マーケティング思考・戦略

【5分でわかる】D2Cとは アメリカの成功事例を交えて解説

 

ビジネス用語としてB2BやB2Cという言葉をよく聞くことがあるかと思います。

 

B2Bというのは、Business to Businessのことで、企業間の取引のことです。例えば、法人向けのシステムや設備を作っている会社はB2Bビジネスの会社と言います。

 

一方でB2Cというのは、Business to Consumerのことで、企業と消費者の取引のことを指します。例えば、家電製造・販売、スーパーマケットなどの小売業、飲食業などはB2Cの代表例です。

 

しかし、最近D2C(読み方:ディートゥシー)というモデルが拡大していきています。このD2Cとは何を指しているのでしょうか。この記事で成功事例を交えて詳しく解説していきます。

 

D2Cとは

D2Cとは、Direct to Consumerの略で、消費者に直販する形態のビジネスです。ここでの特徴は自社ブランドのものを自社で販売するというモデルだということです。

B2Cの場合、自社ブランドのものは流通チャネルに乗せられてConsumer(消費者)に販売されます。例えば、Panasonicの家電製品は系列の代理店・販売店を通し販売されていますし、カルビーなどが作る食品もスーパーという末端の消費者への販売機能をもった場所で販売されます。

しかし、D2Cでは、その中間のチャネルも基本的には自社でコントロールしてお客さんに商品を届けるというモデルです。

 

D2Cの例

D2Cはアメリカを中心に成功事例が多く、以下のような会社が成功事例として取り上げられます。

 

Away スーツケースの会社
Casper マットレスの会社
Warby Parker メガネの会社

 

これらの会社は自社で作った商品をオンライン販売または自社の直営ショップで販売しています。

こちらのブログ「D2Cニューヨーク視察記」にショールームの訪問体験記があるので、どのような商品を扱っているか参考になるかと思います。

 

各会社の概要を以下に紹介します。

 

Away

スーツケースの会社です。有名ブランドと格安ブランドの間の価格で、少し質のよいスーツケースを手頃な値段で販売しています。

旅行好きの2人の女性が共同で創業しており、こんなスーツケースがあったらよいなを自分たちで実現してしまった会社です。スーツケースでスマホの充電が可能、永久保証付で壊れても修理してくれるなどのサービスが付帯しています。

https://www.awaytravel.com/

 

Casper

マットレスの会社です。マットレスを圧縮して小型冷蔵庫くらいの大きさにして顧客のところに届けるのが特徴です。

この商品を買う購買層が決して広い家には住んでいないことから、届けるときの持ち運びが簡単になるように圧縮しているのです。また100日間無償で返品可能という保証内容が付帯されているのが特徴です。

https://casper.com/home/

 

Warby Parker

メガネの会社です。メガネをオンラインストアで販売しているのですが、試着ができないところを独特のサービスで補完しています。

お客さんにメガネのフレームを5つ送って試着してもらった上で、気に入ったものがあれば、その後レンズを送るという方法をとっているのです。配送返送は無料で対応しています。

実はAwayの創業者の二人の前職は、このWarby Parkerだったので、D2C企業出身者が別のD2C企業を創業していたのです。

https://www.warbyparker.com/

 

この他にも、DOLLAR SHAVE CLUBという髭剃りメーカーや、EVERLANEというアパレルメーカーなどがD2Cブランドとして有名です。(EVERLANEは、何とホームページ上で全ての商品の原価情報をオープンにしてしまっています)

 

D2Cのメリット・デメリット

D2Cのメリット・デメリットには次のようなものがあります。

 

メリット

  • 流通チャネルを介さないのでコストを安くできる
  • 作り手が消費者・ユーザーから直接声を拾える
  • ブランドイメージのコントロールが容易である

 

デメリット

  • 規模の急拡大が難しい
  • 自社で全てを揃えるための投資が必要となる

 

しかし、近年ではこの規模の急拡大をインターネットやSNSが補完する役目を果たしてくれています。

創業当初はリアル店舗を持たなくても商品を販売できますし、商品が人気になるとSNSを使って口コミで一気に広がるので、以前に比べると自社店舗がなくてもある程度まで規模を拡大することが容易になっています。

 

D2Cのポイント

D2Cは冒頭で解説したとおり、製造者が消費者と直接取引するビジネスモデルですが、単にそれだけには留まりません。直接消費者とコミュニケーションができる強みを活かして、既存のB2C型の企業にはできないこと、またはやりにくいことをしています。

 

例えば、以下のようなことです。

  • 経営者や従業員がSNSで発信して、顧客と直接コミュニケーションをとる
  • 創業初期のオンラインでしか販売できないことを補完するために、お試し期間を設けている
  • 単なる物売りではなく体験やストーリーなどセットで売り込んでいる

 

最後のポイントについて補足します。

 

例えば、Awayはスーツケースを販売していますが、Awayが売っているのは良質な旅行体験です。

以前の記事でマーケティングではモノ売りではなく、コト売りを考えようと書きましたが、まさにAwayは良質な旅行体験を販売しているのです。したがって、単にスーツケースを販売するだけに留まらず、豊かな旅行体験を想像できる雑誌もユーザーに送っているのです。

 

コトの価値について書いた記事はこちらです

【マーケティング志望者必見】顧客に提供するコトの価値を考えようこれからマーケティングを志望する人、または駆け出しのマーケティング担当者の方に向けてマーケティングで考えるべき重要なポイントを書いていき...

 

また、Casperも単にマットレスを売るのではなく、良質な睡眠体験を販売しようと努めています。実際にマットレスだけでなく、ベッドの横に置くキャビネットや、犬のベッドなども販売しています。ペットまで含めて良質な睡眠体験を提供しようというわけです。

 

D2Cで成功している会社は、こうしたことをストーリーとして消費者に伝えて、そのストーリーに共感したロイヤリティ(忠誠心)の高い顧客をターゲットにしてビジネスをしています。

 

まとめ

日本ではあまり一般的になっていないD2Cではありますが、今後その裾野は広がっていくと考えられます。なぜなら、日本にもD2Cが広がる土壌がすでに出来上がっているからです。

  • 消費者がモノよりもコト・体験を重視するようになってきている
  • 商品がコモディティ化してきて、ブランドストーリーが大事になってきている

 

こうした変化に加えて、消費者は見栄で買い物をすることは少なくなり、実際に必要なものを必要な分だけお金を使うという傾向が強まってきています。

そう考えると、このD2Cモデルは、以前このブログで紹介したサブスクリプション・モデルと組み合わせた上で、今後のメーカーが獲るべき戦略のトレンドになっていくことでしょう。

 

サブスクリプション・モデルについて書いた記事はこちらです

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