ロジカルシンキング

【5分でわかる】フェルミ推定とは 事例・やり方を解説

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

「ネット通販における日本酒市場の規模はどの程度ですか?」

こんな質問をされると、答えに詰まってしまいませんか?

実は、こうした質問に答えるための考え方があります。

それは「フェルミ推定」です。

フェルミ推定ができると、冒頭の質問のような市場規模に対する問いに対して、おおよその答えを出せるようになります。

この記事では、そのフェルミ推定について解説していきます。

 

フェルミ推定とは

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フェルミ推定とは、未知の数字を推定可能な単位にまで分解するということで、マーケティングにおける市場規模予測などをする場合に活用できます。

 

フェルミ推定の基礎はロジックツリー

フェルミ推定を使うためには、ロジックツリーを理解する必要があります。

フェルミ推定では、未知の数字を推測できる数字に分解していきますが、この分解作業においてロジックツリーの考え方が重要になるからです。

ロジックツリーの詳細は、以下の記事をご覧ください。

【徹底解説】ロジックツリーとは 作成方法 5つのステップと事例 こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 ビジネスパーソンにとって、ロジカルシンキングの必須ツールともいえ...

 

フェルミ推定の例

例えば、冒頭で例として出したインターネット通販での日本酒を販売しようとした場合を考えてみます。

ダイレクトにわかる統計データがあれば、それを活用すればよいですが、統計データがない場合はフェルミ推定を使って推定することになります。

例えば、ネット通販の日本酒の市場規模を次のように要素分解して考えることができます。

ネット通販の日本酒市場規模

= 全国の日本酒の売上  ×  日本酒の通販での販売比率

一方で、次のようなモデルを考えることもできます。

ネット通販の日本酒市場規模

= 全国の通販売上 × 通販の酒類販売比率   × 酒類に占める日本酒の販売比率

次のようなモデルで考えることも可能です。

ネット通販の日本酒市場規模

= 競合A社の日本酒のネット通販売上 + 競合B社の・・・・

このように、分解には様々な方法がありますが、以下の点に留意する必要があります。

  • 計算式に間違いがないようにロジカルに分解する(MECEを意識する)
  • 分解した要素の精度ができる限り高くなるようにする

 

フェルミ推定で使える分解パターン

フェルミ推定を使うにあたっては、2つのの分解パターンを覚えておくと便利です。

 

足し算型

足し算型とは、計算目標とする数字に対して、足し算で積み上げる方法です。

売上を例にとってみると、足し算型には次のようなものがあります。

売上 = A地区の売上+B地区の売上+C地区の売上+・・・(地区別で分解)
売上 = Aさんの売上+Bさんの売上+Cさんの売上+・・・(人別で分解)

 

掛け算型

掛け算型とは、計算目標とする数字に対して、掛け算で積み上げる方法です。

売上 = 総資産×資産回転率       (効率性で分解)
売上 = 従業員一人当たり売上×従業員数 (生産性で分解)

 

複合型

足し算と掛け算を合わせた複合式もあります。

例えば、郊外にある薬局の売上は、店長の能力、駐車場の広さ、周辺の人口、近隣の競合店、販促活動によって影響が出そうだということがわかっている場合、次のように考えることができます。

薬局の売上

= 店長の能力×係数A + 駐車場の広さ×係数B + 周辺の人口×係数C - 近隣の競合店×係数D + 広告チラシの配布枚数×係数E

これはフェルミ推定としても使えますが、売上の増減に対する原因分析をする際にも使える手法です。

こうしたモデル式を確立しておけば、1ヶ月後に近くに競合店ができるから、「優秀な店長を据えて、チラシをどんどん配布しよう」などの施策を立てることができます。

こうしたモデル式を作る場合、係数はある程度の実績に基づいて決定することもあります。実績に基づく係数の決定には、回帰分析を活用していきます。

https://www.nsspirt-cashf2.com/entry/2018/09/23/185142

 

