経営戦略論

【5分でわかる】グローバル戦略4つのパターン・4つの組織形態

グローバル戦略4つのパターン・4つの組織形態

 

企業のグローバル化を進める上では、グローバルレベルでの戦略をもって経営をしていく必要があります。

そのためには、まずグローバル展開する企業における経営戦略の定石を確認しておく必要があるでしょう。

この記事では、グローバル戦略の4つのパターンと、4つの組織形態を中心に定石を解説していきます。

 

グローバル戦略 4つのパターン

一言にグローバル戦略と言っても、持っている経営資源やその国の状況によって、さまざまな進出・事業展開の方法があります。ここでは、グローバル戦略の中で代表的な4つのパターンを紹介します。

インターナショナル戦略

インターナショナル戦略とは、本社がマーケティングや開発を担当して製品やサービスを展開していく戦略です。

その国の商品と本社の商品の特性が比較的似ていて、かつその国に目立った競合が存在しない場合、あるいはまだ本格参入するだけの売上規模を確保できていないという場合にこの戦略が用いられます。

 

ローカリゼーション戦略

ローカリゼーション戦略とは、会社の製品やサービスを国別に個別に作り対応していく戦略です。顧客の嗜好が国ごとにバラバラの場合、あるいは進出しているその国だけ特殊な場合にこの戦略が用いられます。

消費財メーカーや食品メーカーはこの戦略をとる会社が多く、例えば、日清製粉は国ごとの味の好みに合わせてカップヌードルを販売しています。

 

グローバルスタンダード戦略

グローバルスタンダード戦略とは、ローカリゼーション戦略とは対極で、全ての国で標準化された製品やサービスを展開していく戦略です。

国ごとの顧客の嗜好があまり大きくなく、世界的に標準化することでコストダウンメリットが出る場合にこの戦略が用いられます。

アップルのiPhoneは、このグローバルスタンダード戦略の代表例です。

また、プラットフォームによってサービスを提供しているグーグル、アマゾンやフェイスブックなども基本的にはグローバルスタンダード戦略をとる会社として分類できます。

 

トランスナショナル戦略

トランスナショナル戦略とは、規模化のコストとローカライズの両方を追求していく戦略です。各国の市場要求が多彩で、かつコスト要求が厳しいときに用いられる戦略です。

この戦略をとろうとすると、各国間での連携が重要になるので、その連携を調整する本社のかじ取りが肝になってきます。

また、組織のレポートラインは複雑多岐になりがちで、ローカルへの権限移譲と本社のコントロールのバランスなど、組織デザインが非常に難しくなるのが特徴です。

トヨタ自動車などの自動車業界では、多くの部品を共通にしながら、各国の規格に合わせて、多少のアレンジを図るトランスナショナル戦略がとられています。

 

グローバル市場へのエントリー方法

グローバル市場にエントリーするには次のような方法があります。

  • 本社からの輸出
  • ローカルへのライセンス供与
  • フランチャイズビジネスの展開
  • ジョイントベンチャー
  • 自社による100%出資

いずれも一長一短ですが、上に行くほどリスクは少なくなり、下に行くほどその国のビジネスをコントロールしやすいという傾向になります。

 

グローバル企業・4つの組織形態

グローバル企業の組織形態には様々なものがありますが、経営学者のバートレットとゴシャールは以下4つの形態を提唱しています。

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マルチナショナル組織

現地の市場に精通した現地組織が意思決定権限をもち、本社はそれを緩やかにマネジメントする組織形態で、市場同士のつながりがほとんどない形態です。

初期の日本の製造業の海外進出において見られました。

 

インターナショナル組織

現地の意思決定主体のマルチナショナル組織に対して、インターナショナル組織では、本社が主体的に意思決定をするようになっていきます。

本社が各国のニーズを主体的に集めて、それを製品やサービスに反映、各国も必要に応じてローカライズしていきます。

ブランドやデザイン、コアとなる技術を本国で管理しながら、一定部分のローカライズを許容する製造業などで見られる形態です。

 

グローバル組織

本社が全ての意思決定権をもつ形態です。

海外子会社の権限を制約して、グローバルで規模の経済性を追求する際に用いられる形態です。

 

トランスナショナル組織

本社が緩やかにガバナンスを効かせながら、現地組織に意思決定を委ねる形態です。

トランスナショナル組織では、海外子会社間のコミュニケーションが活発である点が特徴です。

この組織では、共通性の高いA国とB国でコミュニケーションをとりながら、A国・B国専用商品を作っていくようなことが起こります。

インターナショナル組織が、本国で企画立案していたのとは対照的に、子会社同士でコミュニケーションをとりながら、企画立案していくわけです。

ただし、子会社間のコミュニケーションが活発になると、多様な要望の収集がつなかくなり、マネジメントが困難になってしまうので、国を横断した製品組織や機能組織が設けられるケースもあります。

 

まとめ

解説してきたようにグローバル戦略にも、いくつかのパターンがあることがわかりました。

これから会社内でグローバルレベルでの戦略を考える際には、まずこのセオリーを一旦頭に入れた上で、会社の事情に合わせてカスタマイズしていくというアプローチをとってみてはいかがでしょうか。

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