ロジカルシンキング

【徹底解説】ピラミッドストラクチャーとは【作成方法を事例付で紹介】

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

この記事では、ビジネスパーソンとして習得しておきたいロジカルシンキングの基礎「ピラミッドストラクチャー」を紹介します。

ピラミッドストラクチャーを使えるようになると、論理的でわかりやすいプレゼン資料や報告書を作れるようになり、仕事の効率アップにも役立ちます。

 

ピラミッドストラクチャーとは

ピラミッドストラクチャーとは、主張とその根拠を構造的に表したものです。

主張を頂点として根拠がピラミッド上に配置されるためピラミッドと呼ばれています。

例えば、下図のようなピラミッドストラクチャーがあります。

ピラミッドストラクチャーの例

これは自社はX事業に参入すべきか?という問に対して、その答え(参入すべき)を導くための論理構成です。

ピラミッドストラクチャーを作ると次のようなメリットがあります。

  1. 論理構成を図式化できる
  2. 主張をサポートするための根拠として、何を言うべきかを明らかにできる

 

ピラミッドストラクチャーの作成ステップ

こからは、ピラミッドストラクチャーの作成方法を事例を交えながら紹介していきます。

作成ステップは大きく5つに分けられます。

 

作成ステップ1.論点に対する主張を決める

ピラミッドストラクチャーには必ず課題となる論点があります。

例えば、売上を上げるために、広告宣伝費を増額すべきか?という議論をするなら、広告宣伝費の増額をすべきか?が論点になります。

次に、その論点に対するピラミッドストラクチャーの頂点となる答え(自分の主張)を決める必要があります。

先ほどの例だと、広告宣伝費を増額すべき、または増額すべきではない、のどちらかが主張に成りえます。

議論すべき課題に対して、主張が外れていると、その後の議論が成り立たなくなってしまいます。

例えば、広告宣伝費を増額すべきか?という議論なのに、広告会社のA社使えないという結論では論点と主張がずれてしまっています。

したがって、論理構造していくには、何が課題(論点)か?をしっかり押さえ続けて、その課題に対してダイレクトに答える主張を用意する必要があります。

 

作成ステップ2.論理の枠組み(フレームワーク)を考える

結論が決まったら、結論を言うために、どんなことが言えればいいのか?というフレームワークを考えます。

フレームワークは、MECEであることを意識する必要がありますが、厳密にMECEでなくてもよい場合もあります。(MECEは以下ページをご参照ください)

【5分でわかる】MECEとは モレなくダブりなく考えるためのフレームワーク こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 仕事を進めていく中で、往々にして起こるのが作業の重複や、作業のや...

 

例えば、新規事業参入の提案なら

「市場、競合、自社という3C

の枠組みは1つのアイデアとしてありそうです。

フレームワークを決める際に注意すべきことは、「まとめやすい」という理由で選ばないことです。

大事なことは情報をまとめることではなく、結論を導くのに最も効果的なフレームワークを選ぶことだからです。

例えば、「小売店の店主を納得させて、新製品の洗剤を置いてもらう」ということを考えるとき、課題に対する答えは「新製品の洗剤を置くべき」となります。

ここで、まとめやすいからと言って3Cのフレームワークで小売店の店主に説明をしても説得力がありません。

小売店の店主が聞きたいのは、そんな壮大な企業戦略ではないからです。

この場合は、小売店の店主の立場に立って、最も店主に響くフレームワーク、言い換えると小売店に対するメリットに重点を置いたフレームワークを考える必要があります。

例えば、次のようなフレームワークです。

  1. 売上は増えるのか?
  2. 利益は増えるのか?
  3. 何もしなくても売れるのか?)

