から一冊を紹介します。

今回は、先日読了した「インディペンデントな働き方」について記事を書いていきます。

著者のプロフィールと私に与えた影響

著者の藤井孝一氏は、15年以上前から「週末起業」を勧めていた方です。週末起業とは、サラリーマンが会社を辞めることなく、自分が没頭できることを週末を使ってビジネスにしようというコンセプトです。

そして、ビジネスが大きく成長してきたところで、満を持して独立の道を歩もうというものです。

実は私も藤井氏の当時の著書を読んで、自分なりに何か試してみようと思って始めたのが、株式投資などの金融商品投資であり、そこで得た知見を得た作ったサイトが「N’s spirit投資学・経営学研究室」になりました。

そんな思い入れのある著書が2018年12月に出した最新刊のレビューです。

私が印象に残ったポイントを4つあげていきます。

ポイント1:好きなことを発信し続けているといつの間にか「専門家」になる

好きなことをアウトプットし続けることで、次第にそこに情報、人、お金が集まってくるという箇所がありました。

好きなことを発信し続けていると、いつの間にかあなたは「専門家」になっています。周りから、「◯◯と言えばこの人」と思ってもらえるようになるのです。

本書の例では、パソコンが好きな人が、社内でパソコンのトラブル対処をやり続けているうちに「パソコンと言えばあの人」と呼ばれる存在になり、ますますパソコンに関する仕事集まってくるようになった人がいました。

その人は、やがてIT関係全般の仕事を振られるようになり、IT業界でのネットワークもできて、ネットベンチャーに転職するに至ったそうです。

さらに本書には、

10年あれば、必ず何かの「専門家」になれる

とも書かれています。

私は何かを始めるときに、「まずは3年やってみよう」と周りには言っていますし、自分にも言い聞かせています。

これは3年やれば、ある程度の知識・経験が蓄積されて、その道の専門家と称されるくらいになれると思っているからです。

そういう私の感覚からすると、藤井氏の言うように10年も続けると、その道の匠(たくみ)レベルにまでなれるでしょう。

ポイント2:得意分野は往々にして自分ではわからない

得意なことは往々にして自分ではわからないそうです。

他人から見ると凄いことでも、自分ではあまりにも自然にできてしまい凄いことだと感じないからだそうです。

私も部下のマネジメントをしていたときに「◯◯さんはこういう部分が強みだね」と言うと、「そんなこと初めて言われました、でも言われてみるとたしかにそうかもしれません」というやりとりがありました。

人間というのは、自然にやれてしまっていることが、他にはない強みとして認識できないものなのでしょう。

また、もうひとつの例として場所を変えてみるだけで、自分の当たり前が活かせる場面があるとも書かれています。

たとえば、私の身近な例だと、日本で経験を積んだ技術者(日本の中では、そのレベルの技術者は何人もいる)が、海外の工場では貴重な専門家として技術指導をしているというケースをいくつか見ました。

これこそ、自分の技術を場所を変えて活かしている実例でしょう。

ポイント3:リスクを取る経験が自助自立のマインドをつくる

これはタイトルにも書いた文言で、本当にそのとおりだと思います。

本書の内容をそのまま抜粋します。

リスクを取らずに逃げ続けていると、年を取って収入源を絶たれた60歳以降に、人生ではじめて大きなリスクを取るという事態に陥ります。そうならないためにも、若いうちから、リスクを取る経験を積んでおきたいものです。

(中略)

だからこそ、サラリーマンとして安定継続収入を得られている間に、いろいろなリスクを取り、リスクを見る目を養ったり、リスクを取る勇気を育てたりしてほしいのです。

「未来の働き方を考えよう」にもあるように、市場に晒す感覚を持つというのも大事だと思います。

「市場で稼ぐ力」をつける重要性「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」よりこの記事では、おすすめのビジネス書の中から一冊を紹介します。 先日の記事で、40歳定年制の書評を書きましたが、今回も、それに近い論...

本書で書かれている、リスクを取る訓練というのは、私は自分自身を市場に晒すことと同義だととらえています。

リスクを取ることに関しては、以下の記事に私の考えを書いています。

【リスクを取れること】は仕事ができる人になる条件である仕事ができる人になるためのスキルをマインドには、さまざまあると思いますが、そのうちの1つが「リスクを取ること」だと思っています。 ...

ポイント4:インプットはアウトプットにつなげる

最後のポイントは、インプットを必ずアウトプットにつなげるということです。

著者はアウトプットには4つのタイプがあると言っています。

行動する

インプットした内容を行動に移すということです。たとえば、◯◯するのがおすすめと教えられたら、とりあえずその〇〇をやってしまうということです。

行動すると、それに関連して新たなインプットが発生するので、私は積極的な行動は、インプット⇒行動⇒新たなインプトット⇒行動⇒・・・・・とよい循環を生むと感じています。

書く

インプットした内容を整理して書き起こすということです。これは、今まさに私がやっているような、本の内容を整理して感想記事を書くようなことです。

話す

研修や本で得た内容を誰かに話すということです。私も経験がありますが、話すことに内容が整理できますし、曖昧な説明しかできない部分は自分の理解が浅いのだという気づきをもらうこともできます。

ちなみに話すの延長で教えるというのがありますが、教えようと思ってインプットすると格段にインプットの質が上がることは実体験で感じています。

考える

著者は考えるだけでもアウトプットだと言っています。たとえば、本で読んだ内容について頭の中で考えを巡らすのだそうです。

たしかに私も電車に乗っているときや夜寝る前に考えを巡らすことがありますが、こうしたものがアウトプットなのだということを本書で気付かされました。

まとめ

インディペンデントな働き方というのは文字通り会社に依存しない働き方です。

会社に依存しないということを言い換えると、会社と対等な立場で勤務条件や給与を柔軟に交渉できるだけの交渉力を持つということです。その交渉力は、「私は今日会社を辞めても明日からどうにでもなりますよ」という状態を作ることで備わってきます。

そういう意味で、週末起業などで副業をしておくというのはそのための絶好の手段になるでしょう。

私は他の会社からいつでも今と同等以上のオファーを引き出せるように準備をしておくのも、インディペンデントな働き方を実現する手段のひとつだと考えています。

すなわち転職活動をしておくということです。

今すぐ転職する意思がなくても、登録しておくことは、キャリアの選択肢を広く考える上でも大きなメリットになりますよ。

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