人材マネジメント

X理論Y理論とはー横領事件から考えてみたモチベーション理論の限界

 

こんにちは、セーシン(@n_spirit2004)です。

先日、このようなツイートをしました。

このツイートの元となった横領事件とは、こちらです。

この会社、これまでに30億円ほどの資金調達をしているそうなので、調達金額分が丸々横領されたことになります。

実際には、売上もあったでしょうから、会社のお金が全部消えてなくなったということではないと思いますが、そうだとしても巨額な横領であることには違いありません。

今回は、このニュースを見て、モチベーション理論の1つであるX理論・Y理論について思い出したので、X理論・Y理論とは何か、その限界も含めて書いていきたいと思います。

 

X理論Y理論とは

X理論Y理論とは、アメリカの経営学者ダグラス・マグレガーによって提唱された理論のことで、X理論とY理論はそれぞれ次のようなことを示します。

X理論

X理論では、人間は働くことよりも働かないことを好むので、組織を管理する者は、働く者を統制して、指示を下して、それに相応する働きをするように管理しなければならないとしています。

こうした人達は、人から指示されることを好み、仕事の際には安全であることを求めて、何かを成し遂げようという欲求は存在しないとされています。

性悪説的な考え方と言えます。

Y理論

Y理論では、人間は、積極的に働くことを望んでいるので、やりがいのある目標があれば、たいていの人間は自己をコントロールしながら、自発的に仕事に取り組み、積極的に仕事の責任を引き受けようとするとしています。

こうした人達は、達成感や自己実現という報酬を得るために、他者からの命令がなくてもひたむきに仕事に打ち込むとされています。

性善説的な考え方と言えます。

 

X理論Y理論で示唆されていること

マグレガーは、X理論Y理論の中で、人をX理論の前提にたってマネジメントすると、働く者はX理論に従った人間になるとしています。

例えば、X理論に従って、労働者を報酬と罰によってマネジメントをすると、労働者が働く目的は自己実現ではなく、報酬を貰うためと、罰を避けるためになってしまいます。

そうすると、労働者は次第に指示待ちになり、人が見ていないところでは、サボればよいという風土が生み出されて、結果的にX理論に従った労働者が生まれてしまうのです。

一方で、Y理論に沿ってマネジメントをすると、労働者は自発的な能力開発の機会を得ることができ、課題を解決するために積極的に責任を負って行動しようとします。

つまり、Y理論を前提にマネジメントをすると、Y理論に従った労働者が生まれるというわけです。

そのため、マグレガーは結論として、労働者をY理論に沿ってマネジメントすると、労働者の生産性や業績が向上すると述べています。

 

Y理論だけで組織運営するのは困難

マグレガーが述べているように、組織をY理論に従って運営するのは賛同できますが、実際はY理論だけで運営するのには限界があります。

今回のベンチャー企業の横領事件を見ていると、ますますその気持ちは強くなります。

また、私自身も冒頭のツイートに書いたように、課長であった部下を不正で辞めさせた経験があります。

厳密には、勤務時間中にプライベートなことに多大な時間を使っていることが発覚して、降格処分にしたのですが、降格を言い渡せば退職するだろうという思惑があったので、辞めることを前提にした処分をしました。

横領が起きたベンチャー企業は、担当の取締役に業務を一任していたのでしょうし、私もその部下が課長だったということもあって、細かく行動管理をしていませんでした。

ある意味、Y理論に従ってマネジメントをしていたわけですが、それだけでは組織の秩序を保つには限界があると感じてしまいます。

 

人間は間違えるという前提に立つとX理論も必要

みんなが常にY理論に沿って積極的に仕事をしていれば、問題も起きないでしょうが、ふとしたきっかけでX理論にあるように「いやいや仕事をしている」瞬間も訪れることでしょう。

そこにシステムの穴が重なることで、冒頭のツイートにも書いたとおり、間違った行動をとってしまうのでしょう。

今回の横領事件だと、以下のような状況だったのかもしれません。(あくまで推測です)

会社のお金を簡単に個人口座に移せることを見つけてしまった。これを原資にしてFXで儲ければいいのではないか?使ったお金は後で会社の口座に返せば問題ならないはずだ。

私が経験した部下の問題では、振り返ると以下のような状況でした。

勤務時間を使って他のこともできそうだ。少しくらいプライベートのことに時間を使っても大丈夫だろう。

いずれも最初から悪意を持って何かをしようとしたわけではなく、偶然システムの穴を見つけてしまい、少しくらいなら大丈夫だろうと始めてしまったことが問題になっています。

 

お金と命に関わる部分はX理論で考える

これまでの経験と、今回の横領事件を見て思うのは、お金と命に関わる部分は、X理論でマネジメントをするのがよいといことです。

お金に関しては、先ほども書いたようにシステムに穴があると、不正など考えたこともなかったのに、魔が差して不正に走ってしまうかもしれません。

命に関しては、たった1回の行動の間違いが大惨事につながってしまうかもしれません。

こうした場面では、Y理論に従って自発的な仕事への参画を促すだけでは不十分で、X理論に従った統制や指示ということが大事になってくるのだと思います。

仮に個々人が間違った行動をとったとしても、統制や指示などを通じて、間違いが起こってしまう機会(システムの穴)を潰しておけば、大問題になることを未然に防げるからです。

 

まとめ

以上、X理論Y理論の解説でした。

  • モチベーション理論の1つにマグレガーが考案したX理論Y理論がある。
  • X理論では、人間は働くことよりも働かないことを好む、Y理論では、人間は、積極的に働くことを望んでいるという前提でマネジメントをする。
  • マグレガーによると、X理論でマネジメントをすると、X理論に沿った労働者ばかりになり、Y理論でマネジメントをすると、Y理論に沿った労働者ばかりになると主張、そのため組織の生産性を上げるにはY理論が有効としている。
  • しかし、現実問題としてY理論だけでの組織マネジメントは難しい。特に人は不正に手を染めるを明確な意思がなくても、不正に走る可能性があることには注意が必要である。
  • お金と命に関わることはX理論を前提にしたマネジメントを取り入れたい。

 

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セーシン
元製造業のリーマン管理職。海外駐在や新規事業を経験後、40代で独立し複数の会社から業務を受託するフリーランスにキャリアチェンジ。国内外の仕事を受けています。ウェブサイト運営歴15年、20代からの学びをこのブログにまとめています。 ツイッターアカウントはこちら
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