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【5分でわかる】ROEとは・ROAとは 計算方法・違い・改善方法

 

株式投資でよく使われる投資尺度としてROE・ROAがあります。

この記事では、そのROEとROAについて詳細を解説していきます。

ROEとは・ROAとは

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まずはじめに、ROEとROAの計算式と意味合いを解説していきます。

 

ROE 自己資本利益率 Retuern On Equity

ROEとは、企業が株主の拠出金をいかに効率的に使っているかを表わす指標です。

ROEは、次式で表されます。

ROE = 当期純利益/株主資本(評価・換算差額等含む)

(株主資本(評価・換算差額等含む)= 純資産-新株予約権-少数株主持分)

ROEが高いということは、株主が出したお金を企業がより効率的に運用できているという意味になります。言い換えると、株主にとっては、ROEが高ければ企業が出した利益をより分配してもらえる期待が高くなります。

ROEは、一般的には10%程度あれば高い部類と見なされて、15%以上あると優良企業の部類に入ります。

ROEは、後ほど説明するROAを用いて、以下のように表すことができます。

ROE = ROA×総資産/株主資本(評価・換算差額等含む)

ROE = EPS/BPS = PBR/PER

(EPS=一株あたり純利益、 BPS=一株あたり純資産)

>>>PERの解説はこちら

>>>PBRの解説はこちら

 

なお、ROEの分母に用いる株主資本は期末のものを用いる場合と期中平均(期初と期末の平均)を用いる場合があります。

 

ROA 総資産利益率 Return on total asset

ROAとは、企業が総資本(借入金、株主資本)をいかに効率的に運用しているかを示す値です。

この値が高い方が総資本を効率的に運用しているということになります。

ROAは次式で表されます。

ROA = 当期純利益/総資産

ROAは、分子に当期純利益のかわりに経常利益を用いることもあります。

 

ROAは、次のように分解することができます。

ROA

= 純利益/売上高 × 売上高/総資産

= 売上高純利益率 × 総資産回転率

ROAは、さらにツリー状に分解してことが可能です。ツリー上に分解することで、改善ポイントを探ることができます。詳しい分解については、ROAツリーをご覧ください。

【事例解説】ROAツリー・売上高ツリーから考えるROA・売上高を上げる方法 ロジックツリーを使うと、様々なものを分解して表現することができるようになります。 ロジックツリーの解説記事はこちら ...

 

なお、上記の要素のなかで、売上高純利益率と総資産回転率は一般的に反比例する傾向があります。

したがって、ROAを向上させるためには、他社よりも粗利が稼げる付加価値の高い商品を提供したり、資産効率を追及して高めたりするなどの多大な企業努力が必要になります。

なお、ROAの分母に用いる総資産も、期末のものを用いる場合と期中平均(期初と期末の平均)を用いる場合があります。

 

ROEとROAの違い

ROEとROAの違いは、その計算式にあるとおり分母です。

ROEの分母が、株主に価値が帰属する自己資本であるのに対し、ROAの分母は、自己資本に加えて債権者にも帰属する負債を入れた総資産としています。

つまり、ROEが対株主への収益性・効率性を見ているのに対して、ROAは企業全体の投入資産に対する収益性・効率性を見ていることになります。

ROEとROAには、次のような関係があります。

ROE

= 純利益/売上高 × 売上高/総資産 × 総資産/株主資本(評価・換算差額等含む)

= 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ

= ROA ✕ 財務レバレッジ

 

したがって、ROAとROEがあまりに乖離している場合、財務レバレッジが大きいことを意味します。この場合は、たとえROEが高くても、負債の状況を注意深く見る必要があります。(負債が大きくなると、会社の破綻リスクが増大し、結果的に株主の価値を損なうことになります)

 

ROE・ROAの改善策

上記の式から、ROE、ROAを改善するには次のような策があります。

①売上高が一定の場合、費用を削減し利益を増やす
(例)人件費などのコスト削減する

②売上高と利益が一定の場合、総資産を減少させる
(例)余剰資産の売却する

③総資産の増加率<売上高の増加率、または売上高の増加率<利益の増加率 にする
(例)上記を満たすような設備投資によって売上、利益を増やす

④ROEについては、財務レバレッジを上げる(=自己資本比率を下げる)
(例)借入金を増やす

 

ROEに関わる自己資本比率(財務レバレッジ)

先ほどROEとROAの違いのところで、財務レバレッジのことを書きました。財務レバレッジとは、自己資本比率の逆数になります。

ここでは、自己資本比率について詳細を補足しておきます。

自己資本比率とは、総資産における自己資本の割合のことで、企業の安全性を示す指標です。。自己資本比率は貸借対照表の項目を使って、次のように計算されます。

自己資本比率

= 株主資本(評価・換算差額等含む)/総資産

(株主資本(評価・換算差額等含む)= 純資産-新株予約権-少数株主持分)

自己資本比率は会社の資金の出所の中で、自己資本がどの程度であるのかを把握するものです。自己資本比率が低いと借金の利息が収益を圧迫や借金返済不能などのリスクが大きくなります。

自己資本比率は一般的に30%以上が健全とされていますが、自己資本比率が高すぎると自己資本に対する利益率(ROE)が悪化するため、事業の活性化に繋がらないということもあります。

また、自己資本比率が高いということは、銀行などが貸し渋りをしていて、ハイリスク覚悟でハイリターンを狙った投資家から集めたお金の比率が高いという考え方もできるので、必ずしも「自己資本比率が高い=安全性が高い」とはならないということに注意が必要です。

 

まとめ

以上がROEとROAの解説でした。

  • ROEとは、純利益/株主資本のことで、株主の拠出金に対する利益の割合を示す。
  • ROAとは、純利益/総資産のことで、会社総資産に対する利益の割合を示す。
  • ROEとROAの違いは、分母が株主視点か、株主+債権者の視点で見ているかの違いである。
  • ROE・ROAを向上させるには、利益増加、資産減少、資産回転率の増加、利益率の増加がある。ROEに関しては、財務レバレッジを増加させることも有効(ただし、増加させすぎると破綻リスクが高まる)。
  • 財務レバレッジとは、自己資本比率(=自己資本/総資産)の逆数である。

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