ロジカルシンキング

【自分の頭で考える力を伸ばす】知識と情報を加工するスキルを身に着けよう

 

少しは自分の頭で考えろと言われたけど、何をどうやって考えればよいのか。。。

このような悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。

私も、若いときに自分で考えろと言われ、そもそも何から考えればよいのかわからずに安易な結論を出しては、仕事を何度もやり直しするはめになったことが何度もありました。

「1分で話せ」の著者、伊藤羊一氏によると、考えるということを次のように書いています。

大前研一さんが「考えるとは、知識と情報を加工して、結論を出すことだ」とどこかで書かれていたのを読んだ記憶があります。

(中略)

「知識」とは「すでに自分の中にあるデータ」、「情報」とは「自分の外にあるデータ」 です。つまり、「考える」とは、「自分の中にあるデータや自分の外にあるデータを加工しながら、結論を導き出すこと」なのです。

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術から引用

では、どのように加工をして結論を導くとよいのでしょうか。

この記事では、私が普段から意識している2つの手法を紹介していきます。

 

自分の頭で考えるのに役立つ2つの論法

自分の頭で考えるためには、演繹法と帰納法という2つの論法を理解することが有用です。

なぜなら、世の中の論理というのは、たいていこの2つの論法に基づいて作られているからです。

 

演繹法

演繹法とは、一般論やルールに観察事項を加えて、必然的な結論を導く思考方法のことです。三段論法とも言われます。

  • ルール「このチームには男しか入れない。]
  • 観察事項「Aさんはこのチームのメンバーだ。」
  • 結論「Aさんは男である。」

演繹法の特徴は、ルールと観察事項が決まれば、結論が自動的に導かれるところです。

演繹法は、日常生活の多くで使われています。

例えば、信号を渡る際にも以下のように演繹法を使っています。

  • ルール「信号が青になったら進め、赤になったら止まれである。]
  • 観察事項「信号が青になった。」
  • 結論「進める。」

 

帰納法

帰納法とは、いくつか観察される事項から一般論を導く思考方法のことです。帰納法には例えば次のようなものがあります。

  • 観察事項1「A市場は伸びている。」
  • 観察事項2「A市場の競合は少ない。」
  • 観察事項3「A市場では自社の強みが生かせる。」
  • 結論「A市場に参入しよう。」

帰納法の特徴は、観察事項の中から共通項を見出し、結論を導く方法です。

帰納法も、日常生活においてよく使われています。

例えば、次のような場面です。

  • 観察事項1「X高校の生徒は偏差値が高い」
  • 観察事項2「X高校の生徒はスポーツも万能」
  • 観察事項3「X高校の先生は勉強もスポーツも厳しく教えてくれる」
  • 結論「X高校に入れば、文武両道の生徒になれる」

 

自分の頭で考えるための4つのテクニック

自分の頭で考えるためには、この演繹法と帰納法を批判的に活用する必要があります。

ここでは、批判的に考える際によく使われる4つのテクニックを紹介します。

 

(演繹法)ルールや前提条件を疑ってみる

演繹法は、先ほど挙げたように、以下のような論法になります。

  • ルール「信号が青になったら進め、赤になったら止まれである。]
  • 観察事項「信号が青になった。」
  • 結論「進める。」

もし議論の中で、演繹法が使われている場合には、まずルール(前提条件)を疑ってみましょう。

上の例でいくと、次のようなことを考えてみます。

「信号が青になったら進め、赤になった止まれというのは、日本だけ?」

「信号が壊れていて、ずっと青だった場合はどうなるの?」

このように、ルールを疑ってみると、観察事項が同じでも、結論が変わる可能性があるのです。

世の中には、疑うべきルールはたくさんあります。

例えば、会社でルールとされている「勤務時間」や「スーツ着用」などは、本当に必要なルールなのか?と考えてみることで、仕事にまつわる多くの事象の結論が変わってくるのでははないでしょうか。

ルールを疑うときは、次のようなポイントに着目してみましょう。

  • そのルール(前提)が作られた背景は何か?
  • そのルール(前提)は今でも通じるのか?
  • そのルール(前提)は未来でも通じるのか?

 

(演繹法)観察事項が正しいかを確認する

演繹法にはルールの他に、観察事項がありますが、その観察事項は本当に正しいのか?を疑ってみることです

例えば、先ほどの例だと、このような疑問を持つことができます。

「信号が青に見えたけど、実は光の加減でそう見えただけではないか」

「(実は自分は見ていなくて)人が青だと言ったから、青と思ってしまっていないか」

この例のように、観察事項に関しても、次のように疑いの目を向けることができます。

  • 自分が見たものは、本当に見たと思ったものだったのか?
  • 人がそう言っているから、そう思い込んでいないか?

