ロジカルシンキング

仮説思考とは【よい仮説の条件・作り方・立て方】

仮説思考とは よい仮説の条件・作り方・立て方

 

仮説思考とは、ある論点に対して、その時点で考えられる仮説(仮の答え)を置いて考える思考方法のことです。

仮説思考を使えるようになると、以下のようなメリットがあります。

仮説思考のメリット

  • 無駄な仕事をしなくて済むようになる
  • 仕事のスピードが早くなる
  • 仮に失敗しても、失敗から大きな学びを得られるようになる
  • 結果として、仕事で多くの成果をあげられるようになる

この記事では、ロジカルに物事を考えるための基本となる仮説思考のプロセス、よい仮説の条件や作り方などを解説していきます。

>>仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法

 

仮説思考のプロセス・やり方

仮説思考のプロセスは以下のように表すことができます。

仮説思考のやり方

  1. 仮説を立てる
  2. その仮説を立証するには何が言えればよいか考える
  3. 仮説立証のために言いたいことが言える情報を集める
  4. 集めた情報を解釈して言いたいことを導き出す
  5. 仮説が立証できそうにない場合は、もう一度仮説を立て直す

 

仮説思考のプロセス

ある論点に対して、考えられるすべての選択肢を網羅的に検討するのは、大変な労力を要します。

一方で、仮の答えとなる仮説を置いて考えると、分析・調査の無駄が少なくなるため、精度のよい仮説思考を身につけることは仕事のスピードアップにつながります。

よく分析が上手だと言われる人がいますが、実は分析が上手な人は、仮説を作るのが上手だと言われています。

ビジネスが上手な人も実は精度のよい仮説を持っている人だと言われています。

経験が少なく仮説の精度が低いと、このプロセスを何度も回す必要があり、網羅的な検証よりも労力がかかるように見えるかもしれません。

しかし、論点に関する周辺知識・経験が増えてくると、精度の高い仮説を立てられるようになるので、少ない労力で論点に対する答えを導くことができるようになってきます。

 

よい仮説の条件

よい仮説を立てるには、次のようなポイントに留意する必要があります。

よい仮説の条件

  • 思い込みを覆す仮説
  • 目の前のデータに左右されない仮説
  • 次のアクションにつながる仮説

それぞれ詳細を解説していきます。

思い込みを覆す仮説

一般的に知られていることから容易に導ける仮説だと、従来の常識に沿った平凡な結論になってしまいがちです。

そのような仮説だと、競争相手も簡単に気づく可能性がありますし、顧客を驚かせるような製品やサービスにもつながりません。

従来の常識は「単なる思い込みかもしれない」と考えて、その思い込みを覆すような新規性、独自性のある仮説は、よい仮説の第一条件といえるでしょう。

目の前のデータだけに左右されない仮説

目の前にあるデータだけで仮説を立てると、そのデータだけに考えが流されてしまいます。

その結果、偏った視点に沿った仮説になってしまう可能性があります。

目の前に起きていること、見えていることだけから仮説を立てるのではなく、「もしかしたら、こんなことが裏では起こっていないだろうか?」と考えて、仮説を考えることも大事です。

次のアクションにつながる仮説にする

仮説は、立証したら終わりではなく、次のアクションにつなげるために検証されるものです。

たとえば「40歳の人は、39歳の人よりもよく食べる」という仮説を立てたとして、立証する意味はあるでしょうか。

仮にこの仮説が立証されたとしても、次のアクションにどのようにつなげてよいかわかりません。

仮説を立てて検証することはゴールではなく、あくまで中間地点なので、仮説を検証した後のアクションにつながる仮説にすることも大事です。

 

よい仮説の作り方【仮説を作るための問い】

よい仮説を作るためには、よい仮説を作るための問いが重要です。

よい仮説を作るための問い

  • どのような前提があるのか?(結果を生み出す前提条件)
  • どのようなアクションをとるべきか?(とるべきアクション)
  • どのような結果を期待するか?(期待する結果)
  • そのアクションがその結果を生み出す理由は何か?(アクションが想定した結果を生む理由)

それぞれ詳細を解説していきます。

どのような前提があるのか?(結果を生み出す前提条件)

仮説を立てるときには、前提条件を十分に整理します。

前提条件には、政治・経済・社会といったマクロな視点もありますし、個別の顧客や会社の事情などのミクロな視点もあります。

また、関連する重要な前提条件を整理することで、他の問いへの答えとの整合性を確認できるようにもなります。

どのようなアクションをとるべきか?(とるべきアクション)

前提条件を踏まえて、とるべきアクションを考えます。

たとえば、「高齢化社会が進む」という前提条件に対して、「高齢者向けサービス住宅向けの新規商材を開発する」というアクションがあるかもしれません。

「顧客は営業の生産性が悪くて困っている」という前提条件に対しては、「営業コンサルティングを提案する」というアクションがあるかもしれません。

前提条件を踏まえたアクションを考えることで、次に解説する「期待する結果」を考えやすくなります。

どのような結果を期待するか?(期待する結果)

前提条件とアクションを踏まえた上で、期待する結果を考えます。

先ほどの例で考えてみます。

「高齢化社会が進む」という前提で、「高齢者向けサービス住宅向けの新規商材を開発する」というアクションとると、「軸となる新規事業を生み出せる」かもしれません。

もう少し具体的に「売上高◯億円の新規事業を生み出せる」としてもよいでしょう。

「顧客は営業の生産性が悪くて困っている」という前提で「営業コンサルティングを提案する」というアクションをとると、「営業コンサルティングを受注できる」という結果になるかもしれません。

そのアクションがその結果を生み出す理由は何か?(アクションが想定した結果を生む理由)

前提条件とアクションがあれば、上記のように何らかの結果が想定されることでしょう。

しかし、それだけでは不十分です。

「高齢者向けサービス住宅向けの新規商材を開発する」というアクションとると、なぜ「軸となる新規事業を生み出せる」のか?

「営業コンサルティングを提案する」というアクションをとると、なぜ「営業コンサルティングを受注できる」のか?

この理由を仮説の段階で明確にしておく必要があります。

逆に、仮説を立てたときに理由を明確にしておかないと、後から振り返ったときに、何が想定どおりで、何が想定と違ったのかを振り返れません。

理由がはっきりしていると、仮説が立証できるできない関わらず、仮説検証のプロセスから大きな学びを得られるようになるのです。

理由を考えるときには、ピラミッドストラクチャーも役立ちます。

ピラミッド構造で仮説を考える

ピラミッドストラクチャーでは、上位の結論が下位の事象によって支えられているので、アクションが想定どおりの結果を生む前提条件と理由を整理するのに適しているからです。

ピラミッドストラクチャーとは?
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まとめ

以上、仮説思考についての解説でした。

仮説思考のやり方

  1. 仮説を立てる
  2. その仮説を立証するには何が言えればよいか考える
  3. 仮説立証のために言いたいことが言える情報を集める
  4. 集めた情報を解釈して言いたいことを導き出す
  5. 仮説が立証できそうにない場合は、もう一度仮説を立て直す

よい仮説の条件

  • 思い込みを覆す仮説
  • 目の前のデータに左右されない仮説
  • 次のアクションにつながる仮説

よい仮説を作るための問い

  • どのような前提があるのか?(結果を生み出す前提条件)
  • どのようなアクションをとるべきか?(とるべきアクション)
  • どのような結果を期待するか?(期待する結果)
  • そのアクションがその結果を生み出す理由は何か?(アクションが想定した結果を生む理由)

 

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