Ns spirit 投資学・経営学研究室

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【3分でわかる】7Sとは 7Sからわかること 適用事例

7つのS(7S)とは
「7つのS」とは、マッキンゼーによって提唱されてフレームワークで、次の七つのSを頭文字とした経営資源を表したものです。7つのSは、企業戦略にあった最適な組織運営を考える際に適したフレームワークです。

                 ●7つのSのイメージ

マッキンゼーの7S


優れた企業は、これら7つの要素は互いに補完しあい、強めあいながら戦略を実行していきます。例えば、企業の戦略が、システム(制度)や組織の構成につながります。それらが、企業の価値観を生み出し、必要な人材、スキルを決定づけ、組織特有の文化(スタイル)を醸成します。あるいは逆に、スキルや人材から新たな戦略が生まれてきます。

戦略・組織・システムの3つをハードの3S、価値観・人材・スキル・スタイルの4つをソフトの4Sといいます。

 

ハードのS
■戦略(Strategy)
事業の優位性を保つための強み、戦略上の優先順位、事業の方向性


■組織(Structure)
組織の形態(事業部別組織、機能別組織)、部門間の地位など

■システム(System)
評価・報酬・採用・育成の仕組み、意思決定のプロセス、情報の流れ、会計制度など

 

ソフトのS
■価値観(Shared Value)
従業員が共通認識している価値観、長期に渡る組織目標など。

■スキル(Skill)
組織全体に備わっている技術。(販売力、技術力、マーケティング力など)

■人材(Staff)
個々の人材の能力。

■スタイル(Style)
会社の社風、組織文化。暗黙の行動規範。

 

7Sからわかること
7Sの中で、ハードのSは企業努力によって比較的短期間で変更できます。しかし、ソフトのSを変えるのは容易ではありません。

例えば、市場が安定成長していた時代にプロダクトアウトの考え方で成功していた企業が、市場規模の飽和・規制緩和の影響で、マーケティングを戦略の要に据える必要がでてきた場合を考えてみます。

  安定成長の時代 市場飽和の時代
戦略 プロダクトアウト
(作れば売れる)
マーケティング重視
(顧客をよく見る)
組織 機能別組織
(各人が持ち場をきっちりこなせばよい)
製品別組織+顧客別組織
(顧客に対してベストな商品提案をしていく)
システム 管理重視、年功序列
(上からの命令を着実にこなす人が評価される)
エンパワーメント型
(担当者に権限委譲。権限委譲できる上司や、自ら考え動く担当者が評価される)
価値観 いいものを手ごろな値段で作ることが大事 顧客を見ることが大事
スキル コスト管理能力 マーケティング能力
人材 製造に強い人材が多い
(営業は接待だけしていればOK)
顧客の要望を汲み取れる営業と統括するマーケティング能力のある人間が必要
スタイル 官僚主義的、内向き志向、社内政治重視 顧客を起点とした行動規範


上記は、あくまで一例ではありますが、この例のように外部環境の変化によって求められる7Sが大きく変わるということはよくあります。そうはいっても、ソフトの4Sを左から右に変えることが難しいというのは容易に想像がつきます。特にスタイルは、最も変えるのが難しいものです。

ソフトの4Sは、戦略遂行の強力な推進剤になりますが、戦略遂行の妨げにもなる存在です(その中でもスタイルはプラスマイナスが大きいものです)。上の例でいうと、プロダクトアウトのときは、内向き志向・社内政治重視の方がうまくいっていたとしても、そのスタイルが顧客重視の局面でいつまでも根付いていては、どれだけよいマーケティング戦略を掲げてもなかなか実行に移されない可能性があります。

外部環境が変化したときに、ハードの3Sを変えるのはもちろんですが、それらを支えられるようにソフトの4Sを変化させていき、最終的にはスタイルを戦略遂行にマッチしたものに変えて根付かせることが重要になります。

 

まとめ
いかがでしたでしょうか。7つのSは自社の戦略とソフト面の整合性を考える上で、大変有効なフレームワークです。特に、上記の例でも示したとおり、外部環境の変化に伴う事業戦略の変化が求められる場面においては、それが他のSとどう影響し合い、他のSをどう変えていくべきかという示唆を与えてくれます。

 

7つのSは会社単位でも活用できますし、部署単位でも活用可能なフレームワークですので、みなさんの職場の7つのSが、きちんと整合しているかを一度見てみると面白いかもしれません。

 

組織文化についてもっと知りたい方は

グロービスMBA組織と人材マネジメント

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