経営戦略論

ネットワーク効果とは【代表例・パターンと合わせて解説】

 

ネットワーク効果とは、ある人がネットワークに加入することで、その人の利益を増加させるだけでなく、既存のネットワーク加入者の利益も増加させる効果のことです。

ネットクワーク効果は、インターネットビジネスや、プラットフォーム型の事業において重要な概念となっています。

この記事では、そのネットワーク効果について詳細を解説していきます。

 

ネットワーク効果のメカニズム

ネットワーク効果が働くメカニズムは以下のとおりです。

  1. 便利だから使われる
  2. 使われるから便利になる
  3. ますます便利だから使われる
  4. 使われるからますます便利になる
ネットワーク効果が生まれる理由

ネットワーク効果が働くサービスや製品では、品質や技術以上に利用者の数によって得られる利益の大きさが決まってきます。

そのため、あるサービスや製品が一旦シェアで優位になると、ユーザーが爆発的に増加する傾向があります。(ネットワーク効果が働くサービスの事例は、後ほど解説します。)

なお、ネットワーク内の人だけでなく、ネットワークの外部にいる第3者にとっての価値も高める意味から、ネットワーク効果のことをネットワーク外部性と呼ぶこともあります。

 

ネットワーク効果:2つのタイプ

ネットワーク効果には、2つのタイプがあります。

1つは、サイド内ネットワーク効果、もう1つが、サイド間ネットワーク効果です。

サイド内ネットワーク効果

サイド内ネットワーク効果とは、ユーザーが属するグループ内で発揮されるネットワーク効果のことです。

単にネットワーク効果というと、このサイド内ネットワーク効果を指すことが多いです。

サイド内ネットワーク効果では、以下のようにネットワークの価値が高まっていきます。

顧客が増える ⇒ 価値が高まる ⇒ また顧客が増える ⇒・・・・

サイド間ネットワーク効果

サイド間ネットワーク効果とは、あるプラットフォームにおいて、種類の異なる参加者グループの間で働くネットワーク効果のことです。

片方の参加者グループが増加すると、もう片方の参加者グループにとって、製品やサービスの価値が向上する現象のです。

サイド間ネットワーク効果では、以下のように補完業者が間に入りながらネットワークの価値が高まっていきます。

顧客が増える ⇒ 補完業者が増える ⇒ 価値が高まる ⇒ また顧客が増える ⇒・・・・

一般的には、サイド内ネットワーク効果が働き、その後にサイド間ネットワーク効果が発揮されていきます。

なお、以下の記事では、ネットワーク効果のパターンを13分類に分けて解説しています。

https://hiromaeda.com/2018/02/04/network_effects/

 

ネットワーク効果の事例

ネットワーク効果が発揮される代表的なサービスは、以下のとおりです。

  • 電話
  • クレジットカード決済
  • パソコンのOS(Windowsなど)
  • SNSサービス(Facebookやツイッターなど)
  • オークションサイト
  • ECサイト
  • 動画サイト(Youtubeなど)
  • 電子マネー決済

電話

電話は、サイド内ネットワーク効果を発揮できる代表的なサービスです。

加入者が少数の場合、あまり使うメリットはありませんが、加入者が増えれば増えるほどその価値は高まります。

そして最後には、そのネットワークに加入していないこと自体が不利益を被るような状態になってしまうでしょう。

固定電話はネットワーク効果を発揮した代表例でしたが、その後は携帯電話もネットワーク効果を発揮しながら普及していきました。

従来の電話が持っていた離れた人と話ができるという便益に加えて、いつでもどこでも話ができるという便益が加わったことで、爆発的に普及していったのです。

携帯電話でサイド内ネットワーク効果が発揮されたことは、サイド間ネットワーク効果も生み出しました。

携帯電話端末のメーカーにとっては端末開発の価値が急速に高まりましたし、スマートフォンの時代になるとアプリ開発の価値が高まりました。

このように電話では、サイド内ネットワーク効果が発揮された後に、端末会社やアプリ開発会社に対するサイド間ネットワーク効果が発揮されたのです。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、電話と並んで比較的古くからネットワーク効果を発揮してきたサービスです。

カードの利用者が少ないうちはカードを取り扱う店も少ないので、カードを持つメリットは少ないですが、世界中どこでも使えるようになると、カードを持つ価値は飛躍的に高まります。

パソコンのOS

WindowsのようなパソコンのOSは、ソフトウェアメーカーを補完業者として巻き込みながらサイド間ネットワーク効果を発揮していくものです。

Windowsがシェアを大きく伸ばせた理由は、OS自体の性能だけでなく、ソフトウェアメーカーやパソコンメーカーなどの補完事業者を上手に巻き込んだ点もありました。

SNS・オークションサイト・動画サイト等

SNSは、ユーザーのコミュニケーションツールとしてユーザーの中でサイド内ネットワーク効果が発揮されたのちに、広告事業者や法人企業などのSNS参入が促されるなど、サイド間ネットワーク効果も発揮された例です。

動画サイトも同様の変遷を遂げてきました。

 

ネットワーク効果の数値的考察

ネットワーク効果の価値を数値的に表す例として、そのネットワーク内の情報ラインの数があります。

ネットワーク内のN人の情報ラインの組み合わせ数は次のとおり表すことができます。

組み合わせの数 = N × (N-1)

つまり、ネットワーク効果のあるサービスにおいては、そのネットワークに参加する人間の数が増えると、その二乗に比例して価値が高まっていくのです。

たとえば、5人のネットワークで、それぞれが1対1で情報をやりとりする場合、そのラインの数は以下のようになります。

5 × (5-1) = 20通り

ところが、ネットワーク内の人数が500人なると、

500 × (500-1) = 249,500通り

となり、5人の場合に比べると、人数は100倍なのに、価値は12,475倍にまで膨れ上がることがわかります。

 

ネットワーク効果が効く事業では初期投資が大事

ネットワーク効果が効く事業で大事なのは、効果が発揮されるまでは初期投資を惜しまないことです。

仮に当初の業績は赤字であっても、効果が発揮されれば一気に黒字化できるようになるからです。

携帯電話事業がその最たる例です。

近年では、バーコード決済のPayPayが大型キャンペーンを仕掛けるなど、電子マネー決済の覇権争いが盛んです。

これもネットワーク効果が発揮できるがゆえに、各社とも覇権争いのための投資をしているのです。

 

まとめ

以上、ネットワーク効果の解説でした。

  • ネットワーク効果とは、サービスへの加入者が増えれば増えるほど、急速に価値が高まる状態のことを指す。
  • ネットワーク効果には、サイド内ネットワーク効果と、サイド間ネットワーク効果があり、一般的にサイド内ネットワーク効果が発揮された後に、サイド間ネットワーク効果が発揮される。
  • ネットワーク効果の代表例として電話、クレジットカード、インターネット系のサービスの他、パソコンのOSなどがある。
  • ネットワーク効果が働くネットワークにおいて、ネットワークの価値は、ネットワーク内の人数の2乗に比例して高まっていく。
  • ネットワーク効果が働く事業においては、初期投資を大きく使ってネットワーク内の人数を増やすことが重要になってくる。

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