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【5分でわかる】ROICとは・投下資本利益率とは【計算式・WACCとの関係など解説】

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

事業活動のために投じた資金である投下資本に対する収益性を測る指標にROICがあります。

この記事では、そのROICについて解説していきます。

 

ROICとは

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ROICとは、Return on Invested Capitalの略で、日本語では投下資本利益率と言います。

ROICの読み方は、一般的にはアルファベットをそのまま読むアール・オー・アイ・シーですが、ロイックなどと読まれることもあります。

ROICを使うことで、会社が投下した資本に対して、どの程度の利益を挙げているかがわかるようになります。

 

ROICの計算式

ROICは次のように求められます。

ROIC = NOPAT(税引き後利益)/投下資本

分母の投下資本とは、固定資産と正味運転資本(流動資産-流動負債)の総和のことです。

これは、バランスシートの右側から見ると、株主資本と固定負債の合計と言い換えることもできます。

投下資本 = 株主資本(評価・換算差額等含む) + 固定負債
= 固定資産 + 流動資産 - 流動負債

投下資本は、すなわち企業活動のために投入された資金を表します。

分子のNOPATとは、税引き後利益のことです。

NOPATは、企業の本業の業績を反映するEBITから税金を差し引いたものです。

NOPAT = EBIT - 税金

EBITとは金融収支前経常利益のことです。

EBITは会社が経常的に得られる利益のうち金融的な収支を差し引いたものです。(実務上は営業利益とイコールとして扱われることもあります)

EBIT = (経常利益 + 支払利息 - 受取利息)

つまり、NOPATとは、税金を費用と考えると、企業に実質的にかかる費用を差し引いた残りの利益と考えることができます。

 

ROICの意味:ROAやROEとの違い

ROICは、ROA・ROEと似た指標ですが、投下した資本に対する事業の儲けの度合いをより正確に表しているのはROICだと言われています。

ROICに対して、ROE・ROEとの違いについて、分母、分子に分けて比較したのが以下の表です。

分子 分母
ROA 純利益 総資産
ROE 純利益 自己資本
ROIC 税引後利益 投下資本

ROICとROA・ROEの違いをまとめると以下のようになります。

ROA:会社全体の資産に対する収益性を示す(会社全体の効率性がわかる)

ROE:自己資本に対する利益率を示す(株主に対する収益性がわかる)

ROIC:投下された資本に対する本業における利益率を示す(有利子負債の債権者と株主、すなわち全ての資金調達先に対する収益性がわかる)

以上のことをまとめて、ROICとROA・ROEとの違いを図解すると、以下のようになります。

ROICのROA・ROEとの違いを図解
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ROICとWACC・EVAとの関係:EVAスプレッド

ROICの計算に出てくる投下資本とは、WACC(資本コスト)で用いる資本と同じものです。

そのため、ROICはWACCとの間に明確な基準をもつ尺度となり、株式や事業への投資をする上で重要と考えられています。

ROICとWACCの関係は、ROICとEVA(経済付加価値)の関係を見ることで明らかになります。

EVA = NOPAT - 投下資本 × 資本コスト
= NOPAT - 投下資本 × WACC

この式の両辺を投下資本で割ると次のようになります。

EVA/投下資本 = NOPAT/投下資本 - WACC
= ROIC - WACC

つまり、EVAと投下資本で割ると、ROICとWACCの差で表すことができるのです。

このときの(ROIC-WACC)をEVAスプレッドと言います。

EVAは、企業の経済付加価値を表していて、EVAがプラスだとその企業は経済的な付加価値を見出していることになります。

したがって、ROICがWACCより高い(EVAスプレッドがプラスである)と、企業の経済付加価値はプラスであるといえます。

EVAスプレッドの式を見ると、EVA(経済付加価値)をプラスにするためには、EVAスプレッドをプラスにしなければならない(言い換えるとROICがWACCより大きくなければならない)ことがわかります。

 

ROIC向上と企業価値向上

ここまで解説からもわかるように、ROICを高めるということは企業価値を高めることに繋がります。

例えば、税引後営業利益(NOPAT)を2倍に高めることができても、そのための投下資本が今の3倍必要だとしたら、投資家にとっての価値を毀損する結果になります。

逆に、投下資本2倍でNOPATを3倍にできれば、投資家にとっての価値向上に貢献できるわけです。

このように投資家に対する企業価値を高めるための指標としてROICが使われます。

つまり、投資家から見るとROICがWACCに対してどの程度の水準なのか(=EVAスプレッドがプラスなのか)、それは今後増えていくのかが関心事になってくるわけです。

ちなみに、EVAスプレッドがプラスになっている企業は世界でどの程度あるのか調査した結果がこちらのホームページ「January 2019 Data Update 6: Profitability and Value Creation!」にあります。

上記ページから抜粋した以下のグラフによると、各地域の企業のROICとWACCの割合は以下のとおりとなっています。

利益の対象期間が12ヶ月と短く短期的な業績や会計方針の影響を受けやすいものの、世界では60%の会社で、ROICが資本コストを下回っているという現実があるようです。

 

ROICツリー

総資産の効率性を表すROAは、ROAツリーという形で様々な要素に分解できますが、ROICも同様にツリー上に分解することができます。

ROICツリーの例

ROICツリーの事例

 

まとめ

以上がROICの解説でした。

  • ROICとは、投下資本利益率のことで、NOPAT(税引後利益)/投下資本で計算できる。
  • 投資資本とは、株主資本+固定負債で計算でき、企業活動のために投下された資本である。
  • ROICは、ROEがROAに比べると、投下した資本に対する儲けの度合いをより正確に表すことができる。
  • ROIC-WACCのことをEVAスプレッドといい、ROICがWACCを超えているかどうかが、適切な利益率となっているかの判断指標のひとつとなる。
  • ROICの向上は企業価値向上につながる。

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