ロジカルシンキング

統計における適切なサンプリング数・度数分布表の階級数

 

統計を取るときに、サンプリング数や、グラフの階級数で悩むことはないでしょうか?

実はサンプルの数や、グラフの仕方には理論的な数式があって、それを使うと簡単に問題解決できてしまうのです。

この記事では、統計の基礎的手法であるサンプリング数の取り方と、統計データの階級の取り方を紹介していきます。

  • アンケート調査をするにあたって、適切なサンプリング数を知りたい
  • 統計データのきれいにまとめる方法を知りたい

こんな人におすすめです。

 

最適なサンプリング数を決める数式

ある集団の傾向を掴むときに、その集団の数があまりに膨大だと、すべてを調査することは不可能です。

たとえば、10万人の集団の傾向を掴むためだからといって、10万人全員を調査することはできません。

その場合、母集団の中からサンプルをいくつか抽出して、全体の傾向を分析する(サンプリング調査をする)のが一般的です。

しかし、10万人の集団に対してサンプル数が10人だと、いくらなんでもサンプルとして数が少なすぎると感じると思います。

では、何人程度がサンプルとして適当なのでしょうか?

実は、サンプリング調査において、サンプリング数を何人にすればよいかは、次の式からわかるのです。

n = N / [ (ε/μ(α))2 × {(N-1)/ρ(1-ρ)} + 1 ]

n : 必要サンプル数
μ(α) : 信頼度100-αのときの正規分布の値、信頼度が高いほど高くなる。
通常は信頼度95%の1.96か、信頼度99%の2.58を使います。
N : 調査したい母集団の大きさ
ε : 精度(誤差)
ρ : 母比率(これは経験的に求めるか、最もnが大きくなる0.5を用います)

この式は、必要とする信頼度と精度によって、サンプル数が異なることを示します。

精度の誤差0%を目指すなら、εは0になるので、必要サンプル数nと母集団のNが等しくなる、つまりサンプル数は母集団と同じNになります。

一方で、調査の信頼度μ(α)を大きくしてもサンプル数が、大きくなることがわかります。

たとえば、10万人の町で、ある調査を実施する場合のサンプル数nを考えます。

このとき、信頼度を95%とすると、μ(α)=1.96 となります。

また、精度εには上下5%となる0.05を,ρ=0.5を採用するとします。

その場合、必要サンプル数は、次のように計算できます。

n = 100000 / [(0.05/1.96)2 × {(99999)/0.25)} + 1 ] = 383人

μ(α) : 信頼度95%で1.96
N : 調査したい母集団の大きさ 100,000人
ε : 精度(誤差) 5%
ρ : 母比率0.5

つまり、母集団10万人の傾向を調査するには、上下5%の誤差範囲で、95%の確からしさを許容するなら、400人の調査で十分なのです。

ちなみに、誤差5%、95%の信頼性のまま母集団の数を変えた場合、サンプル数は次のようになります。

母集団1000人1万人10万人100万人1000万人
サンプル数278人379人383人384人384人

条件
μ(α) : 信頼度95%で1.96
ε : 精度(誤差) 5%
ρ : 母比率0.5

この結果から、母集団1万人であっても、1000万人であっても、母集団の傾向を誤差5%、95%の確からしさで調査する場合、400人程度の調査をすれば十分だということがわかります。

(あくまでサンプリングの偏りがない前提です)

条件を変えて、誤差3%とした場合は以下のとおりです。

母集団1000人1万人10万人100万人1000万人
サンプル数516人964人1056人1065人1067人

条件
μ(α) : 信頼度95%で1.96
ε : 精度(誤差) 3%
ρ : 母比率0.5

このことは、母集団が10万人であっても、1000万人であっても、1,000人強のアンケートをとっておけば、誤差3%で、95%ほどの確からしさで傾向を分析できることを示します。

たとえば、東京都の人口は約927万人ですが、東京都を母集団として誤差3%程度で傾向分析しようと思うなら1,000~2,000人もサンプリングしておけば、十分だということです。

 

度数分布表における最適な数値範囲と階級の数

あるデータを、範囲ごとに区切って傾向を見たい場合には、度数分布表(ヒストグラム)を用います。

度数分布表とは、以下のように、ある範囲の数字が、どのくらいの数存在しているのかを示したグラフです。

この度数分布表を作るときに、考えるべきことがデータの範囲と階級、つまり数字をいくつで区切るか?ということです。

たとえば、次の50個のデータを度数分布表にすることを考えます。

78101011121213
1515151516161617
1718181818191920
2021222323242626
2728292929293030
3131313233353535
3539

このデータを適切な範囲と階級に分けるとき、どのようにすればよいでしょうか。

たとえば、直感的に5刻みで分けると次のように7つの階級に分けられます。(ちなみに、5刻みにしたのが、上記のグラフです)

範囲度数
5~104
11~158
16~2013
21~255
26~3010
31~359
36~401

ここで、階級数を粗くしすぎると全体感がぼやけてしまいますし、細かすぎると度数分布にする意味がなくなってしまうので、適切な範囲と階級で分ける必要があります。

そこで適切な範囲と階級を求める公式であるスタージェスの公式を使います。

スタージェスの公式を使うことで、次のように最適な範囲Cと階級Kを求められます。

範囲C = (サンプル最大値-サンプル最小値)/(1+log2(サンプル数))
階級K = 1 + log2(サンプル数)

先ほどの例で、スタージェスの公式を使うと範囲Cと階級Kは以下のようになります。

範囲C = 4.82
階級K = 6.64

つまり、範囲は4~5で刻み、階級は6~7にするのがよいということです。

スタージェスの公式を使うことで、大雑把に分けた範囲5と階級7で問題ないことが確認できました。

このように、スタージェスの公式を使うことで、度数分布表の範囲と階級を明確にできるのです。

 

まとめ

以上、アンケートなどで使うサンプリング数の決め方と、度数分布表における数値範囲と階級数の決め方でした。

  • 統計に必要となるサンプル数は数、式によって決められる。
  • 信頼度95%、誤差3%を許容した場合、1,000人強のサンプルがあれば、母集団1000万人の統計としても有効に機能する。(誤差5%まで許容すれば400人でも問題ない)
  • 度数分布表で数字の範囲と階級数を決める際には、スタージェスの公式が使える。