フェルミ推定する際のコツ・注意点

フェルミ推定をする際に注意することが2つあります。

精緻なモデルを作ろうとしない

1つめが、あまり精緻なモデルを考えようとしないことです。

精緻なモデルにすればするほど、一見精度が上がるようにも見えますが、そこに代入する変数の不確定要素が大きければ(言い換えると、推定される数字のレンジが広ければ)、計算式自体は精緻でも、最終結果はとてもラフな数字になります。

例えば、日本全国の自動販売機の台数を事例として見てみましょう。

自動販売機の数は周辺人口と人口の分布(密度)によって、設置台数が異なるという仮説が立てられるので、都道府県別に考えられるように以下の式で考えたとします。

日本全国の自動販売機の台数

= 北海道の人口 ✕ 北海道の人口あたりの自動販売機台数
+ 青森県の人口 ✕ 青森県の人口あたりの自動販売機台数
+ ・・・・・
+ 沖縄県の人口 ✕ 沖縄県の人口あたりの自動販売機台数

これは、47都道府県別人口と人口あたりの自動販売機台数の総和になっています。

確かに47都道府県別に特性は異なるとは思いますが、各都道府県の人口あたりの自動販売機台数が正確にわからないのであれば、これだけ細かく分解しても意味がありません。

それなら、単純に以下のような式で考えてもよいのかもしれません。

日本全国の自動販売機の台数

= 日本の人口 ✕ 人口あたりの自動販売機台数

このように、フェルミ推定をするときは、そこそこの精度があればOKと割り切ることが重要になります。

言い換えると、フェルミ推定では、得られる数字の精度を追い求めるよりも、そこから得られる解釈に意識を集中した方が生産的だといえるでしょう。

 

大雑把な規模感を把握できれば良しとする

もう1つが、大雑把な規模感を把握できれば良しと考えることです。

フェルミ推定で計算できる規模というのは、あくまで推定の域を出ません。

ですので、フェルミ推定を使う際には、極端に言うと桁が合っていればよいくらいの感覚で捉えるのがよいでしょう。

例えば、ある市場の規模について、3,000億円なのか4,000億円なのかを議論しても、結論はあまり変わらなさそうに見えます。

しかし、3,000億円と500億円の違いだと、市場に参入するのかどうかの判断のポイントになりそうです。

このように、フェルミ推定で求める規模感は、意思決定に影響が及ぶ範囲で把握できていればよいと考えるのがおすすめです。

 

上下の幅が大きな数値には幾何平均を使う

要素の中には、ある範囲の中でばらつくことが想定されるものもあります。

例えば、先ほどの人口あたりの自動販売機の台数で考えてみましょう。

仮に、人口あたりの自動販売機台数は、上限が200人/台くらいで、下限が20人/台くらいと想定されることがわかったとしましょう。

その場合は、幾何平均を使います。

幾何平均とは、幅のあるデータの中で代表値を示すものだと理解してください。

計算式は次のようになります。

幾何平均 = (x1 × x2 × x3 ×・・・・× xn)^(1/n)

※数値がn個ある場合の幾何平均

つまり、数値を全て掛け算して、n乗根を求めたものが幾何平均です。

上記の上限と下限だけで幾何平均を考える場合は、とてもシンプルになります。

幾何平均 = (200人/台 × 20人/台)^(1/2) ≒ 63人/台

つまり、上限が200人/台、下限が20人/台だとすると、その幾何平均の63人/台を代表数値として使えばよいということになります。

 

まとめ

以上、フェルミ推定の解説でした。

  • フェルミ推定とは、未知の数字を推定可能な数字に分解して求める方法。市場規模の概算を知りたいときによく使われる。
  • 分解の方法には、足し算型と掛け算型、その2つを組み合わせ複合型がある。
  • フェルミ推定で求めるべきなのは、意思決定のために必要最低限の数字。したがって、精緻な計算モデルを作ろうとしない、大雑把な規模感を把握できれば良しとする、上下の幅があるときは幾何平均を使うなどの工夫が必要となる。

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