財務諸表の見方

【5分でわかる】損益計算書の読み方・見方

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つは、ビジネスパーソンが財務・会計知識の基本としておさえておきたい知識です。

この記事では、損益計算書の概要を解説していきます。

 

損益計算書とは

損益計算書とは、ある期間に企業がどれだけの利益、損失を出しているかをまとめた計算書です。

ビジネスでは、よくP/Lと書いたり、言葉で「ピーエル」などと略すこともあります。

損益計算書の一例

損益計算書

損益計算書から会社の利益構造(売上に対し、どれだけのコストがかかっているか)を知ることができます。損益計算書では段階ごとに3つの収益、4つの費用、5つの利益を表示しています。

3つの収益 売上高、営業外収益、特別利益
4つの費用 売上原価、販売費および一般管理費、営業外費用、特別損失
5つの利益 売上総利益、営業利益、経常利益、税引き前当期利益、当期利益

 

損益計算書を構成する5つの利益

損益計算書を構成する5つの利益について解説していきます。

 

売上総利益 (1つ目の利益)

売上総利益とは売上高(収益)から仕入原価や製造原価などの売上原価(費用)を差し引いたものです。

売上総利益 = 売上高 ー 売上原価

粗利益ともいいます。売上総利益は、商品の売値の原価の差額になるので、売上総利益が大きいということは、顧客に対して魅力的な商品を売っているということになります。

売上原価とは商品やサービスの売上に直接関わった費用のことです。メーカーの場合、売上原価は販売された製品の製造原価を表します。

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したがって、外部から仕入れた原材料の仕入原価の他に、製造ラインの従業員の人件費や労務費、機械設備等の減価償却費などが含まれます。

小売業の場合は、販売された商品の仕入原価が売上原価のほとんどを占めています。

なお、売上原価は、減価償却費棚卸資産の会計基準によって変わってくることがあります。

 

営業利益 (2つ目の利益)

営業利益とは売上総利益から営業活動に必要な「販売費および一般管理費(販管費といいます)」(費用)を引いて求めた利益です。

営業利益 = 売上総利益 ー 販管費

営業利益は、企業の本業における儲けを表します。

販管費には物流費や営業費、管理費といったものが含まれます。

営業利益を大きくするには、売上総利益を大きくして(魅力的な商品を売って)、営業・運送・管理などのコストを削減する必要があります。

販管費(SGA)について解説した記事はこちらです。

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経常利益 (3つ目の利益)

経常利益とは営業利益から利子等の本来の事業活動以外からの営業外収益(利益)を加え、営業外損失(費用)を引いた利益です。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 ー 営業外損失

経常利益は、企業が経常的に獲得する儲けを表します。

 

税引き前当期利益 (4つ目の利益)

税引き前当期利益とは経常利益から臨時的に発生した特別利益(収益)特別損失(費用)を加えて求めた利益です。

税引き前当期利益 = 経常利益 + 特別利益 ー 特別損失

例えば自社ビルの売却による損益(購入金額と売却金額の差額)など、毎期発生するものではない臨時の損益などが加えられます。

 

当期利益(当期純利益) (5つ目の利益)

当期利益とは税引き前当期利益から税金を差し引いた利益です。

当期利益 = 税引き前当期利益 ー 税金(法人税、事業税等)

企業が最終的に処分(配当あるいは内部留保)することができる利益です。

当期利益から株主への配当や役員賞与を引いた残りが企業の剰余金となります。

 

財務諸表の費用項目と順番の意味

損益計算書に記載されている費用項目には、原価や販管費などがありますが、この順番には意味があります。

それは、損益計算書の上にでてくる項目に関わる人や組織ほど、早くお金が分配されるかわりに、企業をコントロールする力が弱いということになります。

項目 分配される人・組織 企業を
コントロールする力
原価 仕入先・従業員 最も小さい
販管費 従業員・協力業者 小さい
営業外費用
(主に金利)
銀行 やや小さい
税金 やや大きい
役員報酬 経営者 大きい
剰余利益 株主 最も大きい

すなわち、この中で最後に利益を分配される株主は、企業をコントロールする力をもつ変わりに、お金の分配順位は最も低いので、ハイリスク・ハイリターンと考えることができます。

この概念は、企業のガバナンス(統治)構造を考える上で非常に重要となってきます。

 

損益計算書からわかる企業の収益性

損益計算書単独でできる財務分析として、収益性分析があります。

以下に収益性分析で使われる4つの利益率について解説していきます。

 

売上高総利益率

売上高総利益率は、販売している商品の利益率を表わします。

売上高総利益率 = 売上総利益 / 売上高 (%)

マーケットの状況を反映しているので、企業の競争力がわかります。売上高総利益率が同業他社と比べて低い場合、コスト競争力に問題があると考えられます。売上総利益率が落ちている場合、原価の高騰か、値引き販売が原因と推測されます。

 

売上高営業利益率

売上高営業利益率は、営業活動による利益率を表します。

売上高営業利益率 = 営業利益 / 売上高 (%)

この比率を同業の会社同士で比較することで、販売・管理活動の効率性を測ることができます。

売上高営業利益率を費用の面から詳しく分析することで、その企業が広告宣伝に力を使っているのか、研究開発に力を使っているのかなど、バリューチェーンのどこを重視しているのかというのを判断することができます。

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売上高経常利益率

売上高経常利益率は、金融収支といった財務体質まで含めた総合的な収益性を表します。

売上高経常利益率 = 経常利益 / 売上高 (%)

業績評価の指標として最も重要視されています。売上高経常利益率が売上高営業利益率に比べ、大きな差があるようだと、企業の財務体質を注意してみる必要があります。

金融収支が大きくプラスしているようだと財務面に力を入れていると判断できますが、現金や有価証券が多いことで株主からはその資産の有効活用を求められることになります。

一方で、金融収支が大きくマイナスしているようだと、財務面での弱さがあると判断できますが、株主からは財務レバレッジを上げて積極的な戦略をとっているとして歓迎される場合もあります。

 

売上高純利益率

売上高純利益率は、売上に対して企業の最終利益がどの程度残るかを表します。

売上高純利益率 = 純利益 / 売上高 (%)

通常は売上高経常利益率に(1-実効税率)を掛け合わせれば売上高純利益率になりますが、あまりに売上高純利益率が乖離しているようだと、特別損益の内容をよく見る必要があります。(日本企業の実効税率は40%程度です)

利益率は、高ければ高いほどよいのですが、業種によって水準が大きく異なるので、分析の際は同業種間で比較するのがよいでしょう。

 

まとめ

以上、損益計算書の解説でした。

  • 損益計算書からは、一定期間における売上、費用、利益がわかる
  • 利益には大きく5つの利益がある
  • 企業が支払うお金は、コントロールの度合いの小さい順に支払われる、言い換えると企業コントロールできる力をもつ人(団体)には、一番最後にお金が支払われる
  • 損益計算書を使うと企業の収益性分析ができる

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