財務諸表の見方

【5分でわかる】売上債権(売掛金、受取手形)とは 買入債務(買掛金、支払手形)とは

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

企業を運営する中で運転資金は重要指標です。

この記事では、その運転資金の重要要素でもある、以下の4つについて解説していきます。

  • 売上債権(売掛金、受取手形)
  • 買入債務(買掛金、支払手形)
  • 売上債権回転率
  • 買入債務回転率

 

売上債権とは

売上債権とは、得意先との間で生じた営業上の未収入金(売掛金)や手形債権(受取手形)のことで、貸借対照表(バランスシート)の流動資産に記載される項目です。

 

売掛金とは

一般的に会社間で、製品やサービスをやりとりするとき、現金を使うことは滅多にありません。

通常は納品書や受領書を元にやりとりをして、実際の現金の動きは何ヶ月か遅れた一定の期日に発生します。

例えば、商品の売上があった場合、すぐに現金として回収しないで、売掛金として後日決済します。

これは、会社間の信用で取引している状態になります。

売掛金の貸し倒れは会社に多大な損害をもたらします。

利益率が5%の会社が、100万円分の売上金を回収できなかった場合、その回収できない売上をカバーするのに必要な売上は100万円/5%=2000万円になります。

 

受取手形とは

受取手形は売掛金に比べ法的強制力が強くなります。

受取手形には、約束手形と為替手形があります。

手形は、売掛金による取引では心配な場合に、手形という証券として相手に振り出します。

約束手形は当事者が2人いる場合に用いられますが、為替手形は当事者が3人いる場合に用いられます。

為替手形は、例えばA社がB社に対して売掛金が10万円あって、同じ期日にA社がC社に対して買掛金が10万円ある場合、B社からC社へ10万円を払う場合に用いられます。

この場合、A社はB社に承認をもらって、C社に為替手形を振り出すことになります。

 

売上債権の増加要因

売上債権の増加要因としては、主に次の4つがあります。

  • 現金取引の割合が減少している。
  • 債権回収が遅延している。
  • 手形サイトが長期化している。
  • 粉飾決算(売上の架空計上)をしている。

売掛金や手形など、代金を請求してから入金されるまでの期間をサイトと呼びます。一般的にサイトが長くなる要因には、次の2つが挙げられます。

  • 企業が顧客に対する交渉力が弱いこと
  • 商品を積極的に売り込みたいので、わざと回収条件を緩くするような営業施策をとった場合があります。

 

買入債務とは

買入債務とは、仕入先との間で生じた営業上の未払金(買掛金)や手形債務(支払手形)のことで、貸借対照表(バランスシート)の流動負債に記載される項目です。

買入債務は、仕入債務とも呼ばれています。

買入債務は将来支払う予定の資金ですが、リアルタイムでは未払いなので、バランスシートの上では負債ですが、実際はキャッシュアウトしていないものになります。

ただし、買入債務が支払えないということ、特に手形を不渡りにするということは、倒産に至る可能性が高いということなので、買入債務があまりに大量だと注意が必要になります。

 

買掛金・支払手形とは

買入債務にある買掛金や支払手形は、売上債権にある売掛金や受取手形の逆になります。

例えば、会社Aが会社Bに対する売上を売掛金で計上した場合、会社Bでは会社Aからの買掛金として計上します。

同じように、会社Aが会社Bに対する売上を受取手形で受け取った場合、会社Bでは会社Aへの支払手形として計上します。

 

売上債権回転率とは

売上債権回転率とは、売上債権の回収効率を表す指標のことで、次の計算式で表されます。

売上債権回転率 = 売上高 / 売上債権

売上債権の回収効率がよいほど、売上債権回転率は上がります。

また、回転率を期間で表す売上債権回転月数という指標もあります。

売上債権回転月数 = 売上債権 / (売上高÷12)

この計算式よって、売上債権が何ヶ月分の売上高に相当するかがわかります。

売上債権回転月数は、少ない方が効率がよいことになります。

また、月数ではなく日数でみる場合もあります。

その場合は、次の計算式となります。

売上債権回転日数 = 売上債権 / (売上高÷365)

売上債権の回転効率が悪いということは、資金繰りが悪いということを示します。

店頭での現金販売を基本とする小売業や、飲食業の場合、売上債権回転率は非常に高くなります。

 

売上債権回転率が悪化する理由

売上債権回転率が悪化している場合、つまり売掛金や受取手形が増加している場合、次のような原因が考えられます。

  1. 取引先の経営状態悪化により売上債権ができなくなっている。
  2. 手形の決済を遅らせるため、発行済みの手形を新規の手形と差し替えている(手形のジャンプ)
  3. 取引先の力が強く、支払いまでの期間が長くなる。

 

売上債権回転率の改善ポイント

売上債権回転率の改善のポイントには次のようなものがあります。

  1. 支払い期日の把握、遅れに対する催促など売上債権の管理を強化する。
  2. 同じ取引先で売上債権の偏りがないよう、与信管理を強化する。
  3. 支払い期間の短縮など決済条件の変更をする。

ただし、売上債権の回収をゆっくりにすることは顧客にとってはメリットがあります。

これを逆手にとって、あえて支払期日を遅めにして顧客拡大を図るというマーケティング戦略を採用する場合もあります。

 

買入債務回転率とは

買入債務回転率とは、買入債務の回収効率を表す指標のことで、次の計算式で表されます。

買入債務回転率 = 売上原価 / 買入債務

買入債務の回収効率がよいほど、買入債務回転率は上がります。

また、売上債権と同様に、回転率を期間で表す買入債務回転月数や買入債務回転日数という指標もあります。

買入債務回転月数 = 買入債務 / (売上原価÷12)

買入債務回転日数 = 買入債務 / (売上原価÷365)

この計算式から、買入債務が何ヶ月分の売上高に相当するかがわかります。

買入債務回転率は、高い(回転月数が短い)ほどよいかというと、一概にそうは言えない場合があります。

例えば、買入債務回転率が高い場合、仕入先に対して値引き交渉で有利にすることもできます。

一方で、買入債務回転率が低い場合(回転月数が長い場合)は、それだけキャッシュフローの面からは有利になります。

 

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