Ns spirit 投資学・経営学研究室

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【3分でわかる】アドバンテージ・マトリックスとは 事業のタイプ分類

アドバンテージ・マトリックスとは
アドバンテージ・マトリックスとは下の図のように、「業界の競争要因の数」と「優位性構築の可能性」によって事業のタイプを4つに分けて分析するものです。

それぞの事業タイプ別に「規模」と「ROA」の関係を描いてその事業の特徴を表わすのが、アドバンテージ・マトリックスの一般的な表し方です。


1.分散型事業
競争要因が多く、優位性の構築が難しい事業です。言い換えると、構造的に大きくするのが難しい事業で、大企業が少ない領域です。この事業タイプでは、事業が小規模な段階では旨みがありますが、大規模になると収益性の維持が難しくなります。
(例)アパレル業界、建設業界、地域密着型飲食店・理容店等

 

2.特化型事業
競争要因が多いものの、特定の分野で地位を築き上げることで、優位性の構築が可能な事業です。
(例)計測機器業界、製薬業界、ヨーロッパの自動車業界

 

3.手づまり型事業
優位性構築が難しい事業です。小規模企業が淘汰されて、残った大企業も規模効果が限界に達してコストも横並びになってしまい、優位性構築ができなくなった事業によく見られる形です。この事業タイプは、新たな優位性を構築して、特化型事業になることが求められます。
(例)鉄鋼業界、セメント業界

 

4.規模型事業
規模を大きくすることで、優位性を構築できる、いわゆる規模の経済が働く事業です。規模型事業ではシェア拡大によって大きな利益をもたらすことができます。
(例)自動車業界、半導体業界、素材業界

 

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V字カーブを描く事業
飲食業界、旅行代理店、広告代理店の業界では、ごく小規模か、大規模の場合に収益性が高く、中規模になると収益性が悪くなるという「V字カーブ」を示す場合があります。



アドバンテージ・マトリックスで考えると、分散型産業と規模型産業の両方の傾向が出るビジネスで、こうした事業をV字カーブ効果(※)と言います。

 

(※)V字カーブ効果とは

V字カーブ効果とは、売上と収益性の関係がV字カーブを描くようなビジネスを示す言葉です。売上と収益性の関係を見たときに、ニッチな商品や狭い商圏で商売をして、売上が小さい場合は収益性が高く、中途半端な規模で最も収益性が悪く、ある規模を超えると収益性がまた高くなるというようなビジネスです。

 

飲食業界はこの傾向が顕著で、地域密着の居酒屋や食堂小規模ならメンバーのモラルが高くて、管理コスト、教育コストが低くおさえられます。

 

一方で、一定規模以上になると、セントラルキッチンを据えたファミリーレストランのように規模の経済が働くようになります。しかし、中規模だと、モラルが低く、管理コスト、教育コストが高くついてしまうからです。

 

V字カーブ効果は広告代理店や旅行代理店にも表れる傾向です。

 

アドバンテージ・マトリックスで見る定石
長期にわたって安定した収益を確保するためには、マトリックスの中でも特化型、規模型に転換し、その中で優位を築いていくことが重要です。

 

転換の一例として、ファミリーレストラン事業があります。通常飲食店は、分散型事業に位置づけられますが、ファミリーレストラン大手は、セントラルキッチンを使って規模の経済を構築して、規模型産業へと転換していきました。

 

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