マーケティング思考・戦略

リーンキャンバスとは 書き方・事例 新規事業コンセプトのフレームワーク

 

スタートアップ企業や、新規事業において、ビジネスモデルを考える際に活用できるフレームワークとしてリーンキャンバスというものがあります。

この記事では、リーンキャンバスについて解説していきます。

 

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リーンキャンバスとは

リーンキャンバスとは、「実践リーン・スタートアップ」という本を書いたアッシュ・マウリャ氏によって提唱されたもので、新規事業を9つの視点から考えて、ビジネスモデルの完成度を確かめるために使われます。

リーンキャンバスの例

リーンキャンバス

 

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リーンキャンバス・9つの項目

リーンキャンバスの9つの項目を解説します。

なお、リーンキャンバスは、これから説明する順番で作成していきます。

 

課題

狙っている事業領域や顧客が抱えている課題の中でも、特に重要となる課題を上位3つまで挙げていきます。

通常この課題は、顧客へのインタビューを通じて明らかにされていきます。

また、この課題に対して、顧客が現状どういう手段で課題解決しているのかも、あわせて明確にしていきます。

この代替手段のコストや手間がかかるものであればあるほど、大きな課題が潜んでいると言えるでしょう。

 

顧客セグメント

上記で挙げた課題の解決策を必要としている顧客セグメントです。

ここでの顧客セグメントは、できるだけ具体的に書くことが好ましいです。

同時に、この商品を真っ先に使ってくれるアーリーアダプターを特定しておくことも大事です。

例えば、30代男性ということだけでなく、東京都在住、独身、年収700万円などというような感じです。

もっと言うと、先日インタビューした●●さんというくらいまでの解像度で特定できると、より有効な解決策が提案できるようになります。

 

アーリーアダプターの具体的な解説は、以下の記事をご覧ください。

【5分でわかる】PLC(プロダクト・ライフ・サイクル)と戦略 キャズム理論プロダクトマーケティングを考える際に、そのプロダクトがどのライフステージにいるかを考えることはとても重要なことです。 この記事では...

 

独自の価値提案

これから提供する製品やサービスが顧客にもたらす価値です。

大事なことは、顧客目線で意味のある価値を抽出し、言語化することです。

また、そのサービスを一言で言うと●●ですと言えるようにするのも大事です。

例えば、「物流版UBER(ウーバー)」などのような感じです。

 

ソリューション

独自の価値提案を実現するための具体的な解決策です。

課題と同様に最大で3つまでにするのが望ましいです。

 

チャネル

ターゲットとする顧客にアプローチするための方法です。

訪問、広告、口コミ、検索エンジン等々、集客のためには複数の方法がありますが、その中で最も効果的に狙う顧客セグメントに到達できる方法を見つける必要があります。

 

収益の流れ

提案する価値、ソリューションをどのように換金するかの流れを示すものです。

家電製品のように、単に売り切るモデルであれば、収益の流れは単純ですが、サービスやソフトだと多彩な収益化の方法があります。

広告モデルであったり、サブスクリプションであったり、あるので、その中で適切なものを選ぶ必要があるでしょう。

サブスクリプションの具体的な解説は、以下の記事をご覧ください。

【5分でわかる】サブスクリプションモデルとは 事例・ポイント・課題 先日の記事で、マーケティングとはモノ売りではなくコト売りだという記事を書きました。 https://www.nsspirt...

 

コスト構造

ここまで検討してきたチャネルでソリューションを提案するためにかかるコストです。

通常は、製品・サービスの原価、該当するチャネルで製品を広めるための費用、運営にかかる人件費等です。

理想的なのは、1商品単位・1サービス単位のユニットエコノミクスを明確にすることです。

しかし、検討段階で詳細を明らかにすることはできないので、検討初期はラフな数字を一旦を置くしかありません。

 

ユニットエコノミクスの詳細な解説はこちらをご覧ください。

【5分でわかる】ユニットエコノミクスとは 生涯顧客価値(LTV) 顧客獲得コスト(CAC)新たな商売を立ち上げたときに、しばしば当面の目標して掲げられるのがユニットエコノミクスを確保することです。ユニットエコノミクスとは、ビジ...

