マーケティング

【5分でわかる】ユニットエコノミクスとは 生涯顧客価値(LTV) 顧客獲得コスト(CAC)

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

新たなビジネスを立ち上げるときに、当面の目標として掲げられることとしてユニットエコノミクスを成立させることがあります。

この記事では、ユニットエコノミクスと、それに関係する2つの要素生涯顧客価値(LTV) と顧客獲得コスト(CAC)、さらにはブランドとの関係について解説していきます。

 

ユニットエコノミクスとは

ユニットエコノミクスとは、ビジネス最小単位における収益性のことを示します。

ユニット単位での経済性・収益性が黒字になっていれば、そのビジネスは拡大すればするほどもうかることがわかります。

例えば、車の販売代理店にとっては車一台が基本ユニットになるでしょうし、飲食店の場合は1店舗が基本ユニットになってくるでしょう。

このユニット単位での収益性がプラスになっていることがわかれば、それをコピーして拡大していくことで黒字が拡大していくことになるので、安心してビジネスを拡大することができるようになります。

逆にユニットエコノミクスが成立していないまま、ビジネスを拡大すれば、いつまで経っても黒字化できないビジネスになってしまいます。

企業内の新規事業への投資や、投資家がベンチャー企業に投資をする際の判断基準にもなっています。

 

ユニットエコノミクスを考えるときの2つの要素LTVとCAC

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ユニットエコノミクスを考えるときは、LTVとCACが重要になってきます。

LTVとは、Customer Lifetime Valueのことで、日本語では生涯顧客価値と表します。

計算方法として、次のようなものがあります。

LTV = 1回あたり購入金額 × 1顧客の平均購入回数

LTV = 顧客の年間取引額 ✕ 顧客の継続年数

LTV = (売上高 – 売上原価)/ 購入者数

CACとは、Customer Acquisition Costのことで、顧客獲得コストと表します。

計算式は次のようになります。

CAC =(営業人員人件費+広告宣伝費)/ 新規顧客数

DTCビジネスの場合は、以下のような計算方法もあります。

CAC = デジタルマーケティング費用 / 新規顧客獲得数

= デジタルマーケティング費用 / (トラフィック ✕ コンバージョン率)

 

ユニットエコノミクスを考える上で大事な指標

ユニットエコノミクスを考える上で大事な指標は、2つあります。

  • LTV/CAC
  • CAC/1顧客あたりの月次売上

それぞれ詳細を解説していきます。

 

LTV/CAC

1つめは、LTV/ CACです。

もし、この比率が1を下回る場合、事業をやればやるだけ赤字になることは明白です。

ではいくらあればよいのかと言うと、ケースバイケースにはなりますが、一般的には3倍以上は欲しいと言われています。

3倍の意味合いとしては、以下の式を基点に考えることができます。

LTV ✕ 粗利率 = 上限CAC

これは、 LTVに粗利率をかけた1顧客あたりに獲得できる生涯粗利を意味しますが、これがCACの上限になります。

この式の両辺を上限CACと粗利率で割ると、以下のような式になります。

LTV / 上限CAC = 1 / 粗利率

ここで、LTV/上限CACが3倍のとき、粗利率は33%になるので、LTVとCACが3倍以上というのは、粗利率が33%のときの上限CACを基準にしているのです。

したがって、粗利率が高いビジネスであれば、LTV/CACが3倍以下でも成立する可能性がありますし、粗利率が低いビジネスであれば、LTV/CACを4倍、5倍と高いハードルを設けなくてはなりません。

なお、コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、こちらのレポートDTCビジネスの場合は、LTV / CACは2倍が目安になるとしています。

 

CAC/1顧客あたりの月次売上

2つめは、CAC/1顧客あたりの月次売上です。

この指標は、顧客獲得コストを何か月で回収できるかを示すものです。

こちらも明確なハードルがあるわけではありませんが、一般的には18ヶ月程度で回収することを目標とします。

このような観点からユニットエコノミクスとその妥当性を明確にすることで、ビジネスにおけるキャッシュフローをより正確に見積もることが可能になります。

そして、一旦ユニットエコノミクスが理想的な状態(LTV/CAC > 3、CAC/月次売上=18ヶ月)で成立することがわかれば、あとは規模の拡大を目指していくことで、より大きな売上・利益を稼げる、つまり売れば売るほど儲けられる状態になります。

 

ユニットエコノミクスを考える上での注意点

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ユニットエコノミクスは上述のように競争に勝ち抜くために必要なマーケティング・販売投資をどの程度必要とするのか、その目安が明確になる一方で、運用するにあたっては注意が必要なポイントがあります。

それは、LTVが競争状況や業界動向、顧客の購買行動などの外部環境によって変化してくる可能性があるということです。

例えば、購入頻度を年4回で見ていたのが、年3回だったとなれば、それだけでLTVは当初予定の75%になってしまいます。

当初の購入頻度を目指すために、例えば商品の魅力を高めるための追加費用が必要になることも想定されます。

 

ユニットエコノミクスとブランドの関係

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企業ブランドは、LTV、CACの双方によい影響を与えます。

 

ブランド力とLTVの関係

企業ブランドが浸透していると、そのブランドに対して顧客がお金を多く支払ってもよいと考える人が増えるので、同じCACでも1回あたりの購入金額を高めることができます。

次に、顧客がそのブランドに愛着を持つことで、顧客が次に買い替えるときに同じブランドを選ぶことになり、結果として一人の顧客が生涯でそのブランドの製品を買う頻度を高めることができます。

その結果として、LTVのアップに寄与します。

計算式で書くと、ブランド知名度があると以下のようになるわけです。

LTV = 1回あたり購入金額 (UP!)  × 1顧客の平均購入回数 (UP!)

ブランドと関連のあるスイッチングコストとLTVの関係についても以下の記事で解説しています。

【3分でわかる】スイッチングコストとは 業界の事例・LTVとの関係商品やサービスの継続的な売上や収益性を高めるための方法のひとつとして、スイッチングコストを高めるという方法があります。この記事では、顧客...

 

ブランド力とCACの関係

一旦ブランドが出来上がると何が起こるでしょうか。一般的に考えて、新規の顧客を獲得するための営業人員は、無名ブランドを売るよりも少なくて済みそうです。

広告宣伝に関してはブランド知名度維持のための継続投資は必要かもしれませんが、少なくとも短期的に見ると、有名ブランドが冠されていれば、追加的に必要となる広告宣伝は少なくて済む可能性もあります。

つまり、ブランド知名度があると次のようなことが起こります。

CAC =(営業人員人件費(DOWN!)+広告宣伝費(DOWN! )/ 新規顧客数

 

ブランド力はユニットエコノミクスにプラスに働く

上記のことから、ブランド知名度が高いということは、何か製品やサービスを新たに販売を始めるときに、そのユニットエコノミクスが成立しやすいことを意味します。これはブランド知名度という共有資産を使って、範囲の経済性を活用していると言い換えることができます。

言い換えると、一方ではブランド認知が十分ではない会社、例えばベンチャー企業や、有名企業であっても、当該業界でのイメージがない会社などは、ユニットエコノミクスを成立させるのに、苦慮することになるのです。

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