マーケティング思考・戦略

【5分でわかる】サブスクリプションモデルとは 事例・ポイント・課題

 

先日の記事で、マーケティングとはモノ売りではなくコト売りだという記事を書きました。

【マーケティングの基本】モノの価値ではなくコトの価値を伝える重要性これからマーケティングを志望する人、または駆け出しのマーケティング担当者の方に向けてマーケティングで考えるべき重要なポイントを書いていき...

 

それに関連する話として、サブスクリプションモデルとSaasについて書いていきます。

 

サブスクリプションモデルとは

サブスクリプションモデルのサブスクリプションとは、英語のSubscriptionのことで本来は新聞や雑誌の定期購読を表す言葉です。Youtubeのチャンネル登録をしたり、ブログの読者になったりすることもSubscribeなどと表現します。

 

近年では、それがビジネスモデルに転じて頻繁に使われるようになり、サブスクリプションモデルとか、サブスクリプション型ビジネスなどと言われるようになってきています。簡単にいうと従量課金制のビジネスで、モノを買うことにお金を払ってもらうのではなく、使った分に対してお金を払ってもらうというモデルです。

 

典型的なのが、ソフトウェア・ライセンスです。

 

昔はソフトウェアも売り切り型のものが多かったです。

例えば、オフィスというパッケージを買うとそのパッケージに対してお金を払い、自分のパソコンにインストールできるようになるというモデルでした。

ところが、今ではマイクロソフトもOffice365という商品を提供していて、月額や年契約で課金をしてソフトウェアを使用するモデルになっています。

 

私も自分の会社でメールや共有ドライブのインフラとしてOffice365を活用していますが、使っている限りずっと課金されるビジネスモデルです。

 

サブスクリプションとSaas

SaaSとは、Software as a Serviceの略で、必要なときに必要な機能だけ利用できるというソフトウェアの提供方法を示します。SaaSのことをサースと発音します。

SaaSはサブスクリプションモデルと親和性が高い組み合わせなので、サブスクリプションモデルの代表例としてSaaSがあげられます。

 

先ほどあげたOffice365はSaaSの代表例です。サービスの組み合わせを自由にカスタマイズできるわけではないものの、3つのサービス・パッケージを用意しているので顧客の用途にあわせて選択できるようになっています。月次の契約をしているなら、途中解約することも可能になります。

 

サブスクリプションモデルの発展

サブスクリプションモデルはインターネットの発展に合わせて発展してきました。

従来だと継続課金の処理をする際に顧客に大きな負担を強いていたのですが、インターネット決済が発達したことで非常に簡単に課金をできるようになってきました。

このようなインフラの発展に加えて、ユーザーがモノを買うことから、コトを買うことに重きを置くようになってきたこともあって、この10年くらいの間にサブスクリプションモデルが大きく発展してきています。

 

本記事の最後に紹介する書籍「サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方」にも

サブスクリプションというビジネスモデルが私の行動を変えている

とした上で、以下のように書かれています。

私たちは、企業がサービスをカスタマイズして必要なときにすぐ届けてくれるのを、当然のことのように思い始めている。生活のある領域で利便性と満足感を得ると、他の領域にも同じことを期待するようになる。

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方」より抜粋

 

サブスクリプションモデルの例

アマゾンはインターネットを通じてモノを売る会社でしたが、配送料を無料にするアマゾンプライムでサブスクリプションモデルをスタートし、今ではキンドル、オーディブル、ビデオ等で月額制のコンテンツ配信に力を入れるようになってきています。

IoTを活用したこのようなウォーターサーバーや、歯ブラシの自動発注モデル(Amazon Dash Replenishment)にも取り組んでいます。

このようにインフラの発展、サブスクリプションモデル型企業の台頭、ユーザーの嗜好の変化が多くの物やサービスでサブスクリプションモデルへの転換を促進しているのです。

 

アマゾンよりも古い例だと、ゼロックスのコピー機もサブスクリプションの先駆けでした。コピー機を販売して利益を得るのではないく、コピーの回数で課金管理しながら、用紙やトナーの補充、メンテナンスなどをする仕組みです。

 

直近の例を見ると、2019年2月20日にインドのOYOがスマホで手軽に賃貸物件を貸し出すサービスを日本でも展開するというニュースがありましたが、これもサブスクリプションモデルのひとつです。

インド発のユニコーン企業OYO(オヨ)、ヤフーと合弁会社を設立し日本の賃貸住宅事業に本格参入

そもそも賃貸物件自体がサブスクリプションモデルではあるですが、OYOは契約と解約の利便性を大幅に高めています。

 

IoTを活用したハブラシGUM PLAYの詳細はこちらです

【5分でわかる】サブスクリプションモデルとは 事例・ポイント・課題 先日の記事で、マーケティングとはモノ売りではなくコト売りだという記事を書きました。 https://www.nsspirt...