 

主要指標

事業を成功に導くために重点的に管理すべきKPIを設定します。

新規事業の当面の目標は、売上を上げることではありますが、売上をKPIにするのではなく、その事業の売上に最も寄与すべき指標をKPIにすべきでしょう。

例えば、売上を以下のように分解したとします。

売上 = 販売個数 ✕ 販売単価

= サイト訪問数 ✕ 成約率 ✕ 販売単価

= サイト広告表示回数 ✕ 広告クリック率 ✕ 成約率 ✕ 販売単価

例えば、このときに広告表示回数と成約率が、非常に重要な指標となるのであれば、その2つを事業のKPIとしていきます。

 

圧倒的な優位性

競合が簡単に真似できない優位性のことです。

新規事業を考えるときに、この圧倒的な優位性を盛り込んでおくと、競合はすぐに真似できずに事業の優位性を長期間に渡って保つことができます。

 

リーンキャンバスで大事なのは、課題と顧客セグメント

9つの視点の中で、最も大事なのは課題と顧客セグメントだと言います。

なぜなら、課題がなかったり、その課題を持つ顧客セグメントが存在しなければ、そもそもビジネスとして成立しないからです。

失敗するスタートアップや、新規事業で、往々にして起こるのが、技術が素晴らしいのに、解決して欲しい課題や顧客が不在のままという状態です。

こうした状態のまま、製品が出されても結局売れずに終わってしまいます。

そうしたことを防ぐために、リーンキャンバスで一番最初に考えるべきことを課題として、二番目に考えることを顧客セグメントとしています。

 

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リーンキャンバスのメリット

事業検討初期からリーンキャンバスを作ることで、次のようなメリットがあります。

  • 検討初期の事業仮説を明確に言語化できる
  • 検討初期に比較的明確に見えている箇所と、仮説が曖昧な箇所を明確にできる
  • 検討を重ねていくごとに、内容をアップデートして、完成度・関連性を高められる

実際にリーンキャンバスを作ってみるとわかりますが、うまく言語化できないところは、往々にして仮説が曖昧なままであることが多いです。

また、一旦作ってみると、相互の関連性に矛盾を生じているところも見えてくるので、重点的に検証すべき仮説も見えてくるようになります。

 

リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスとの違い

リーンキャンバスに似たフレームワークとして、ビジネスモデルキャンバスがあります。

ビジネスモデルキャンバス

リーンキャンバスと同じように9つの要素によって、ビジネスモデルを説明するためのものです。

ビジネスモデルキャンバスが、既存のビジネスの相互の関連性を確認するために使うものであるのに対して、リーンキャンバスは新規事業の立ち上げに特化して使われるように修正を加えられています。

 

まとめ

以上がリーンキャンバスの解説でした。

  • リーンキャンバスとは、新規事業を立ち上げるときの事業仮説とその後の検証までをフォローするためのフレームワークである。
  • リーンキャンバスには、9つの視点があり、検討する順は次の通り。「課題」、「顧客セグメント」、「独自の価値提案」、「ソリューション」、「チャネル」、「収益の流れ」、「コスト構造」、「主要指標」、「圧倒的な優位性」。
  • リーンキャンバスを使うことで、事業仮説を言語化するとともに、検討初期の曖昧な部分を明らかにできる。

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リーンキャンバスを解説した書籍はこちらです

 

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元リーマン管理職+副業歴15年、海外、独立起業などの経験を踏まえて、仕事、経営、キャリア、海外に関することなど、ビジネスパーソンとしての戦闘力を高めるための情報を発信しています。 Twitterアカウントはこちら