 

(帰納法)結論が変わる観察事項を探してみる

帰納法を使って、批判的に考えてみる例を挙げます。

帰納法では、先ほど書いた次の例を使っていきます。

  • 観察事項1「X高校の生徒は偏差値が高い」
  • 観察事項2「X高校の生徒はスポーツも万能」
  • 観察事項3「X高校の先生は勉強もスポーツも厳しく教えてくれる」
  • 結論「X高校に入れば、文武両道の生徒になれる」

もしかしたら、この例で出している結論に違和感をもった人もいるかもしれません。

実は、この3つの観察事項だけだと、次のような結論も導けるからです。

  • 結論「X高校に入ったら落ちこぼれになるかもしれないから、やめたほうがよい」

これは、帰納法を使った論法だと、追加される観察事項次第で結論が変わる可能性があることを示してます。

言い方を変えると、結論を導けるだけの観察事項がそもそも足りていない可能性もあるということです。

例えば、次のような観察事項を加えると、最初の結論「X高校に入れば、文武両道の生徒になれる」に安定感が増します。

  • 観察事項4「私は中学時代、厳しい指導にも十分についていき、勉強もスポーツもトップクラスだった」

帰納法では、まず以下のようなことを疑ってみることができます。

  • その観察事項から導かれる結論は合っているのか?
  • 他に大事な観察事項は抜けていないか?

 

(帰納法)観察事項から異なる結論を出してみる

帰納法の面白いところは、観察事項から複数の結論を導けるところです。

例えば、次のような結論を導くことも可能です。

  • 観察事項1「X高校の生徒は偏差値が高い」
  • 観察事項2「X高校の生徒はスポーツも万能」
  • 観察事項3「X高校の先生は勉強もスポーツも厳しく教えてくれる」
  • 結論「X高校出身者を会社に採用すれば、高いパフォーマンスを出してくれる」

これは自分目線ではなく、会社の採用者目線に変えることで、導いた結論です。

帰納法では、以下の観点のように視点を変える発想を持ってみることで、これまでと違った示唆を得ることができるようになります。

  • この観察事項は他の人にとっても意味のあるものにならないか?
  • 同じ観察事項でも視点を変えると結論が変わらないか?

 

自分で考えるための訓練方法

ここまで書いてきたことを読むと、とても簡単に見えてしまいます。

しかし、実際にやってみるとわかりますが、考える力として定着するまでは少し訓練が必要です。

例えば、次のように日々訓練してみるとよいでしょう。

  • 自分がいつも当たり前に考えている前提で疑うべきことはないか(演繹法)
  • 通勤電車の広告3つか4つから何か言えることはないか(帰納法)
  • 本や雑誌に書いている論理構成は本当に正しいのか(演繹法・帰納法)
  • 本や雑誌に書いている情報で何か別のことは言えないか(帰納法)

このように普段から、何度も何度も考えることによって、自分の頭で物事を考える力が増してくるようになります。

なお、演繹法と帰納法の詳細は以下の記事に書いています。合わせてご覧ください。

【5分でわかる】演繹法・帰納法とは【わかりやすく解説】 ロジカルシンキングを習得するためには、基礎的な論理構築の方法を習得することが不可欠ですが、この基礎的な論理構築法には大きく2つあ...

 

まとめ

以上が、演繹法、帰納法を活用した「自分の頭で考える力を身につける手法」の解説でした。

これまでは会社の上司に言われたことをきちんとやるのが正解の時代でしたが、正解のない時代では自分の頭で考える力がますます重要になってきます。

この記事が、自分の頭で考えるためのきっかけになると幸いです。

  • 自分の頭で考える力をつけるためには、知識と情報を加工して結論を出す力をが大事。
  • 知識と情報の加工技術として使える論法が演繹法と帰納法
  • 批判的な活用方法には大きく4つある。演繹法の前提条件・ルールを疑うこと、観察事項を疑うこと、帰納法の結論が変わる別の観察事項を探すこと、視点を変えて結論を出してみること。
  • 普段から、演繹法と帰納法を使う癖をつけることで、自分の頭で考える力が備わってくる。

自分の頭で考えるためのフレームワークは演繹法・帰納法以外にも様々ありますが、私はまずはこの2つの型をしっかり使えるようになることをおすすめします。

なぜなら、この2つが使えるようになれば、その他のフレームワークを発展形と捉えて、より短い時間で習得できるようになるからです。

その発展形となるロジカルシンキングの基礎は、以下の記事にまとめています。

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セーシン
元サラリーリーマン管理職で新規事業、海外駐在などを経験し、現在は独立して法人向けコンサル等、いろいろやっています。サラリーマン時代には15年間副業やっていました。 ツイッターアカウントはこちら
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