 

サブスクリプションモデルのポイント

サブスクリプションモデルにとって、最も起こってはいけないことは顧客がサービスを解約してしまうことです。この解約率のことをチャーンレート(Churn Rate)と言いますが、優れたサービスを提供しなければ、このチャーンレートが上がっていってしまうのです。

こうしたことを踏まえて、サブスクリプションモデルをうまくいかせるためのポイントは大きく3つあります。

 

ポイント1:顧客とのリレーションシップ

チャーンレートを低く保つためには、顧客とのリレーションシップを良好に保っておくことがポイントになります。特に顧客の声を直接拾い上げることが何より重要になってきます。

 

ポイント2:顧客ニーズに合わせたサービスのアップデート

サービスを常にアップデートすることも大事です。コンテンツ配信型のモデルであれば、当然コンテンツを生み出し続ける必要がありますし、Office365のような顧客が使用するものであれば、ユーザーの使用体験を絶え間なく改善していく必要があるでしょう。

それが途切れると、ユーザーは支払いをやめて、他のサービスに乗り換えてしまうかもしれません。

 

ポイント3:柔軟な料金プランの提示

顧客に対してゼロイチの選択肢だと、境界線の部分のニーズを捉えることが難しくなります。

先ほどのOffice365のように、完全カスタマイズ可能ではなくても(カスタマイズができ過ぎるとユーザーはかえって迷うので)、複数のプランを提示するということで、潜在ユーザーの取りこぼしを減らすことができるでしょう。

一度使ってみたユーザーに対してサービスをダウングレードして使い続けるという選択肢を与えることにもなります。

 

また、1ヶ月の無料体験などユーザーに無料体験を提供することで、囲い込んでいくという方法もあります。これはユーザーにサービスを体験してからお金を支払うかどうかを選んでもらうという点で、柔軟な料金プランの提示のひとつだといえるでしょう。

 

サブスクリプションモデルの今後の課題

上記のようにソフトウェア関連を中心にサブスクリプションモデルはかなり浸透してきています。一方で、今後こうしたモデルをどのようにハードに展開していくかは課題となるでしょう。

潜在的にはハードウェアに対するサブスクリプションモデルのニーズは高いはずです。

しかし、レンタルビジネスなどはある種のサブスクリプションモデルに近いところはあるものの、世の中を席巻するほどの普及には至っていません。

 

また、多大な初期投資が必要なハードウェアで従量課金制にしてしまうと投資回収に時間がかかりすぎてしまうという課題があります。

もちろんミシュランの「マイレージ・チャージプログラム」のようなタイヤの従量課金制や、ゼロックスのようなコピーという行為への課金というモデルは存在していますが、これらはB2Bのモデルで、B2Cではメジャーになっていません。

こうした課題を解決するためには、ハードウェアとセットでコト・体験を販売して、物を販売しつつ、体験をすることへのサービスに対してサブスクリプションモデルを載せるという複合技が必要になってくるのでしょう。

すでにアメリカでは、そういうモデルの会社もあって、例えば創業6年で時価総額4000億円超を達成したPeloton(ペロトン)という会社はそのような複合技でビジネスをしています。

家庭用トレーニングバイクを2,000ドルで販売する。バイクには動画モニターが搭載されており、ニューヨークからリアルタイムで発信されるジムセッションを受けながら体を鍛えることができる。同じクラスを受けているユーザーの運動量データをみながらトレーニングできるため、ゲーミフィケーション要素も入っている。

(中略)

収益モデルは本体セット販売のみではなく、動画コンテンツの月額サブスクリプション収入39ドルで継続収入を得る仕組み。

https://amp.review/database/p/peloton/から引用

(参考)ペロトンのCM

 

まとめ

モノ売りからコト売りに転換していく中で、サブスクリプションモデルは非常に親和性の高い課金モデルだと思います。

 

上記のようにハードウェア分野での浸透はまだまだですが、これからモノが飽和していく時代においては、この課金モデルを成功させた企業が時代のリーダー企業になっていくのではないでしょうか。

 

そのためには、顧客はハードを使うということに付随してどのような体験を求めているのか?をこれまで以上に深掘りしていく必要があるのだと感じています。

マーケティングに関するおすすめ記事はこちら>>>

 

サブスクリプションモデルをもっと知るには

 

マーケティングに関連する記事はこちら

【3分でわかる】マーケティング・プロセス マーケティング・ミックス4Pについて解説「これからマーケティングの仕事を目指したいのだけど、マーケティングって何を考えればよいの?」 そんな方にとって、一番に覚えてほしい...
【徹底解説】場面別の価格戦略・価格の決め方・種類・事例 以下のページで価格戦略の基本を解説しているように、実際には特定のケース別に様々な価格戦略があります。 https://ww...

https://www.nsspirt-cashf2.com/entry/2019/01/14/070042

 

ABOUT ME
アバター
セーシン
元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することを発信しています。