ピラミッドストラクチャーの頂点の主張と、次の階層の根拠だけで8割以上理解してもらえる論理構造にしなければ、相手に伝わりにくい主張になってしまいます。

そのためには、慣れないうちは、説得力のよい高いフレームワークを何度も何度も考え直す必要もあります。

 

作成ステップ3.情報をグルーピングする

フレームワークを決めたら、数ある情報をグルーピングする必要があります。

下の例は、事業に参入すべきか?という課題に対する結論を導くための情報です。事業へ参入なので、単純に既存のフレームワークである3Cでグルーピングしました。

【様々な情報】

  • 市場成長率が高い
  • まだ特色は出ていない
  • A社(シェア10%)、D社(シェア8%)
  • 自社の販路を活用できる
  • Y事業の技術者を活用できる
  • 顧客はブランドよりも機能重視
  • 市場の潜在的規模大きい
これを3Cで分類
すると・・・
【市場】

  • 市場成長率が高い
  • 市場の潜在的規模大きい
  • 顧客はブランドよりも機能重視

【競合】

  • A社(シェア10%)、D社(シェア8%)
  • まだ特色は出ていない

【自社】

  • Y事業の技術者を活用できる
  • 自社の販路を活用できる

 

作成ステップ4.情報から言えるメッセージを抽出する

グルーピングしたら、情報から言えるメッセージを抽出する必要があります。

メッセージの抽出の際には、演繹法や帰納法を使っていきます。

このとき、結論を言うために価値ある解釈をしたメッセージを導き出すことが重要です。

注意すべき点は、個々の情報の要約にならないようにするということです。

個々の情報の要約をしただけでは、単なる「状況説明」に過ぎず、結論に向けた価値ある解釈とは言えません。

ここでは、次のようにメッセージを抽出しました。

【市場】
市場成長率が高い
市場の潜在的規模大きい
顧客はブランドよりも機能重視
So what?
市場は魅力的で、後発でも戦える
【競合】
A社(シェア10%)、D社(シェア8%)
まだ特色は出ていない
So what?
有力な競合他社はまだいない
【自社】
Y事業の技術者を活用できる
自社の販路を活用できる
So what?
自社の強みを生かせる

 

演繹法・帰納法の解説記事

【5分でわかる】演繹法・帰納法とは【わかりやすく解説】 こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 ロジカルシンキングを習得するためには、基礎的な論理展開の方法を習...

 

作成ステップ5.抽出したメッセージで論理が成立しているか確認する

メッセージが抽出できたら、今度は逆に情報がメッセージの根拠になっているかを確認します。

市場は魅力的で、後発でも戦える Why so?
【市場】
市場成長率が高い
市場の潜在的規模大きい
顧客はブランドよりも機能重視
有力な競合他社はまだいない Why so?
【競合】
A社(シェア10%)、D社(シェア8%)
まだ特色は出ていない
自社の強みを生かせる Why so?
【自社】
Y事業の技術者を活用できる
自社の販路を活用できる

最終的に、3Cのフレームワークでそれぞれ導いたメッセージから次のように結論づけました。

市場は魅力的で、後発でも戦える
有力な競合他社はまだいない
自社の強みを生かせる
So what?
X事業に参入すべき

 

ピラミッドストラクチャーの完成事例

ここまでのステップを踏まえた最終的なピラミッドストラクチャーの出来上がりイメージは、冒頭で紹介した事例である以下のようになります。

ピラミッドストラクチャーの例

一度作ったピラミッドストラクチャーに対して、So What?とWhy So?を繰り返し、情報の解釈の仕方や、フレームワークそのものを何度も見直すことで、より説得力の高いピラミッドストラクチャーができるようになります。

 

ピラミッドストラクチャー作成時の確認すること

ピラミッドストラクチャーを作成するときに確認すべき点が5つあります。

 

課題に対してダイレクトに答える枠組みになっているか?

先ほどの小売店の例にも出しましたが、情報を整理しやすい枠組みにするのではなく、課題にダイレクトに答えられる枠組みにする必要があります。

特に、戦略論に出てくるフレームワークを何も考えずにそのまま使ってしまいがちですが、それではただの情報整理に終わってしまう場合があるので注意が必要です。

自分の主張を聞いてもらう聞き手が誰で、何を伝えたいのかという観点で枠組みを作り、場合によっては、戦略論に出てくる3Cや4Pのようなフレームワークを外して考える必要があります。

重要なのは、聞き手の聞きたいことにダイレクトに答えられる枠組みかどうかです。

 

メッセージの抽出は、課題の結論に向けた意味合いになっているか?

情報から抽出するメッセージは、結論をサポートする根拠になり得るものにする必要があります。

情報を整理しただけとか、抽象化しただけとか、列挙しただけでは意味のあるメッセージとは言えません。

ただし、メッセージの抽出は言い過ぎてしまうと、逆にWhy So?という質問に答えられなくなるので、適度なレベルで抽出する必要があります。

最初からうまくはできないので、何度も練習して身につける必要があります。

 

結論とその下の階層(根拠)だけで、言いたいことがほとんど伝わるか?

主張と最初の根拠が書かれる2段目までで言いたいことの80%を伝えることが大事です。

逆に2段目以降の階層まで言及しないと伝わらないような主張だと、メッセージの抽出が甘いか、論理が飛躍しているということになります。

 

So what? や Why so? が自然に繋がる内容になっているか?

ピラミッドストラクチャーの論理構成として、上位に向かってSo What?、下位に向かってWhy So?という形になっているかが重要です。

そこに論理の飛躍があると、論理構成としては極めて弱いものになってしまうからです。

演繹法や帰納法に基づいた論理構成のチェックが必要になります。

 

反論者の立場でも考えているか?

実際のビジネスの場面では意見が分かれるような場合も多いです。

そうした事態が想定される場合は、あらかじめ反論者なら、どこに突っ込みを入れるかを考える必要があります。

そのために一番よい方法は、反論者の立場でも論理構造を考えることです。

つまり、自分が思うのと逆の考えでピラミッドストラクチャーを構成してしまうのです。

例えば、先ほどのX事業への参入について、反論者なら以下のように考えそうです。

  1. 後発で戦いには厳しい市場である
  2. 有力な競合は今はいないが、今後現れる可能性は高い
  3. 自社の弱みが強みを殺してしまう

こうした反論を予め出しておいて、この反論に備えておくことで、自分の論理構造、主張に対する説得力をより強固にすることができます。

 

ピラミッドストラクチャーを実務で使う場合のポイント

今回のピラミッドストラクチャーの作成ステップでは、多くの情報をグルーピングして主張と根拠を構成してきました。

しかし、実務においては、まず仮説(仮の結論)をピラミッドストラクチャーの頂点において、その結論を言うためには、何が言えればよいかというフレームワークを先に考えてから情報を集めるケースが多いです。

なぜなら、そちらの方が闇雲に情報を集めるよりも効率的に情報を集めることができるからです。

こうした思考様式のことを仮説思考と呼びます。

仮説思考の詳細は以下の記事に記載しています。

【5分でわかる】仮説思考とは よい仮説の条件・作り方・立て方 要約解説 こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 効率よく仕事をするビジネスパーソンの特徴として、仮説を持って仕事...

 

まとめ

ピラミッドストラクチャーは、自分の主張と根拠をロジカルに整理するのに大変役に立つフレームワークです。

とはいえ、使いこなすには少し訓練が必要です。

日頃から「お小遣いを増やすべき」、「英語を勉強すべき」といった身近な課題でピラミッドストラクチャーを作る訓練をしておくと、実務で大いに役立たせることができるでしょう。

ロジカルシンキングのおすすめ記事はこちら>>>

 

ロジカルシンキングをもっと知るには

【おすすめ】ロジカルシンキング・問題解決の本14冊【セーシン図書館】 こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 ロジカルシンキング(論理的思考)・問題解決に関連する、おすすめの...

 

ピラミッドストラクチャーを活用した仕事術

【5分でわかる】わかりやすい報告書の作り方6つのポイント+YWTフレームワーク こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 ビジネスパーソンの困りごとの中で、報告書をうまく書けないという困...
わかりやすいプレゼン資料の構成・作り方 8つのステップで解説! こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。 ビジネスの場面で目にするプレゼンテーションの中には、残念ながらわ...

 

ビジネスでよく使われるフレームワークのまとめはこちら

【必見】ビジネスでよく使われる30個超のフレームワークを一挙紹介 このブログでも多くのフレームワークを紹介していますが、1ページ分を使って紹介するまでもないフレームワークと 自サイト内の引用を合...
ABOUT ME
アバター
セーシン
元製造業のリーマン管理職。海外駐在や新規事業を経験後、40代で独立し複数の会社から業務を受託するフリーランスにキャリアチェンジ。国内外の仕事を受けています。ウェブサイト運営歴15年、20代からの学びをこのブログにまとめています。 ツイッターアカウントはこちら
おすすめ記事